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キスの合間に、口の端をぺろぺろと舐められる。まだまたたびが付いているのだろうか。
「んくっ…っ」
布の上から彼自身に触れていた手を、腹伝いに衣服の中に忍ばせた。思っていた通り中は熱く蒸せていて、濡れた感触が指先に伝わる。
びくびくと脈打つ彼のものにそっと指先をそえると、視界の隅で彼が唇を噛み締めるのが見えた。
「熱い、ですね…」
「っ…」
顔を近付けて囁くと、そっぽを向かれてしまう。少し悲しい。
ズボンの中で彼の性器を握り締めた手を下へずらして、捲れた部分を親指で撫でる。先端から流れ出た体液が、指を濡らした。微かに聞こえてくる粘液の混じり合う音が、さらに僕の感覚を刺激する。
「や、はぁっ、あっ…!」
彼の性器がどくりと大きく震えて、大量の液体が放出された。それは僕の手を濡らすだけに止まらず、下着の中に広がっていく。
「ぁ…は…っ…」
余韻に耐えながら、ゆっくりと息を吐いて呼吸を整える。ぼんやりと天井を見つめていた視線が、ちらりと僕を見た。
「…気持ちわるい」
「じゃあ、脱がせていいですか?」
僕の問い掛けに、こくりと首を縦に振る。
所々しみが出来てしまっている彼のズボンと下着を、一度に下ろした。尻尾が引っ掛からないように気をつけながら。
「これは後で手洗いしないと駄目ですね」
濡れた下着を摘んで眺めてみる。白い体液が付着している箇所は、普通に洗濯しただけでは跡が残ってしまいそうだ。
「いつまでもそんなもん見てるなっ」
ばしりと手を叩かれて、下着が床へと落ちる。僕はただ思った事を言っただけなのに。
彼の下腹部へ触れてみると、吐き出された精液が指に絡んだ。腹に手を乗せているだけなのに、その下にある彼の性器が頭を抬げる。
ウチに来た時はここも小さかったのに、成長したものだ。彼と出会った時から今までの、彼の成長していく様が頭の中で再生される。本当に大きくなるにつれて、愛想が無くなっちゃって…。
そこまで考えて、ふと思い付く。僕にこんなことされて、嫌なんじゃないだろうか。いつも近寄るだけで怒るし、声をかけたら嫌な顔をされる。そんなばい菌同然の扱いをしている相手に触れられて、良い気がする訳が無い。
彼は寝転がったまま、動きが止まった僕を不思議そうに見ていた。またたびなんかで酔わせて襲うだなんて、僕は何をしているんだろう。これじゃ動物虐待と変わらないじゃないか。
「ご、ごめんなさい!いいい嫌でしたよね、こんな…!」
咄嗟に立ち上がって彼から離れた。そうだ、身体を綺麗にしてあげないといけない。タオルはどこに置いたっけ。
「……は?何言って」
「ごめんなさい!ごめんなさい!大嫌いな僕なんかにこんなことされちゃって、僕は、あなたのよ…弱みに付け込むような事を…!」
慌てて何度も何度も謝る。怒らせたら後が怖いから。あの鋭い爪で引っ掛かれて、しばらくお風呂に入りづらくなってしまうんだ。しかし彼は、呆れたように僕を見上げた。
「いつ、俺がお前のことを嫌いだと言ったんだ?」
「ごめんなさいごめんなさいごめっ…………えっ」
謝罪の合間に聞こえてきた言葉に、耳を疑う。頭の中で何度もリピートして、その台詞の意味を考えてみる。
「えっ?あれ……もしかして、」
僕、嫌われてない?
搾り出した結論に、彼が無言で頷いた。
「……でも、僕が話しかけたら顔を逸しますよね?」
「うっ……」
「近寄ったら離れていくし」
「あぅ……」
「頭を撫でようとしたら怒るし」
「そ、それはぁ……」
彼が横になったまま、両腕で顔を覆い隠した。
「はっ…恥かしいんだよ!お前の声が聞こえたり、お前が近くにいると…」
わざわざ説明させるな、ばか野郎!と叫ぶと、ころりと身体を転がせて俯せになる。
えと、僕といると恥かしくて、声が聞こえるのも恥かしくて、無視したりわざと距離を取ったりしていた、と?
「それはつまり…………僕のことが好」
言いかけた所で、思い切り膝をひっぱたかれた。服の上からだけど、ひりひりする。
「そこまで言わなくてもいい!」
顔を真っ赤にしてまたそっぽを向いた。髪の隙間から生えてる茶色い耳の先が、小さく震えている。










あきゅろす。
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