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「見られてるだけで感じるんですか?いやらしい人ですね」
「・・・・っ、・・・」

はぁ、と耳の穴に古泉の吐息が吹きかけられ、中途半端に熱を保っている身体がさらに熱くなる。胸がどきどきして距離の近い古泉の顔を直視できなくなり、俺はぎゅっと目を瞑った。
いつもなら「顔が近い!」なんて言って追い払うのだが、今は何故か動くことができない。
あんなところを見られて、気持ち悪がられて敬遠されるんじゃないかと思っていた。だけど、そんな想像とは違い古泉は嫌悪するどころか、逆に自分から俺に近づいてきている。
なんでだろうか。自分の名前を呼びながら自慰行為なんかをしていた俺が、気持ち悪くないのか?
俺だったら、同性の友人がそんなことをしている場面に遭遇したら、もうその友人を友として見れないし、自然と自分から距離をとってしまうだろう。
古泉がそれをしないのは、何故だ。少し考えて、一つの答えが俺の頭に浮かぶ。
それは、あまりにも自分勝手な結論だ。

…もしかして、こいつも…俺のことが、なんて。

きゅうっと胸のあたりが苦しくなる。ありえない考えだが、一抹の希望を持ってしまう。

「……ふっ」

古泉の微かな笑い声が聞こえて、目前にあった気配が消える。
恐る恐る目を開けてみると、古泉が口元に手をあてながら、くすくすと笑っていた。
何がそんなに可笑しいんだ。

「あなたが妙に初な反応をなさるものですから、つい」

初な反応、だったのか。あれが。
古泉が自然に楽しそうに笑って嬉しい反面、なんともやるせない気持ちに包まれる。
複雑な心境で古泉の顔を見ていると、またしても古泉が俺の股の間を覗き込んできた。

「まだ、イってないんですよね」

敏感な箇所に至近距離で話しかけられ、思わずぴくりと身体が震える。
両足の間から、古泉が俺を見上げた。

「続き、してみてください」

一瞬、何を言われているのかわからなかった。
続き?さっきの、あれの続きか?

「な、お、お前の前で……?」
「そうですよ。僕に見られていたほうが、興奮するんでしょう?」

にこりと妖しく笑うその顔に、ぞくぞくと腰が震えて、思わず声が漏れてしまいそうになる。

「ほら、じゃないといつまでもこのままですよ。いいんですか?」
「……い、やだ」

ゆっくりと、先ほどのように両手をペニスに伸ばし、茎を握る。
すごく恥ずかしい。だけど、いつまでもこのままなのは嫌だし、何より古泉がそれを望むのなら、してみてもいいかもしれない。
落ち着いて考えてみると異常な思考だと思っただろう。でも今は、何故か脳内が甘い毒に犯されたように蕩けていて、理性なんて全くといっていいほど働かなかった。

「ふ……んっ……」

漏れそうになる声を出来るだけ我慢しながら、ペニスを握り締めた両手を上下に動かす。
先に弄っていたおかげで、既に体液でぬめっていたためくちゅくちゅと聞きたくも無い音が教室内に響いた。

「…ん、んんっ…!」

元々限界ぎりぎりで塞き止めていたおかげで、絶頂に上り詰めていくのも早い。
しかし、もう少しかと思ったときに突然古泉に腕をとられ、ペニスから離される。

「ふ、っ……?」
「ちょっと待ってください」

なにを待てというんだ。お前からやれと言っておいて。
今すぐイってしまいたい所だが、古泉に両腕を握られてしまっているために、ペニスに触れることができない。太ももを擦り合わせて刺激してもいいのだが、古泉が待てと言っているので、それもできなかった。
古泉の言うことを聞いて、我慢していれば、それだけ気持ちよくなれる気がする。
そしてそれ以上に、今俺は古泉に命令されている、古泉の言うことを聞いている。そう思うだけで、直接性器を触るのとはまた違った快感が俺の脳裏に生まれた。案外俺は従順な奴なのかもしれない。
しばらく考えるような仕草をしていた古泉が、まっすぐに俺を見る。

「男同士って、たしか肛門で性交を行うんですよね。だったら後ろも弄ってオ
 ナニーしてみてください。男が好きならそれぐらいしたことありますよね?」

それが当たり前のように、そう言われた。
前だけでも死んでしまいそうなほど恥ずかしいのに、後ろも、だなんて冗談じゃない。

「は…?い、意味がわからっ…」
「じゃあいつまでもこのままですね。僕は別に構いませんが」

両腕を握る手に、力を込められる。容赦の無い握力に、腕から痛みが伝わってきた。
たしかに、俺は自分で後ろも触ったことがある。…古泉のことを、考えながら。
でも、だからと言って本人の前でなんて。

「ほら、やってくださいよ。見ていてあげますから」

嘲笑うように、俺を見る。
その蔑むような視線に、また身体の熱は高まり、じわじわと快感が理性を侵していく。

「……す、する、から…腕を離せ」

俺の返事に、古泉が満足そうな顔をしながら、両腕を離した。






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