20XX年 財団アクセス・オンは電子戦闘シミュレーションシステムの開発に成功した。 特殊な機械に囲まれた椅子に座らされ、半透明のボール型のものを頭にあぶらされ、人は戦場にダイブする―。 さながらマトリックスのそれが実現したとした脚光を浴びた。 脳体験とはいえ、きしむ骨の痛さも血の味も、リアル体験として5感を駆け巡る。 戦場体験のない新兵の教育システムとして、耳目を集めたが、度重なる反戦運動の槍玉に挙げられ、ライフラインともいえる研究費のパイプが大幅にカット。 財団は崩壊した。 ……………かに見えた。 この5年後― 「BRシステム」と名づけられたこのシステムは、思わぬ所で復活していた。 マザーコンピュータを解して、一般的な携帯電話を媒体にアクセスが可能になっていたのだ。 今や世界中の殆んどの人が個々に持つ携帯からのダイブ。 いつしか、仮想戦場に魅せられたマニアの間に広まりを見せていた― 携帯からアクセスするとマザーコンピュータは、その人の精神を乗っ取り孤島に連れ出してしまう。孤島は長崎沖に浮かぶ軍艦島に似ていると噂される。 完全に廃墟になって電子でできた軍艦島で何が起っているのか… マザーコンピュータからいっか課せられた使命は… ただ一つー 「生きろ…」 [グループ][ナビ] [HPリング] [管理] |