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自分でも唇の傷口を舐めてみる。薄い皮膚を食い千切られた程度だから、深い傷では無い。
不意に、視界にあいつの手の平が入り込んできた。思わず、身を引いてしまう。そっと頬に触れられ、身体が強張る。
「すいません」
流れた涙の後を、指でなぞられる。その動作は先程までとは打って変わって、優しいものだ。
「今日のあなたには本当に苛立ってしまったもので、少し憂さ晴らししちゃいました。怖かったですか?」
「な、なっ……」
思わず開いた口が塞がらない。憂さ晴らし、ウサバラシ……ってなんだそれ。
これまでのは全部演技だったとでも言うのか?
「じゃあ、早くこの紐解いてくっ……」
台詞の途中で、また顎を掴まれた。込められた力は強く、指が肌に食い込む。
「それは、お断りします」
そう言って、手を離した。
冷ややかささえ感じられる視線が俺に向けられる。脳裏に先程の恐怖が蘇った。
「では、どうされたいですか?」
「え」
どうされたい、なんて。何故この状況下で、俺にそんな事を聞くのか。質問の真意が全く見えない。
「どうされたいか、聞いているんです。答えてくれないと、僕の好きにやっちゃいますよ?」
好きにやっちゃう。
その言葉に背筋に悪寒が走る。何をされてしまうのか全く分からないが、俺にとって良い事では無いのが安易に想像ができる。
怖いのは嫌だし、痛いのも嫌だ。
「いっ……痛いのは、嫌だっ……」
「はい。分りました」
いつものような、優しい笑顔を向けられる。
「あのですね、僕、考えてみたんですよ。あなたってば極度の照れ屋さんじゃないですか。どうしたらもっと素直になってくれるのか」
肩を掴まれて、またしても床に伏せられる。視界には、冷えた床しか写らない。
あいつの姿が見えていないと、今後ろで何をしているか分からない。もしかしたら、また背後で刃物を構えているかもしれない。
緊張からか心臓が激しく脈打つ。呼吸がしづらくて、息苦しい。
「あっ」
履いていたズボンのゴムの部分を掴まれて、下ろされた。乱暴に脱がされたため、尻尾が擦れて痛む。
「……ひ、っ」
何か冷たいものが、尻にかけられた。何の遠慮も無く、ぼたぼたと大量に垂らされる。
「な、んだ……?」
首を捻って後ろを見ようとするが、何をしているか分からない。
「……それで、考えた結果がですね」
ぺたりと尻に触られ、俺の身体に垂らされた液体が微かな水音をたてた。
「普段から恥かしい思いをして頂いたら、あなたの照れ屋も少しは改善されるんじゃないかな、と」
「はっ……?」
「痛くないように善処はします」
尻の谷間に指らしきものが割って入って来て、奥の窄まりに触れる。あいつの細くて形の良い指は、かけられた液体がローションの変わりになっているのか、痛みも無く簡単に俺の身体に飲み込まれた。









あきゅろす。
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