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「返せよ!!」
「お断りします」
シーツを取り返そうと腕を伸ばすが、簡単に掠め取られてしまう。そして、シーツへと縫い付けられた。
そして、もう片方の手で後ろを弄られる。肌を伝うこそばゆい感覚に、身を捩った。
「こっ…んの変態が…!」
唇を噛み締めながら、俺の上に圧し掛かる人物を睨み付けた。
「変態でいいですよ。人のものを勝手に取ってしまう心無い方より断然マシです」
しつこい。いつまで根に持っている気だこの男は!
「…っ!…ひ」
露出した俺自身の上に、冷たいローションを垂らされた。遠慮なく股の真上でローションの容器を斜めに傾け、どばどばと中の液体を零す。
その粘液はとろりと流れて、後ろの尻の谷間まで濡らした。そんなに一気にかけたら、シーツまで伝って染みを作ってしまうだろうに、そんなのお構いなしだ。
「あ、うぁっ!」
ぐり、とアナルに指を挿入された。一気に襲い来る体内からの圧迫感に、思わず息が詰まる。
しかしその指は、特に俺の良い場所を狙ってくる訳でもなく、ローションを内部に塗りこめたら、すぐに引き抜かれた。
「…っ…ん」
どこか物足りない気がしてしまい、思わず鼻に掛かった息が漏れる。それに気づいたのか、古泉の口元が歪んだ。
その顔が無性に腹が立つ。頬を抓りながら否定してやろうと思って、身体を起こそうとした。のだが、後ろに無機質な物体が押し付けられたのに気づき、思わず身体が固まる。
「あ、っ……待てっ!!」
俺の制止の言葉なんて当然のように聞き入れてもらえず、太い部分がゆっくりとアナルに入ってくる。
硬くて、暖かさも何も感じない物体が体内に侵入してくる感覚なんて、不愉快以外のなんでも無い。
「ひ、あっ、ま、まて、まてまてまてってば!あぅっ!」
俺が何と言おうとも、遠慮なくずんずんと入ってくる。いつも受け入れている古泉のよりかは小さいから、そこまできつくは無い上に、楽に挿入される。
だけど、あきらかに何の意志も込められていない異物。そんなものが、今俺の中にある。そう考えると、激しい嫌悪感に吐き気がしてくる。
最後まで入ったのか、古泉が俺の脚の間から顔を上げた。平然と俺を見下ろす顔を、睨みながら見上げる。
「抜け、変態っ…!」
「いいですよ。僕が帰ってきてからでよければ、抜いて差し上げます」
帰ってきてから?何のことだと思ったら、古泉はベッドの上の俺を放置して、外出用の服を着始めた。
「お、前…どこに」
「言ったでしょう。牛乳買ってくるんですよ。近所のコンビニには売っていないので、ちょっと時間がかかりますよ」
牛乳、すっかり忘れていた。しかも時間がかかるってどれくらいだ。
その間、俺はこのままの状態でお前を待っていなければいけないのか?冗談じゃない。
「電車で2駅先なんで、早くても片道で30分ぐらいかかりますかね」
つまり、往復で一時間以上になります。
そう当たり前のように答える古泉の顔を、本気で殴りつけてやりたい。
「大丈夫ですよ、あなたをそのままにしては出て行きませんから」
きちんと衣服を着込んだ古泉が、ベッドに近づく。
このままにはしておかないって事は、抜いてくれるのだろうか。だったら何でわざわざ入れたんだ。
などと疑問はあるものの、この異物を取り除いてくれるのならそんな事どうでもいい。
「こっちに向かって足、開いてください」
言われるがままに、古泉に向かって足を開いた。
古泉の手が、俺の中に食い込んでいる物に触れる。
やっとこの嫌悪感から開放される、かと思ったのだが。
「…っ!う、あっ、なぁっ!?」
突然、中のものが痙攣しだした。
なんだこれ、聞いて無いぞ!
「ひ、ぁ、ああ!こ、のっ…ぃ、あ!あ、くっ!」
文句を言おうにも、上手く舌が回らない。
そんな俺を眺めて、古泉が笑った。それはもう楽しそうに。さっきまでの不機嫌面はどこに行ったんだ。
「では。行ってきますね。一人で気持ちよくなったり、勝手に抜いちゃったら嫌ですよ」
「し、…ぅか、あ!うあ、あッ!」
何か物を投げつけてやろうかと思ったのだが、近くに投げれそうな物が無い上に、俺の両手はベッドのシーツを握り締めることで手一杯だ。
ガチャリ、と玄関が閉じられ、ご丁寧にも鍵をかける音が聞こえてきた。
部屋には俺の荒い息遣いと、規則正しい機械音のみが響く。









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