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「100億の男」の国友やすゆきが生み出した、多彩なキャラを紹介する。

富沢琢矢
「もう、やめにしたいんですよ。あんた達流の薄汚ないやり方は……いつも陰で巧妙に立ち回って甘い汁をすすっているあんた達のような腐りきった支配者達を一掃しなきゃ、いつまでたっても俺達の本当のビジネスは始められませんからね!」

物語の開始時に24才の主人公。元は中堅の東都物産に務めていた平凡なサラリーマン。和美と将来を誓い合っていた時に天善に母、由江の連帯保証人になっており、借金の額は100億と告げられる。マリエには当初自分のような目に遭ってほしくないと思っていた。
その後地獄を見るが、金と関わっていく数々の女を武器に天善に立ち向かう。楊と最高の時を過ごし、沙貴によるいびりを受けた後もそのことを思い出して経験に富んだ。あからさまで大仰なマリエの芝居(Index.45のサブタイトル)はたちどころに見抜いた。
28歳にして国土創成社常務に就く。ヤグミ興産の件で天善に役者の違いを思い知らされるなどして、大きくなっていく。
楊と結ばれることを誓うも新しいフィアンセのいる和美に漢ぶりを見せる。
天善にあくなき闘志を燃やし、住和銀行を不良債権を承知で我が物とした。全ては変わりゆくこと対する達観ぶりは親程の年のその頭取を驚かせている。
100億で自分からその人生を買って引き込もうとする天善に敢然と戦う姿勢を明らかにした。


久我山天善
「惜しいのう……お前に、もう少し分別があれば……富沢、お前こそこの私のあとを継ぐ男だと思っておったんだがな」

国土創成社の会長。「財界の闇将軍」や「日本の財界のドン中のドン」といった異名を肆(ほしいまま)にする。政界にも絶大な影響力を持ち、合図一つで東京中を消灯させて時の首相が頼りにする程。
琢矢の一連の働きは100億の価値があると評して、借用証書を破棄するも彼を悪し様に言い、その力を誇示した。
欲は際限がなく、最強のマネーウェポンと考える金融をも掌握せんとする。
大衆に対して無力な老いぼれの演技をする古狸でもある。


広瀬和美
「だって……私……怖くて………もう、二度と幸せを失いたくなかったから………!」

琢矢のフィアンセ。本作の女性では普通っぽさが味。沙貴の真の愛を確かめるための(見る者が他にいない)試練にも耐えられなかった。思い切って琢矢とでSEXを見せたマリエ達のことを考えても、どのみち金の魔界に生きることとなった琢矢とは結ばれなかったと思われる。
事故死したと思われたが、終盤生存が判明。新しい結婚の決まっているがいた。勤務する住和銀行に罪を擦り付けられ、琢矢に救われる。


久我山沙貴
「私にはどうしてもあなたが必要なのよ。私が父・久我山天善をも凌ぎ、真の勝者になるためにね……あなたの類まれな才能を使いこなしてあげるわ」

天善の年の離れた娘。腰まで届くかという長髪が特徴。痛め付けられる中で琢矢が気にとめる美貌の持ち主。
傲岸不遜がスーツを着て歩いているような女性。“本当の愛”を試そうとして、和美に地獄を味わわせて「鬼よ!悪魔よッ!!」と言わしめた(その後正しく悪魔の笑みを浮かべる)。愛も信じる心も不要と吐き捨てる。上条曰く「性根の座ったごっつうええ女」。
アメリカのビジネススクールで“東洋の奇跡”と異名された(美娟も同じ3月15日生まれなので余計話題になった)。人間らしさの欠如を指摘する恩師には耳を貸さなかった。天善に幼い頃から反感を抱いていた。
琢矢を天善と別の手で苦しめ、同じ位人生をめちゃめちゃにしたと言わしめるも、当初から想いを抱いていたことを終盤告げる。
シカゴで琢矢に初の敗北を喫した後、穀物相場で成長した。
天善の許す一線を覚悟の上で越え、これからは邪魔な一匹の蝿と言われても意に介さなかった。
かように過去も徐々にわかり、もう一人の主人公といっても過言ではない。


根本健治
「わかったよ。琢矢、お前を信じよう……俺はどこまでもお前についていくぜ!」

通称ショーケン。エリート証券マンから天善にはめられてホームレスになる。渋めの風貌。マリエはロングヘアーが似合うと評する。
琢矢に乞われ、打倒天善の決意も新たに、力を貸す。「マリエちゃんでも知っていた噂だぜ。兜町の強者たちが…」の台詞から自身も海千山千と窺える。
社会復帰できるようにしてくれた琢矢に情報を提供し、支え続けた。


りさ子
「あたしね、あなたと最初に言葉を交わした時、ビビッと感じたの。私達はいつか必ず出会う運命にあったんだって…………」

銀座の高級クラブLEEのママで仕事柄情報通。ほくろが妙に色っぽい。中国語版の表記は莉莎。
琢矢の操の固さに思わず笑った。100億だろうと1000億だろうと返せると保証する。
終盤琢矢に見込み通りと言い、情報を提供する。彼が世界の表舞台に立つようなことを予想し、楽しみにする。


横山正彦
「天善がこの仕事につまずけば、間違いなく奴は主役の座から堕ちることになる!そして、今度はこの横山正彦が業界を牛耳るNo.1になれるんだ!!」

新日不動産の社長でりさ子の愛人。政権交代の隙に極度に恐れる天善に代わって斯界に君臨せんと画策する。りさ子と彼女が乗り換えた琢矢を亡き者にしようとして失敗、全てを失う。


野沢悦郎
「何が手を貸すだ、天善め!もはや、貴様のようなジジイの出る幕じゃないんだよ!」

民自党唯一の勝ち残り。今は成新党代表幹事を務める。天善に面従腹背を続け、官僚を駆使して誰が日本を動かしているか分からせようとする。琢矢のマリエに用意させたサクラを使った計略で失脚する。


村田信夫
「君には人間の心ってものがないのかーっ!!」

見るからにお人好しそうな、琢矢の東都物産時代の同僚。所帯持ち。
国土創成社のため、冷酷になって恩を仇で返す結果となった琢矢を刺してしまう。


楊美娟(ヤン・メイチュワン
「私は待っているわ………あなたが今生きているこの人生が決して間違った選択ではなかったと確信を持って帰ってくる日を……」

10才にして大学院で経済を学んでアメリカのビジネススクールでの成績は沙貴のそれを凌駕し、新“東洋の奇跡”と称された。今では中国人の若き指導者。彼女が率いるあらゆる分野の企業が中国の頂点に立っており、功成名を遂げた年配のリッチマンが敬語を使う「本物の超スーパーレディ」。ボブカットにチャイナドレスが似合い、沙貴と同様、才色兼備と云える。
祖国の地獄を何度も見た一族の出身。
和美をなくし、失意の琢矢と相思相愛をとる。沙貴のためやり直すはめになった時の琢矢への言葉は「ウオアイニイ」(あなたを愛しているわの意)。琢矢は「(数々の女性と会ってきて、しかし)心を通わせたのは君だけだ」と返した。


前島マリエ
「だってあたし20億のへこみがあるのよ、ちんたらやってらんないわ! それに、みんなと同じに賭けて勝ったってつまんないもの!」

琢矢曰く「はねっかえり娘」の株式会社マエジマの令嬢。ウェーブヘアがトレードマーク。中国語版の表記は真理繪。
マエジマは真鍋の話を聞いた琢矢の反応と彼女自身の言葉から一級の企業であることが窺える。父、隆が赤子の時亡くなってから母はやり手と評判。自身も管理会社の代表取締役だが、そうと知らず当初ビジネスの話はできない一介の女子大生のように言った。
好きでもない相手(登場せず)とのお見合いをなくすため、琢矢に恋人役を頼む。母は娘を探すよう部下にいったのも前島家から犯罪者を出さないためなので、酷さが分かる。
普段から欄干を無事渡れるか琢矢に持ちかけるなどギャンブルが好き、政一のゲームで積もるに積もった借金の額は20億。「マリエはいっつも勝負を急ぎすぎなんだよ」の言(注意にあらず)も気に止めなかった。牌九かブラックジャックの起源ヴァンテアンの物珍しさに気が行って負け続けた可能性がある。あるいはアメリカにも入って間もないカリビアンスタッド(本作は93年に開始)あたりに真鍋が盛り上げる名目で取り入れたプログレッシブで一攫千金を夢見て借金は20億まで膨らんだのかもしれない。
土地を売ったのは琢矢のせいにし(沙貴は“マリエさん、うまいことを考えたわね”と思った)、お見合いを破談にしてもらう時の涙まで流す演技力をまた発揮した。その後外国に逃げようとし(準備済み)、土地を売った金を宝石に換えるしたたかさも有する。
琢矢の豹変(Index.50のサブタイトル)には当惑した。
琢矢の影響で(本人曰く「門前の小僧、習わぬ何とか打だよね」)イベントクリエイトM's企画を立ち起こし、他の才媛のように琢矢に貢献した。


真鍋政一
「いいですねェ、大いに悶えてみなさんをたっぷり楽しませてくださいよ、マリエさん!なにしろ我々はあなたのためにこんなに高額のギャラをはずむんですからねェ」

昇学工業の跡取り。背は低く、太目で蝶ネクタイをしている。マリエ達暇を持て余していた金持ちの学生のゲームの胴元。
金儲け全般が好きで、マリエ以外の参加者も勝ち負けを繰り返させて巻き上げていた(「金の価値をわかってないのはマリエの奴だけじゃないけどね」との談)。高校時代からやっていた株で琢矢と勝負する。強欲で、仕手戦の“必要経費”さえも惜しんでメンバーを言葉巧みに利用して少しでも儲けようとする。
終盤琢矢の協力者の一人となり、一発“投資”しようと思ったと言う。


広瀬恵美子
「何とお呼びすればいいのかしら、プレイボーイさん?」

遊び人と噂されるスピリッツケミカルの社長夫人。31才(夫の和好はマリエが見るからにお人好しと言う41歳の婿養子)。
浮き名を流してAVスキャンダルもあった。その唇・胸・腰・肢体のいずれも経験豊富な琢矢に計略抜きで生唾を飲ませ、「たしかにきれいな女(ヒト)だ……」と言わしめる。その後も色っぽいと感じさせる(後ろ姿を見せ、恐らく尻でも)。
出直すよう言われた琢矢が天善を見て打倒のため相手をしようとして、ただのおばさんに自分より惹かれたと思うマリエ(熟れ頃の女ともマリエも評してはいる)を不快にさせた。
琢矢の相手をした後彼に対して声を荒げたが、何事もなかったかのようにショッピングをしていて再開した時はにこやかに見ていた。意味するところは琢矢にはわかりかねた。


久我山善彦
「……どこまでもバカな男だな、君は……僕がここまで寛容な心を見せてやっているのに……」

沙貴の兄の常務。アメリカの生ぬるい日本と違った、戦争と言っても過言ではない厳しいビジネスを学んできた。眼鏡をかけて穏やかな外見に野心を隠している。
ちずるに偽りの愛を吹き込み、利用する。


黒河ちずる
「よ……よしひこ……さん……か……必ず……パ……パーティーまでに、完成……させるわ……」

新進気鋭の建築士。24才。
家は久我山家以外は政財界に影響力を持つ閨閥。
仕事には一切の妥協を許さず別人のようになるが、素は騙して利用した善彦に琢矢が憤るお人好し。善彦の言うこと(琢矢をよきライバルと見ている)善彦の本性を告げられた時も別人のようになって否定した。


森下圭
「ビジネスって、書類をやりとりしたりするだけじゃないわよ。体を張った取引というのもあるのよ……!」

住菱地所の事業部本部長。善彦の愛人ですれっからし。沙貴と琢矢が只の上司と部下の関係でないと気付いた(琢矢はそういった甘い関係でないと返した)。身を梃して得た、人脈という武器があると自負する。
天善のような老害が日本を牛耳る今を快く思わず、終盤でマリエや政一、融資のままならぬベンチャービジネスの社長達とで琢矢に協力する。


美村奈緒子
「上条、天善、そして富沢琢矢!こいつは最高のネタよ!絶対にものにしてやるわ!!」

短髪のアクティブなルポライター。琢矢と初めて会った時の台詞は「バカ野郎、気をつけろ」だが、以降は男言葉を使わない。
バイクの運転にスパイ活動にも長けている。
仕事にかまけてショッピングなどを拒み、男の方からふられたことがあるという。
後にショーケンと行動を共にする。
政財界の裏情報を掴んでおり、琢矢にこわれる前から知っていたことで和美を救うのに貢献した。彼女が琢矢の今の恋人かと勘繰ると、「ああ、残念だけど違うわ」と返した。


上条和明
「ぬかしとれ、老いぼれ!!あんたの時代は、もう終わったんやで!」



トラック一台からという裸一貫で身を起こした、関西弁のカミジョウコーポレーション代表取締役の立志伝中の人物。国土創成社を手中に収めんとする。
不当な手を使ってでも目的が叶ったと思った後香織のため刺され、野心を吐きつつこと切れる。琢矢は札束を手向けた。


篠田冴子
「私、二度とあなた達のような人間と関わりにならないって思ってたんだけど、あなたを見てたら主人を思い出しちゃったの……血気盛んでひたすら前向きで自信満々だった頃の主人を…やっぱり私って好きなのねえ……バカな男達が……」

国土創成社に吸収されたヤグミ興産オーナーの未亡人。小料理屋“しのだ”を営む。夫と歳が離れており、金目当てと思われたとのこと。
夫ができなかった男の壁を超えて登りつめることを琢矢に託す。


永野
“どうやら私の人生は決まったわ………富沢琢矢!わたしが秘書としてついていくのは、この男しかいない!”

ヤグミ興産における琢矢の第一秘書。眼鏡をかけてインテリ然としている。琢矢を冷ややかに見て、ついていけないと思った。97億を自分の口座に移してスイスへの高飛びを謀ることもあったが、ウェルネス社を手中に収めた彼に忠誠を誓う。
琢矢と直接関わった女性には珍しく、目合うことはなかった。


フェルドマン
「ミスター・富沢…・これだけは言っておく。君の国ではどうか知らないが、この国では自分の安全すら管理できぬような愚者を相手に、ビジネスをするようなバカは一人もいないんだよ」

ウェルネス社の社長。日本のマーケットに魅力を感じながらも日本人嫌いで。日本人に一銭たりとも儲けさせまいとする。
自社製品の欠陥は部下のせいと擦り付ける卑劣漢でもある。


レイチェル・ヘイズワード
「自分で自分の道を拓け………それって、まさしくアメリカン ウエイ オブ ライフ…アメリカ人の生き方そのものよ!日本人のあなたに、こんなことを教えられるなんて……」


ウェルネスケミカルガラス社の若き研究開発部の部長(チーフ)。長髪。中国語版の表記は蕾茜。
“研究バカのレイチェル”と渾名される。琢矢に相手と同じと指摘するなどして惹かれ合う。何度も関わりを持つ。
これからもウェルネス社を琢矢とでもり立てることを望むが、天善絡みのことで彼は帰国せねばならず、あとを託されて引き受ける。


速見香織
“上條さん……あなたもたいしたタマじゃなかったわね。チョロいもんだわ、フフフ……これで、あなたともサヨウナラ……ね!”

ロックチャイルド企業振興財団の極東地区代表を名乗る。
内面は冷徹にして怜悧な美貌通り。目的のため、同性に辱めを与えることにも微塵の呵責もない。


張坤厚(チョウハンホウ)
「好きだ。楊を心から愛している!どんな手を使っても、僕は彼女をこの手に取り戻してみせる!」

中国を変えようとする「農士光党」のリーダー。点目が特徴。楊が彼は利用されたと知ると憤った、誠実な性格をしている。
楊への想い(それがために琢矢と握手を拒んだ)から12億の民を裏切ってしまい、壮烈な最期を遂げる。末期も楊と相思相愛の琢矢への呪詛を吐いた。


肖国軍(シャオクオチュン)
「しっ、信じらんねえぜ!!こんないい女をものにできつなんてよォ!たまんねえっ、最高だ!」

天才的なハッカー。初登場時から金より体で払うことを望む節があった。琢矢の商談を成立させるのに欠かせない情報を得る対価として、些細なこと持ち出して楊に性欲を満たすよう迫る。覚悟を決めた彼女(Index.120のサブタイトルにある)に許してと言わせた。


アルバート・カーチス
「わかったか、小僧? ビジネスはそんなに甘くないということが……」

世界一の穀物メジャーの7代目。楊の自己犠牲で肖が流した偽情報で琢矢と種子の売買契約を結び、地位のことを言われると悔しがるしかなかった。


飯塚頭取
「ば……馬鹿なことを!それじゃあ、私にとっては天善に回収されても君に売っても同じじゃないか!」

住和銀行の頂点。悦郎を山猿と称する。遥かに若くて不易流行を悟っている琢矢に驚き、彼の言うように頭取の座を譲る。金融に暗い琢矢に協力する。
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