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28日目
今日こそは登校しようと思っていたのに、目が覚めたら昼だった。
これは目覚まし時計をセットし忘れてしまったのが原因だ。失態である。
遅刻してでも登校した方が良いかとも思ったが、もう5時間目も終わりそうな時間だ。これから学校へ向かっても6時間に出れるかどうかすら怪しい。だからと言って部活のためだけに学校へ行くのもどうかと思って、今日も休むことにした。
涼宮さんには彼女からアクションがある前に、病み上がりなので大事をとって今日も休んだと連絡を入れておこう。



29日目
今日はちゃんと目覚まし時計もセットしてあり、普通に登校できた。
教室に入って自分の机に付くなり、クラスメートの女子に声をかけられる。
この人はたしか、このクラスの委員長をやっている……何さんだったか、名前が出てこない。その彼女に、休み中のプリントはちゃんと見てくれたか聞かれた。
プリント?そんなもの、僕は知らない。
そう返すと、おかしいわね、と返事が返ってきた。
あのなんとか団の、男の子に届けてくれるよう、渡しておいたのに。
彼女のその言葉を聞いて、さぁ、と血液が熱くなったような気がした。
忘れていたんじゃないですか。その僕の返答を最後に、女子との会話は終わった。
朝のHRで、どうでもいい話をする教師の声を聞き流しながら考える。
僕の家の場所は知っているはずだ。届けるだけならば、黙って郵便受けにでも放り込んでおけばいいじゃないか。それすらも、抵抗があった訳か。嫌われたものだ。
一連の授業が終わって、放課後になる。部室に行こうかと部室棟への通路を歩いていたら、後ろから走ってきた涼宮さんと合流をした。
もう体調は大丈夫なのか、まだどこか悪いようだったら無理はしなくてもいいと言われる。
出会った当初に比べると、随分と気配りの出来る女性になった。これも彼の影響あってのことだろう。
彼女と並んで部室の扉を開くと、朝比奈さんからお茶を受け取っている彼が視界に入った。
思わず立ち止まる。
その場で涼宮さんに断りを入れて、結局今日も部活動は早退させてもらった。



30日目
またしても目覚めたら昼過ぎだった。
昨日は帰宅してすぐシャワーを浴びて、そのまま寝てしまったため髪型が好き勝手な方向を向いている。
喉が渇いたので、水を飲もうと冷蔵庫を開ける。500mlのペットボトルの底に少しだけ残っていた水は、二口ほどで飲み干してしまった。
調達しに行かないといけない。スーパーの方が安いのだが、面倒なので近所のコンビニにで買ってしまおう。
寝間着のままだし、髪型も酷い事になっているのだが、歩いて2分程度にあるコンビニに向かうのに、わざわざ服装を整えて行くことも無いだろう。涼宮さんにさえ出会わなければ問題は無い。
そう思って、財布を片手に外に出ようと、玄関の扉を開けた。
そしたら、目の前に意外な人物が立っていた。
突然扉が開いた事に驚きが隠せないらしく、呆然と僕を見つめながら立ちすくんでいる。
なんで、彼がここに?
思考をめぐらせつつ、彼の右手を見てみると、何枚か紙が握られていた。
そうか、あの女子に頼まれたプリントとやらを届けに来た訳か。
気まずそうに僕を見る彼に目線を合わせて、にこりと笑ってあげた。
「それを届けに来てくれたのですか?今更」最後の一言は嫌味だ。彼は、眉を寄せながら無言で手にしたプリント達を僕に差し出す。
僕が出てきて随分驚いていたことから、たぶん郵便受けにでも投げ入れておくつもりだったんだろう。紙を持つ手が震えている。
プリントを受け取る振りをして、手首を握ってやった。そのまま嫌がる彼をずるずると引きずりながら、家の中に連れ込む。放り投げるように手を離してやると、あっけなく床に倒れこんだ。
そのまま彼にのしかかって右腕を押さえつけながら、片手でズボンごしに尻をなで上げてやる。
しばらくこっちは弄ってあげていませんでしたね。自分で触ったり、しました?なんて聞いてみると、怒りか羞恥故か、顔を赤くして勢い良く否定してくる。ぐ、と布の上から穴の部分に指を食い込ませると、ひ、と吐息が盛れた。
下だけ全部脱がしてやって、唾液でぬらした指を入れてやると、きゅっと内部が締まる。
まるで、待ち構えていたように僕の人差し指と中指を包み込む肉の感触に、どことなく嫌悪感を覚えた。汚い、所詮彼も快楽には従順な人間でしかないのか。
指を出し入れしながらそこを慣らしつつ、僕も寝間着のズボンを脱いで、自身を取り出す。
2、3回扱いてから、指を入れていた後ろの穴に添えてやると、彼が潤んだ瞳で信じられないとでも言いたそうに僕を見上げる。
そのまま、何も言わずに挿入してやる。程々に慣らしておいたおかげで、力ずくではあるが根元まで入ることができた。下から痛々しい声が聞こえる。でも、そんなもの僕には関係ない。
ゆっくりとだが、何度か腰を打ち付けてやっているうちに、嗚咽交じりだった悲鳴に、喘ぎ声のようなものが混じってくる。
男のものなんて入れられて感じているだなんて、本当に汚い人間ですね。
耳元で何度もそう言ってやると、ぼろぼろと泣き出した。酷く傷つけられたような、その表情がさらに僕を誘う。
そのまま体位を変えたりして、暫く彼を犯し続けた。体力が尽きてきた頃、ふと窓の外を見てみると、すっかり日が落ちて薄暗くなっている。
精根尽き果てたようにぐったりと座り込む彼を尻目に、携帯を拝借して自宅へ電話をかけてやる。
妹さんが出たのでお母さんに代わってもらえるように頼み、母親に彼が僕の家で眠りこけてしまったため、今日はうちに泊まってもらうことにします、と伝えた。日ごろの行いのおかげか、何も疑われることもなく承諾される。
会話が終わって、携帯電話をかちりと閉じると、泣き腫らした瞳が僕を見上げた。




31日目
昼前に携帯のバイブ音で目が覚めた。
着信を知らせて光るディスプレイを見ると、涼宮さんの名前が表示されている。
通話ボタンを押して、携帯電話を耳に当ててみると元気の良い甲高い声が鼓膜に響いた。
何の用かと思いきや、本日15時にいつもの駅前に集合、らしい。それに適当に受け答えしつつ、電話を切る。
この様子だと、すぐに彼の携帯の方にも着信が入るに違いない。
そう思った次の瞬間、聞きなれない着信音が聞こえてきた。
眠っていた彼が条件反射か起き上がって、枕元を探る。いつもはその辺りに携帯を置いているのか。
ぱたぱたと手を動かして何もないことを不思議に思ったのか、少しだけ頭を上げるて辺りを確認すると、勢い身体を起こした。だが、身体のどこかを痛めているらしく、起き上がった瞬間顔を歪めている。
そしてゆっくりと振り返り、僕を見た。畏怖しているものに向けるような目線で。
僕は自分のものではない携帯電話を手に取り、彼に渡そうとした。涼宮さんからの着信ならば、彼に出てもらわないといけない。
しかし、彼は首を横に振って嫌がる。
たぶん涼宮さんからです。出てくれないと、昨日よりもっと酷いことしちゃいますよ?脅し文句としては三流だろうが、それでも彼には有効だったらしい。恐る恐るだが、ゆっくりと手を差し出して携帯を受け取り、開く。
いつもどおりに出てください。何も、悟られないように。顔を近づけてそう囁く。まぁ、本人もこんなことを彼女に知られたくはないだろうけど。
電話で出た彼は、少し言葉に詰まりながらだが、平常を装い受け答えをする。声が掠れていることを指摘されたのか、風邪をひいたのかもしれん、だなんて下手な嘘をつきながら。
通話が終わって、震える手で携帯を手放す。
15時に集合、と言うことは、あと4時間程度しかない。
まだベッドに埋もれたままの彼の手を引いて、無理矢理立たせる。足元からぽたぽたと僕の吐き出した残骸が流れ落ちた。
昼過ぎの集合時間までに彼には一旦家に帰ってもらって、きちんと身なりを整えてからまた集まりに参加してもらわないといけない。
雑にだが服を着せて、玄関から追い出す。が、その場に座り込んでしまった。こんな所で止まられても迷惑なだけなのだが、仕方がない。好き勝手に弄りまわされた挙句、身体を清める間もなく追い出されるのだ。もし自分だったらと考えると、冗談じゃない。
また腕を引いてなんとか立たせながら、昼の集合の時にちゃんと普段通りに参加できたら、次は優しくしてあげます。なんて言ってやると、泣きそうな目で睨まれた。
僕の腕を乱暴に振り払うと、背を向けてよろよろとした足取りで出て行く。少し心配ではあるが、帰れないことは無いだろう。
約束の時間まで、部屋の掃除でもしておくか。









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