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19日目
朝、登校してから5組の教室を覗いてみる。
今日はちゃんと休まずに登校していた。よかった。
数日振りに彼に会えたおかげか、部活の時の涼宮さんはとても機嫌が良かった。彼女が楽しそうだと僕も落ち着く。
帰り道に褒めてやるつもりで彼の頭を撫でてやった。彼は、驚いたように僕を見上げた。




20日目
体育の時間、ふと校舎を見上げてみたら、窓際に座る彼の姿が見えた。
遠目にこちらを窺っていたらしく、視線が絡む。しかし、やはりすぐに視線を逸らされた。
僕と目を合わせたくないのなら見なければいいのに。
だが、それだけ僕の存在を意識しているということでもある。それはそれで喜ぶべき所だろう。
その後も、授業中何度か僕の様子を窺っているようだった。
そんなに気になるのなら、後で遊んであげよう。
たしかこの後向こうのクラスも体育だったはずだから、それが終わってからどこかに連れ出してやろう。体操服のほうが、色々と弄りやすい。



21日目
夜に携帯を眺めながら、考えてみる。
そろそろ機関に報告書でも提出するべきだろうか?
でも途中報告をしたところで、これからの動向について何か指示が下されてしまうかもしれない。
だとしたら、制約の無い現状のままのほうが僕もやりやすい。
このままで良いか。
そう思って適当にアドレス帳を表示させていたら、彼のアドレスが目に止まった。今から電話したら、彼は出るだろうか。
なんとなく通話ボタンを押してみた。電話口から呼び出し音が聞こえる。
何度かコールしてみたのだが、彼が出る気配は無い。せっかく学校から離れているというのに、わざわざ僕と話したくなんかないのだろう。別に彼が出ることを期待していたわけではないが、諦めて電話を切ろうとした。
が、その直前に、微かに彼の声が聞こえてきた。急いで携帯を耳に当てる。
「こんな時間に何の用だ」なんて不機嫌そうに僕に話しかける。出てくるとは思っていなかった。
「何で電話に出たんですか?」出来るだけ声を低くして、そう聞いてみる。返事は無い。電話をしてきた相手になんで出たのか、なんて聞かれても返事のしようが無いのだろう。
「もしかして、何か期待してました?」ぽつりと囁いてみれば、息を呑むような音が聞こえた。ああ、いやらしいことをされるのを期待していたのか。昨日僕にいたずらされたばかりだというのに。
低い声のまま、自分で自分の胸を触るように言うと、そんな事できないと否定的な答えが返ってきた。しかし、彼の息遣いは荒い。口では出来ないと言いつつも、実際にはもう触れてしまっているんじゃないだろうか。
次に乳首を摘むように命じ、さらに携帯を肩に挟んで、もう片方の手で自分自身を握るように言う。
「どうなっていますか?」と聞いたら、恥じらいつつも自分の状況を伝えてくる。嫌がっているように見せながら、僕より彼のほうが乗り気なんじゃないのか。
そのまま反応しているらしいペニスを自分で扱くように言うと、本当にやっているのか、かみ殺したような吐息が聞こえる。耳元でそんな声を出されては、僕自身も反応してしまいそうだ。
しばらく好きにさせていたら、微かに高い声が漏れた。射精したのか。
はぁはぁと呼吸を整えている彼に、吐き出したもので汚れているだろう指先を後ろの穴に入れるように言う。しかし、さすがにこれは無理があったのか、「そんなことできるか!」と大声で怒鳴った挙句ぷつりと電話が切られてしまった。ここまでは簡単に乗ってきたくせに。
静かになった携帯電話を置いて、自分自身の身体の状況を考える。このままこの場で処理をするのは少し居た堪れない気分になってしまいそうなので、トイレにでも篭ろう。




22日目
登校途中で、彼の気だるそうな背中が見えた。
普段ならば近づいて何かアクションを起こしてやりたいところなのだが、今日はいまいちそんな気分ではない。
昨夜、自己処理を済ませたあとの嫌悪感とでも言おうか、すさまじいものがあった。
彼の声なんかに反応してしまった挙句、わざわざトイレに篭ったくせに処理中思い浮かぶのは彼の姿ばかりだ。自分で自分が心底信じられなくなった気分である。
ああ、彼の後姿を見ながら色々と思い出していたらまた腹が立ってきた。













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