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こちらは、既に確立されたジャンルであるが、その歴史は意外なことにタップダンスから始まっている。タップダンスは30年代ディキシージャズのリズムに合わせて踊られていた黒人の躍りだった。
ジャズミュージックの発展と共にニューオーリンズからブロードウェイに渡り、ビッグバンドと共にミュージッカルの華となるのだが(ブロードウエイ最古作品ショーボート)、その時既に、音楽界はブルーノートレーベルの設立へと動いている。つまり、ビッグバンドから、スタジオで録音するためのコンパクトな形へ(まるでバロック時代へ遡るかのように)、より洗練されたインプロビゼーション(アドリブ)の演奏形式と高度な技巧と理論の展開などを録音によって保存し、後世へ残す時代である。
ブルーノートレーベルの創始者は、戦難を逃れ移民してきたジャズをこよなく愛するユダヤ人アルフレッドライオンで、黒人ではないが、プレイヤーはほとんどが黒人である。(インプロビゼーションも、黒人の手による演奏と言う点も、ストリートダンスと同様という点に着目)

これに対し、ブロードウェイでのステージダンスはモダンバレエの振付家ジェロームロビンスなどによって振付けられマイケルベネットコーラスラインの映画化で最盛期を迎える。
ルイジというスパニッシュ系白人によってバレエメソッドの土台にジャズアームという手法を用いより、アフリカ調に整理されていく。今で言うモダンjazz、コンテンポラリィjazz、ステージjazzなどである。クラシックバレエを基礎とし、マーサグラハムやホートンなどのモダンダンスメソッドを取り入れ、ボールルームダンスと、jazzテイストのリズムに乗せた、バレエやモダンの芸術的な部分をより大衆商業芸術へと近づけた。

ダンサーの体を気遣う身体に優しいジャズメソッドを考案したルイジの有名な言葉は、into the music!(聴いてごらん音楽を)。白人が違う文化の黒人の音楽で踊った画期的な挑戦だったのではなかろうか(それまでバレエやモダンに黒人のダンサーや振り付け家はいたが、白人文化のメソッドだった。なぜなら、音楽を演奏するプレイヤーは黒人でも、ジャズミュージックを聴いて楽しむのも、バレエやモダンなどの芸術を鑑賞するのも、ブロードウェイの商業演劇を観る余裕があるのも、白人だったからだ。
故に1924年リンカーン記念祭にポールホワイトマン楽団のアレンジによって発表されたガーシュインのラプソディーインブルーを再演した黒人だけの出演のブロードウェイミュージカルソフィスティケイテッドレイディズ(アルビンエイリー振り付け)は各界に衝撃を与えた)
ルイジによって整理されたジャズは、やはり黒人ダンサーであり、コンテンポラリーダンスの振付家であるアルビンエイリーによって、それまでの白人芸術と肩を並べる程に舞台芸術として洗練される動きと、
80年代のポピュラーソングアーチストらのビデオクリップに登場する、より大衆化されるポップなジャズへと二方向へと変化する。

ルーツは黒人のタップダンスだが、白人によって整理され芸術の領域へと昇華されたjazzを再び黒人文化へと帰還させたのは、70年代の社会批判と、アフリカ文化啓蒙の動きから生まれたダンスミュージックであるファンクやブラックコンテンポラリィや、ラップミュージックの台頭や、異文化とも言うべき白人音楽のロックと黒人文化のジャズのクロスオーバーであるフュージョンの台頭、また、それらの音楽をブラウン菅を通じ大衆の目に触れさせ、受け入れやすくフィーチャーした80年代のポピュラーソングでの黒人アーチストの活躍がある。
当時話題を呼んだマイケルジャクソンの大作ビデオクリップ、スリラーでは紆余曲折して黒人の元へ帰ってきた大衆ポップジャズ(スリラー以外はポーラアブドウル振り付け)と、生まれたばかりのストリートダンスのmoveの(ラストシーンのゾンビ、エレクトリックブガルー)のコラボが伺える。彼らはよく来日しており(住み着いて?)私もブラウン菅を通じてでなく、クラブで生の彼らを垣間見る機会がある。
特筆すべきは、jazzも生きる、活かすと言う変化の意味を持つ。
生きているもの故に変化し続け成長していく。姿形を変え時代の流れと共に生き残っている。
昨今では、ヒップホップのmoveを取り入れたストリートジャズ、クラブジャズやよりスタイリッシュなスタイルジャズなども流行している。ヒップホップとジャズのどちらをメインにするか?で多少の差はあると思うが、私的にはより黒人らしい70年代ジャズ風のソウルトレインのwaackが好きなのでwaackjazz(souljazz)が得意であり、現代に受け入れられやすいと思う。
2004年著
2008年改訂

i:na




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