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気まぐれに文章かいたり日常だったり

2018.01.05(金) 01:10
あけましておめでとうございます^ ^
今年もよろしくお願いいたします!

2017.01.03(火) 18:26
明けましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします〜セレクトでいよいよゴッズのターンになってすごく興奮してます。やはり初期ジャックの高貴さはたまらない…ふぅ

2013.08.12(月) 22:58



『遊星からの注文はすごいぞ。ほら、例えばブログ。あげる前に狭霧のチェック入るだろ?あれ実はな、狭霧から遊星にデータ送ってオーケーが出ないとアップできない仕組みだったりする』
『……だからミスティが厳しい事務所だと言っていたのか……』
『後ほら、』
『いや、もういい』
頭が痛くなってきた。遊星のやつ、なんて事を。
ぐぬぬぬ、とこめかみをつついていれば、万丈目はまぁ愛されてる証拠だし良いじゃないかと呑気な答えを寄越してくる。
『そんな問題ではないっ!だいたい万丈目貴様、吸血鬼や血だのカルトくさい……こんな奇天烈な事になぜ驚かない』
『自分で言うのか、それ』
『ええいそんな事はどうでも良い!答えろ!』
目の前の書類が積み上がった机を叩き壊す勢いで乗り出す。
普通の人間なら、遊星がそんなとんちんかんな事を言い出せば笑い飛ばすはずだ。俺も人間ならそうするだろう。しかしこの目の前にいる社長は律儀に誓約書までかいているのだ。単純に馬鹿か、もしくは―――万丈目自身も俺たちと同じ存在かもしれない、という事だ。ぎらりと半ば睨みつけるように万丈目を見れば、釣り目気味のグレーの瞳が真っ直ぐにこちらを見返してくる。それからゆっくり眼球が右上に動き、再び俺に帰ってきた。
『そうだなー…何と言うか、慣れ、だな』
『慣れ?』
はぁ?と言いたくなるのをぐっとこらえ続きを促す。
『ほら、十代だ十代。たまにふらっと帰ってくるアレだ。あいつもほとんど奇天烈人間だから。学生の頃から変なゴーストやら妖精やら問題ばかり持って来るんだ。俺は毎回巻き込まれて、憑かれたり踏んだり蹴ったりして、気がつけば何が起きてもあまり動じなくなったな』
万丈目はまくし立てるように喋ると薄笑いを浮かべどこか遠い目をしていた。
『十代……』
たしかに、アイツならと納得がいく。何度となく突如現れ、事務所に居座り、そして去っていく。台風のような男が事務所の32Fから軽やかに飛び出したのは、確か2日前の事だった。
『……確かに十代がああなら……信じるしか、ないな』
『だろ?遊星もアレだが、十代も十代なんだ』
お互い顔を見合わせるとぷっと吹き出す。
『ジャックもパートナーに苦労しているな』
『それはお互い様だろう』
『っ!おま、ジャック知って……』
ぼ、と首まで真っ赤にした万丈目はあたふたとしだす。
『あんないやらしい視線、友情では出せん』
ゴン、と万丈目は机に額を打ちつけた。



2013.07.26(金) 23:01



ジャックが目覚めた後、万丈目はすでに姿を消していた。社長は多忙だとわかりながら礼ぐらい言わせろ、と最初はひとりぐちていたものはたと自身の違和感に気づいた。
『体が軽い……』
異様なくらい爽快だった。倦怠感も全くない。
『まさか…』
先刻の飲み物が良かったというのか。空になったボトルが何だったか知ろうにも、社長がどうやら持っていったようだ。何が何だかわからない。
鬢をいじりながらまとまらない考えを巡らせていれば、廊下からカツカツとヒールを激しく鳴らす音が聞こえてきた。
『―――ス様、アトラス様っ!』
『狭霧。どうした。まだ撮影時間では――』
『撮影時間の合間に別件のインタビュー&お知らせがありますと申し上げていました!お疲れの所大変申し訳ないのですがっ急いでお支度をっ』
『あっあ?ああ分かった』
まくし立てるように狭霧は言うと、俺の手を引っ張りあれよあれよと社長室から連れ出した。そんなものだから、インタビューが終わった後すっかりジャックは万丈目に聞かなければいけないことを失念してしまったのである。


それを思い出したのは、再び社長こと万丈目に会った半年後の事だった。
それはまた天気を聞くような気軽さで。思い出したというか半ば無理矢理こじ開けられ、あまつさえ大事な宝を堂々と触られたのだ。
『ジャックお前また顔色悪いぞ。血、飲んでるか?』
『は?』
『だから血。半年前からボトルでやってただろ。お前知らずに飲んでたのか?ほら、ロケ弁と一緒だったり、狭霧が渡してくれてたアレ』
すらすらと読み上げる万丈目の話は、自身の事なのに意味がわからない。
『………………血』
『前ぶっ倒れそうだったからな。十代に聞いてたから血液パックは用意していたんだ。だからほら、あれから倒れなかっただろ?』
確かに体調は良いなと思ってはいたが。いや、それよりも。
『―――万丈目、何を知っている』
ざわ、と空気が苛立つ。
吸血鬼の本能が目の前の対象を危険だと知らせる。万丈目は何を知っている。彼は見方か、それとも―――
『知ってるも何も。遊星に許可証書かされたからな。お前と遊星、吸血鬼だって事もうんと学ばされたぞ』
『は…』
『何だ遊星から聞いてないのか。お前をスカウトした時即遊星に呼び出しをくらったんだ!3時間も延々とお前との出会いから吸血鬼の習性、注目事項を話され、向こうの用意した許可証にサインまで書かされた』
いつの間にそんな事を。




2013.03.24(日) 22:37




日本へ移り住んだ彼らはしばらくは一般常識の欠場によりクロウにそれはもう世話になった。ぶっちゃけ彼らというかジャックが世話になりまくっていたのだがパートナー兼保護者の遊星も同罪とみなしている。それほどにジャックは遊星に甘やかされていた。そんなジャックも400年ほどたった頃、天職に出会う。仕事を終えた遊星を迎えにいったところを芸能事務所からスカウトされたのである。胡散臭いと疑っていたもの、無職であることに負い目をようやく感じ始めていたジャックはこれを快諾、晴れてモデルデビューした。遊星は反対するかと思いきや、事務所代表が万丈目という名前だ、と聞いたとたんにあそこなら安心だと滅多に見せない笑みを浮かべ了承してくれた。モデルデビューは華々しく、そして一気にジャックは事務所の看板モデルとして登りつめていった。2年たった頃だろうか。雑誌社と契約していたジャックは多忙に多忙を極め、疲労がピークに達していた。事務所社長の万丈目から呼び出しを受けたときでさえ、頭が朦朧として今にもソファーに横になりそうだった。
『さすがの貴様も疲れているようだなジャック。ほら、そこで寝る前にこれを飲め』
『……?』
ごと、と乱暴に置かれた1本のペットボトル。ラベルは貼られておらず血のように赤い中身がゆらゆらと揺れていた。そういえば、ずいぶんと長い間血液を飲んでいなかった気がする。
疲労の原因は睡眠だけではなかったようだ。
『……すまない…』
『ほらバカ、寝るな!蓋も開けてやったんだぞ』
それでも船を漕ぎはじめたジャックにあーもう!と痺れをきたした万丈目はつかつかと社長の割には古ぼけた靴を響かせジャックの前に立ちはだかった。
『だらしない奴はあいつだけで十分だというのに…』
ぶつぶつと独り言を呟きながらペットボトルを乱暴につかむと、どこからともなく出てきたストローをさす。
『ほら、口!あー』
『……あー』
言われるまま口を開き、力なくその赤を吸う。
こく、こく。
こく、こく。
体内に染みわたる音が2、3回聞こえたところでジャックの意識はぷっつりと途切れた。
『……ものは試しだ』
空になったペットボトルをおき、エアコンのリモコンに手を伸ばし少しばかり温度をあげた。大切な看板モデルに風邪をひかれては困る。
すやすやと若干のあどけなさを残した寝顔を見つめ、柔らかな金髪をなでれば、俺もお節介がすぎるな、とひとり苦笑する音が社長室に響いた。




2013.01.19(土) 22:29


少し昔の話をしよう。

彼らこと、遊星とジャックは以前ヨーロッパにいた。遊星は技術者として名を馳せていたし、ジャックは城の主として土地を総ていた。それぞれ有名人同士のふたりであったがお互いがお互いを知ることは生涯一度もなかった。そう、遊星が人としての生涯を終えた時までは。彼は人としての短い生涯を終えたと同時に人成らざるものの生をうけた。というかジャックに半ば無理矢理生かされてしまった。こうしてふたりはお互いを初めて認識し、あれよあれよという間に恋に落ちた。それは人の世でも十分に通じる時間だったが、二人はここからが問題だった。手を繋ぐのに50年、頬にキスをするのに80年、唇にキスをするのになんと120年もかかったのである。わりと身近でその姿をみていたアキは戦慄し、呆れた。それでも遊星を気に入っていた彼女は、もだもだ小学生レベルの恋愛をするカップルを見放すことは出来ずにひとつの案を出した。それがヨーロッパから出ることであった。昔から新しい環境は人を開放的にさせるという。二人も新天地へ行けばもう少しは進展するのではないだろうか。力説するアキに若干驚きつつもそういえばアジアの技術は目覚ましい成長を遂げていると耳にしていた遊星は、早速その話に乗った。ジャックはジャックでこれ以上遊星との仲が進展すると俺の心臓はどうなってしまうのだろうか、それは素敵なことなのだろうかなど乙女も真っ青で砂を吐きそうなドキドキを抱えながら新天地へ移住することを承諾した。かくして彼らはアジア、日本へと住まいを移したのである。




2012.09.03(月) 01:19


「っジャック!」
ゴミくさい手のことなんてお構いなしにバスルームへと飛び込んだ。
遊星は俯くジャックに向かって降り注いでいたシャワーを急いで止め、冷たい肩を揺さぶる。「おい、しっかりしろ!」
「………う、」
「ジャック!」
眉根を寄せ、僅かに反応したジャックの瞳は閉じたままだ。この場にいては埒があかないと判断した遊星は、ジャックの脇下から腕をまわすと、ふんと力を込めた。力の差はカバーできても身長はそうはいかず、半ば引きずる形だが仕方ない。ソファーのあるリビングまで我慢してくれと焦る心で遊星は思った。

ジャックを運んでから素早く毛布とエアコンを暖房に変えた遊星は、ジャックの顔色がよくみえるソファー脇に移動した。
普段から美しい白磁のような肌は今や青白くなっている。喋らないジャックはまるで蝋人形のようだった。
「………生きてる、よな」
そんな自身の考えを打ち消すように、遊星はジャックのなだらかな頬にゆっくりと触れた。若干冷たくはあるもの、そこには確かにあたたかさがあり、ほっとしたのもつかの間。
そのすぐ側の唇に、目を奪われた。
紫ががってはいるもの、ふっくらとした唇は健在で、薄く開いていた。
緊急時に何を考えているのだろう、馬鹿か。
傍観者の自身が冷たく見下ろすのがわかるが、ごくりと鳴った喉は止められないことを示していた。ジャックの脇に両手をつき、ゆっくりと体重をかけないように身体を近付ける。
後10、8、3センチ――。
0センチ。
「痛っ」
「……久しぶりだな、この味は」
まずいな、としかめっ面のジャックが唇を舐める。先端には赤。同時に遊星は唇を噛まれたのだと理解した。
「ジャック、もう大丈夫なのか」
「まぁ大丈夫だ。貧血を起こしただけだからな。遊星、お前トマトジュース買うの忘れてただろう」
「………あ」
「あれだけ切らすなと言ったのに……次はお前が倒れてしまうぞ」
そう言ってジャックはソファーからゆっくりと状態を起こす。そうだ、忘れていた。
「俺たちは……少しばかり違うからな。たまに忘れてしまうのも無理はないが、遊星。気をつけておけ」
「……ああ、すまない。どうも最近主婦まがいの事ばかりしていて失念していたみたいだ」
「ふん…それはしょうがないなぁ。倒れた俺も美味い飯にありつけていた罰かもしれん」
ニヤリと笑うジャックは先ほど思った蝋人形とは程遠い、人間らしい表情。
―もとい、吸血鬼らしい表情だった。



2012.08.19(日) 22:40
3続き

「同じチームで仲間割れとは醜悪にもほどがある」
「ぶつかり合いも大事だと思うが?」
ジャックは遊星が抱えていたビールをひょいと奪うと、二つのプルタブをせっかちに開け、一つを遊星に渡す。遊星も喋りながら缶を受け取り、二人は乾杯と称して缶同士をかつんと鳴らした。
「仲間割れする理由が下らなすぎる!なんだ肘がたたっただの……試合中だぞ?俺とお前がデュエル中にそんな些細なことで言い争いをしたことがあるか?」
ぷりぷり怒り出したジャックを横目で見つつ、そういえば無いような…と思った。
ジャックはそんな遊星を肯定とみて少しばかり満足したらしい。乾いた喉を潤す為勢いよくビールを傾けた。ぐびぐびと嚥下していくその白い喉が安い光の元波打つ。
「おい、トンカツが落ちるぞ」「あ、ああ」
「だめだなぁお前は」
遊星のぼんやりとした態度に毒気をぬかれたのか、ジャックは軽く微笑むと食事に手を付け出した。サッカーの内輪揉めもなんとか監督が宥めたらしく、再びプレーが再開されていた。ジャックもその監督に賞賛しながら再び観戦に夢中になり、遊星といえば先ほどみせたジャックのなだらかな喉元が脳裏に焼きついて、ちっとも試合が頭に入ってこなかった。



そんなこんなで延長戦のPKまで見て片付けをしていたら日付をまたぐ時間になっていた。長風呂なジャックには先に風呂に入ってもらい、遊星はごみだしをしに外に急いだ。二人が住む地域では翌朝五時に収集車がくる。以前管理人のマーサに日付が変わる前には必ず出すこと、と口を酸っぱくして言われたが、中々改善出来ていない。すまないマーサと内心謝りながら、カラス避けの網をかけ直した。戻りながら手を嗅ぐと、生ごみ特有の臭いに鼻をしかめた。これは早く風呂に入らなければ。ジャックがまだ上がっていなかったらこれを口実に一緒に入ろう。浮き足立ちそうになるのをどうにか押さえ、響く鉄筋の階段を二三段飛ばしで駆け上がる。音を出さないポイントを押さえて歩けるのは長年住んでいる証だ。扉をそっと開け、シャワーの流れる音を聞きやったと内心ガッツポーズをする。
「帰ったぞジャック」
風呂場の前まで来て声をかけたが返事がない。
「…聞こえなかったか?ジャック?」
少し大きめの声をだしても返事がなかった。じわ、と途端に嫌な汗が全身から出る。遊星はドアノブを素早く回し、流れっぱなしのシャワーの中、壁に寄りかかったままの俯くジャックを見つけた。




2012.08.13(月) 18:21
2下の続き

あれから二人のいちゃつきに痺れをきたしたようにやかんが鳴り響きわたり、レッドデーモンズが落ちようやく二人は身を離した。ジャックはレッドデーモンズをソファーに置き着替えを始め、遊星もやかんを止め調理を再開させる。今日はトンカツ。もうメインの豚は揚げてしまった。後はサラダを作り大根をすりおろすだけだ。
「おいジャック!着替えは終わったか」
「終わったが今から俺はサッカーをみる用事があるからそちらに行って手伝えんぞ!」
「わかった!」
何が手伝えんぞだアホ!クロウならここで言い争いになること間違いなしだな。二人で暮らすようになる前から俺とジャック、そしてクロウとは腐れ縁同然の仲だ。一見クロウとジャックはいつも争いが絶えないように見えるがお互いそれが普通らしい。長年一緒にいる遊星だからこそ理解できるが、初見では憎みあってるのかと言われるほどだ。こうやって遊星とジャックが暮らすようになってからはジャックのもの言いが少しは柔らかくなったとクロウが『ちょっと物足りない時もあるしきめぇけどお前のお陰だな』と居酒屋でぼやいていた。遊星はジャックの取扱いを熟知しているわけではないが、やはり人それぞれ得意不得意がある訳だからそれを補ったり担当があるのは仕方がないと思っている。遊星は引き出しの二番目から大根おろし器を取り出し、先ほど残しておいた大根を手に取る。振り向けばジャックの綺麗な後ろ頭が僅かに揺らめいていた。まもなくキックオフだ――実況が高らかに宣言し、CMが始まる。今だな。数歩もないフローリングを滑るように歩き小さなテーブルの前に大根おろしたちをそっと置く。
「ジャック、目は離せないだろうが手は動かせるだろう。お願いがある」
「それを擦れと言うのか」
「俺はサラダを後少しで作り終わる。トンカツはできた。おろしがあれば最高と思わないか?」
「ふん…いいだろう!片手間にやってやるぞ遊星!」
「頼んだぞジャック」
発泡酒のCMが明けサッカーの中継が再び始まる。時間どおりだ。遊星は再びサラダ作りに専念しに戻る。この一連の流れをクロウが見ればやはりジャック取扱い一級の称号をやると言い出すのを彼は知らない。
審判が高らかに笛を吹くBGMを背に、遊星も調理を急ぐことにした。


「待たせたな、ジャック」
「いや、ちょうど良かったぞ遊星」
テレビを指さしたジャックは遊星を促す。テレビの向こうではチームが言い争っているのが見えた。


2012.08.13(月) 16:09
遊ジャの別案吸血鬼パロ1

錆びた鉄筋コンクリートの階段を登る音がして、遊星は料理をする手を止めた。切られていない大根がまだ半分ほどあるが、鍵が開かない事に癇癪を起こされては困る。半年前にドアを蹴破られた経験をしているから尚更だ。バタバタとタオルでおざなりに手をふいて、玄関へとかける。以前は律儀にサンダルをはいて出迎えていたが、最近は専ら両足を玄関縁にかけて右手をドアにつき、もう片方で器用にチェーンを外すようになっていた。だらしなさよりもスピードが大事だと母が嘆きそうな言い訳が頭をよぎる。すまない、母さん。
「え、……っうわ!」
片手に重心を置いて呑気に考え事をしていた遊星は、突然外からドアが開かれた重力に逆らえず、バランスを崩した。いつもはインターフォンをならすはずなのに!衝撃に目をつむれば、次の瞬間ぽふりと柔らかな感触につつまれた。
「何をやってるんだ遊星」
「……あ、硬くない?」
てっきり鍛えあげられた胸板に当たり鼻を痛めると思っていた遊星は目を開き現状を確認した。
「……レッドデーモンズ?」
「取材後カーリーから貰ってな。特大ふわふわぬいぐるみ第二弾だそうだ。来月から発売するらしい」
「スターダストが売れたからか?」
「ふん、あれも良いがやはり俺のレッドデーモンズが素晴らしいからに決まっているだろう!」
「まったく、とんだ自信家だな」
どこから湧いて出てくるのか。それが原動力なのはわかっているがつい苦笑いしてしまう。
「ふん、でもそんな俺を好きなんだろう」
こつりと一歩踏み出された拍子にドアがしまる。日除けだかお洒落だかのサングラスを外せば、アメジストの煌びやかな瞳がこちらを見た。
「おかえりの挨拶はなしか?ハニー」
「なんだ、拗ねたのかダーリン。お前がインターフォン鳴らさないからだ」
「良い匂いがしたからな。インターフォンを押すのも惜しかった」
「俺より料理か」
「料理よりお前だ遊星」
恐ろしいほどの殺し文句にくらくらし、衝動にまかせてバランスを崩した格好のまま抱きしめた。大股を開きながらなんて間抜けもいいとこだが関係なかった。可愛いすぎるのが悪い。シミひとつ無い頬にキスをする。
「おかえり、ジャック」
「ああ、ただいま遊星」
うつくしい同居人―――ジャックは満足したように口角をあげ、そのまま俺の背中に手を回した。
レッドデーモンズが俺とジャックの間で窮屈そうにしていたが、少しだけ我慢して貰った。



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