[携帯モード] [URL送信]
 




これも照れ隠し…なのかな。
後ろから彼の無防備な背中にそっと抱きついてみた。嫌がる様子は無い。
「もっと触っても、いいですか?」
「……」
返答は無い。無言なのは肯定の証だろうと勝手に判断して、僕の隣に横たわっている尻尾に触れてみる。そっと握ってみると、ぴくりと彼の耳が震えた。力を込めないように握り締めたまま、ふわりとした毛の感触を楽しみつつ、下の方へと手を移動させる。頭に生えた茶色い耳が小さく痙攣して、徐々に触れている箇所が付け根へと近づいていく度に背が丸くなっていく。
「尻尾って、結構敏感なんですね」
小刻みに震える猫耳にそっと囁いて、尻尾の根元を握り締める。生え際を爪先でくすぐるようになぞってみたら、尻尾の先の部分が僕の指先に合わせるかのようにびくりと動いた。
「う、うー…!」
声を我慢しているのか、くすぐったいのか。僕は普通の人間で、尻尾なんて生えたことが無いから、そこに触れられる感覚なんて想像すらできない。どこを触ってあげたら、気持ちいいんだろう。少しずつ穿鑿するように身体に手を伸ばす。
空いている方の手で前の性器を握りこんでみた。蜜が滴り欲情を露にする箇所を、先程とは違い乱暴に扱く。彼自身とは対照的でとても正直なそこは、僕の手の動きに合わせてさらに体液を滴らせる。
「ふあ、あ…っ」
手のひらに滾る熱の感触を感じながら、目の前で可愛らしく震える耳に視線を向ける。いつもぴんと立ち上がっている耳は、今は力無く垂れていた。
あそこにも触れてみたい。でももう両手は塞がっている。仕方が無いので、空いている口で軽く歯を立ててみた。
「…い、っ!?やあ、ッ!」
途端に背を仰け反らせながら、僕の手の中に白濁としたものを吐き出す。耳も敏感なんだなあ、なんて考えながら、二回目の射精で全身の力が抜けてしまったらしい彼の身体を抱きしめる。そして、まだ口の中にある耳に、強めに歯を立ててみた。耳の先にまで生えている毛が、僕の舌先をくすぐる。
「い…いたいっ…」
「でも、痛いだけじゃありませんよね」
僕の言葉に反論する事無く、黙り込んだまま顔を伏せる。耳の先まで舐めて、毛先を唾液で濡らしてから口を離した。
いつもは反抗的な彼が、今は大人しく僕の腕の中に納まってくれている。今の時間がとても幸福な気がして、彼の身体を包む腕に力を込めた。頭の上に顎を乗せてみると、短めの毛がちくちくと僕の顔をくすぐる。うん、可愛い。気持ちいい。可愛い。もう一段階腕に力を込めて、ぎゅっと抱きしめた。
彼の体温を感じながら、壁にかかった時計をちらりと見てみる。夕食の準備を終えてから、もう一時間半も経ってしまっていた。今日は元々僕の帰りが遅かったため、夕食の時間自体が遅くなってしまっている。もう明日の準備をしておかないといけない時間だ。
「そろそろ身体を綺麗にして、寝ましょうか」
優しく抱きしめたままそう言うと、僕の腕の中で彼の頭が動いた。少しだけ振り返って、僕を見る。
「お前はいいのか?」
「何がです?」
彼の問いかけの意味が分からなくて聞き返すと、何故か顔を赤くして僕を睨んできた。何か気に障ることを言ってしまったのだろうか。
「お…お前、は、気持ちよくならなくていいのか…?」
「…は?」
少し言い直していた二度目の問いかけも、よく分からなかった。僕が気持ちよくならなくて…とは?
なんて考えていたら、ああもう!なんて言いながら、キョンくんが僕の腕の間からすり抜けていく。
「お前、馬鹿だ。いちいち鈍いを通り越して馬鹿だ。聞き返すなよ、ばーかっ!」
なんで三回も馬鹿と言われないといけないんだ。抗議をしようとしたら、僕の目の前に座っていた彼が頭を下げてズボンに手をかける。








第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[グループ][ナビ]
[HPリング]
[管理]

無料HPエムペ!