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2009.11.29(日) 02:07
補足。


ミケーレ様のパレットに出す絵具が何故十四色なのか。
それは眼のさめるような色彩家デュフイがパレットに出した絵具が十四色だから、それにあやかりミケーレ様も十四色という設定にしました。

乾いた木が削られる音がする、と作中にありますが。これはフランソワーズ女史が彫刻を作成している音だったりします。
高らかに鳴り響くよ!
ノミを振りかざし優雅に大作を作り上げるフランソワーズ女史は彫刻専攻です、美しい…(^q^)


ちなみに裏設定!
ミケーレ様、ルカ様、フランソワーズ女史の通う美大の卒業生がキリルです(笑)
キリルもミケーレ様と同じ油絵専攻、パレットに出す絵具は色の魔術師と呼ばれたボナールからあやかって十色です。
キリルは画家です、まだまだヒヨッコですがね。
んでエルネスト先生と同棲してます、むしろ新婚?←
たまに海外に行っちゃったりするから寂しかったりするエルネスト先生(笑)
そんな夜はイルカの抱き枕を抱き締めて眠ります、なんだよ旦那がいないとデレるのかい←

2009.11.29(日) 01:58
次男は美大生。



自然豊かな夏の山を見る。はたしてそこに、幾つの色彩があるのだろうか。
ある色彩学者の話によれば、三百種類の色相があるのだという。しかし、その三百種の色彩にはそれぞれ三百六十種類もの変化があり、さらに明度によって起こる変化が百八十。

300×360×180
=19,440,000種

つまり人間の見ることが出来る自然の色彩全数量は、実に一千九百万種以上の変化に及ぶことになる。

暖房のついていない部屋は、差し込む日の光だけでは十分に暖まらない。板張りの床、窓の外をじっと見つめてはキャンバスに向き直る。のめり込むように、情熱的な眼差しでキャンバスに色彩を塗り込む。纏め上げた髪が白い項を晒した。
ミケーレがパレットに出す絵具はいつも十四色と決まっている。自然に溢れる色彩を己の眼で見つめ、要約し、噛み砕き、昇華する。
重要なのは多くの色を駆使することではない。一つひとつの色を生かし、輝かせることなのだとミケーレは理解している。
マティエール。それは油絵を描く材料を意味する言葉だが、同時に美術の術語として画面の肌という意味がある。キャンバスは気位の高い女だ、その冷たく真っ白な肌を画家は優しく、荒々しく、そして酷く繊細に撫でなければならない。
己の指同然に筆を操り、愛情を持って道具に接しなければならない。
油絵具は、愛なき画家へ反発するのだ。

見つめる、情熱的に。
撫でる、愛情を持って。

部屋は寒々と冷えきっているのに、ミケーレはシャツの腕を捲ったままひたすらキャンバスに向き合う。時折洩れる、熱っぽい溜め息。遠くで学生たちの楽しげな声が聞こえ、乾いた木が削られる音がする。僅かに乱れ落ちた銀糸は水晶のように煌めき、ゆるり、首筋に流れた。



───
何が書きたいって、北風得意の雰囲気話です^^
皆様の読解に任せるぜ!(結局は丸投げ←)

ミケーレ様の情熱は画家にぴったりだと思うんですよね、油絵は凄く頭を使うと思います…油の酸化やら化学反応やら理解してないといけないから。
ミケーレ様は集中力ありそうです、なのでのめり込むと簡単には戻ってこなさそうだ(笑)
キャンバスに向き合うミケーレ様が書けて満足!

2009.11.25(水) 01:47
高校三年生組+先生。



気付くと目で追ってしまう自分に、ぼんやりと「あぁ、自分はこんなにもアイツが好きなのだなぁ」と思ってしまう。
本来ならば合同で行われる体育が、授業の関係で今日は別々だった。ストーブを出すにはまだ早い時期、隣の席の女子が冷えた指先を温めるようにカイロを握り締める。

「高齢化と超高齢化は違うからなァ。この説明はテストに出すから赤線引いとけー」

教師の指示に少し教室がざわめく。筆箱を探る音、ペンの蓋を開ける音。緩やかに静まり、また聞こえるのは教科書を読み上げる声だけ。
ミルトは蛍光ペンを机に置き、窓の外に視線を向けた。薄く雲が残る空から日差しは得られず、だから余計に寒いのだろうなと思う。
校庭を駆け回る男子たち、風を避けるように固まる女子たち。その中でも一際激しく動いている人物を探し出して、何故か安心する。

『おっしゃあ!シュートしろシュート!』

「うわ、うっさいし…」

教室にまで届いた声に、思わず盛れたディルーヴィオの声。くすくす、と。さざ波のように広がった笑いに教室内が一気に明るくなる。

『足だ!アイツの足を狙え!反則でもいい!』
『ふざけんなぁ!レッドカードだろぉレッドカード!審判ちゃんと見てろぉ!』

ドリブル、パス、フェイント。寒さなど関係ないと言わんばかりに腕捲りまでしているスパーダに食らい付くトゥオーノ。小さく口元に笑みを浮かべてミルトは窓の外を見つめた。雲の切れ間から差した光に僅か、トゥオーノのピアスが光るのが見えた。
鋭く鳴る、ホイッスル。
揺れたゴールネット、纏め上げた銀髪が背中に落ちる。試合終了間際の、だめ押しの一点。

(やった……!)

緩んだ口元もそのままに、ミルトは肩から力を抜く。
友達と笑い合うスパーダと悔しがるトゥオーノ。きっと昼食の時間に騒ぐのだろうなと思うが、それもまた楽しいだろう。
微笑んだまま頬杖をついていたミルトを、ふいに、スパーダが見上げる。
バチ、と。音が鳴りそうなまでの強い眼差しに、心臓が止まりそうになる。

『ミールトー!』

馬鹿デカイ声に、何事かと教室中がざわめく。アワアワと教室と校庭に視線を走らせるミルトに思わず後ろの席に座るディルーヴィオが吹き出した。

『見てたかぁ!俺のゴール!凄かったろぉ!』
『貴様!ミルト様は授業中だぞ!』
『うるせぇトゥオーノ!俺のゴールをミルトに捧げるぜぇ!』

「うわ、スパーダ超うるせぇし…」
「わ、笑ってないでなんとかしろ…!」

振り向いて助けを求めるも肩を竦められるだけ。涙目でディルーヴィオを睨むも更に笑われただけで効果はなかった。
騒ぎ出す教室、ミルトの気持ちも知らずに校庭から愛を叫び続けるスパーダとそれを咎めるトゥオーノの大声。きっと全クラスに聞こえてしまっていると考えて、止めるか止めないか迷ったその時。ガラリ。教室の窓ガラスが開け放たれる。吹き込む冷たい風に誰かが寒いと呟いて、教室中が耳を塞いだ。

「うるっせぇんだよクソガキ共がァ!」

こめかみに青筋を浮かせたエルネストに、やばいと顔を引き吊らせるスパーダをミルトは確認する。ディルーヴィオが小さく御愁傷様と呟いた。

「スパーダ!トゥオーノ!罰としてグランド10周!」

『体罰だぁ!』
『俺はなにもしてないです!』

「体罰もクソもねぇ!男なら言い訳すんな!走れっつったら走んだよ!テメェらの内申書がどうなってもいいのかァ!!」

『理不尽だぁ!(泣)』
『酷過ぎる…っ!(汗)』

このあと職員室に呼ばれたスパーダとトゥオーノは、昼食の時間とても静かだったらしい。



───
喋る気力もないくらい絞られたスパーダ君たち(笑)

おかしいな、最初は甘い話になる予定だったのに途中からグダグダになってしまった…。
スパーダ君とトゥオーノ君が喧嘩→ミルト君がディル君に助けを求めるも助けてくれない(笑)→エルネスト先生による体罰(*^^*)

容赦ないよねエルネスト先生って。

スパーダ君とトゥオーノ君の天敵だといいです。

2009.11.20(金) 01:09
追記で見解。


でもね、ルチアーノとセコーンド様はなんだかんだで兄弟なんだと思います。

苦手だけど、苦手ってハッキリお互いに認識出来た上で色々と話したりしてるから。

逆に楽だと思う、お互いに自覚があるから嫌なことを回避出来ると思う。

まぁ、セコーンド様は苦手を克服しようと無理にルチアーノに近付いて、結果的に爆発しそうだなぁ…。

頑張り過ぎる傾向があると北風は思います、大人になるにつれて力の抜き方や自分を許す感覚を学ぶタイプかなぁ、と。

だからね、ルチアーノとセコーンド様は大人になるにつれて相手の良さが理解出来る兄弟なんだと思うよ。

それにルチアーノは、あんな変態だけれど気の長さは負けないと思うんだ。

あと精神的な安定。

揺るがない物は、支えにすれば頼りがいがある。

但し、揺るがない物は硬質だから使い方を誤れば痛みを伴う。

是非、寄り掛かって下さいルチアーノに。

彼は精神的な安定と、器のデカさが持ち味ですので。

態度デカいけどね、なんだかんだで甘い蜜は弟たちに分けるような長男として、描けたらいいなぁと思います。

弟たちの笑った顔が大好きだって胸張って言えるルチアーノを書きたいです(笑)

でもたまに大好きすぎて暴走します、スキンシップ激しいよね絶対。

2009.11.19(木) 22:12
U兄弟。
長男と次男。
────────



昔からそうだった。
物心がついたときから、俺は兄が羨ましかった。
体が健康で、良く泣いて良く笑っていて。すぐに熱を出して寝込む自分とは大違いで。
母の手を煩わせているのだと思うと、胸がちくちくと痛んだ。子供ながらに我が儘を言わないようにしなければと口数も少なかった気がする。
たくさんの友人に囲まれていつも兄は楽しそうだった。今日は何をした、明日はどこに遊びに行く。そう両親に話す兄を横目に、俺は苦しくなる胸に悩んだ。
上手く話せない自分が酷くもどかしい。兄のように明るく、せめて健康でいられたら良かったのに。

「けほ…っ」
「セコ、大丈夫か?」

いつのことか。
熱を出した自分を心配したのか、ランドセルを背負ったままの兄がベッド横から俺の顔を覗き込んでいたことがあった。

「だい、じょ…ぶ」
「嘘つくな。辛いなら辛いって言わないとダメだ」

きっと兄は、励ますつもりでそう言ったのだと思う。けれども俺は、その言葉が嫌で嫌で堪らなかった。

どうして?
迷惑をかけないようにしているのに、どうして嘘つきなんて、そんなことを言うの?
兄さんには分からないだろうな、こんな、熱をすぐに出して両親の迷惑ばかりかける俺の気持ちなんて。

卑屈になる自分に、嫌気がさした。

「ごめ…なさ、い…」

謝れば兄は悲しそうに俺を見ていた。
謝っても悲しい顔をさせてしまうのかと思ったら、益々胸が苦しくなった。
だから幼い時から俺は兄が苦手なのだと思う、それは大人になった今も変わらない。
真逆の位置にいる兄が眩しくて、自分が嫌になる時があって。
だから正直、兄が家を出ていくと言ったとき。内心では安堵したのだ。

その氷のような体温も、凍てつく瞳も、凛とした姿勢も、自信に溢れた言動も。

持っていない自分が、嫌になる、から。

だけど。





昔からそうだった。
まだ俺が幼いとき、父親に手を引かれて初めてセコーンドに会った瞬間。寂しい、と。そう思ってしまったのが、いけなかったのだと思う。母親の腕に抱かれて眠る弟を見た瞬間、嬉しいとか、可愛いとか思うよりも前に、母親を取られたような気分になって。
思えばその頃から人一倍自己顕示欲が強かったのだろう、両親の愛が移ってしまったことが、酷く寂しかった。
小さなときから弟は体が弱かった。熱はしょっちゅう出すし、体も細かった。守ってやらないと。そう思わせる何かを弟に俺は感じていて。
熱を出す弟に両親は付きっきりだから、俺は幼いながらに自分で出来ることは自分でしなければいけないのだと思っていたんだと思う。家の中で遊ぶと、寝込んでいる弟が寝られないだろうからと外で遊ぶように気を付けたし。良い兄になろうと勉強も頑張った。
お手本になれたらいいなと、そう思っていたんだ。弟が、セコーンドが。そんな俺の背中を見て苦しんでいたと知ったときは、愕然としたけれど。

「けほ…っ」
「セコ、大丈夫か?」

朝から熱を出して休んでいた弟が気になって、学校から走って帰って来たのを覚えている。ランドセルもそのままに頬を赤く火照らせた弟に声をかけた。

「だい、じょ…ぶ」
「嘘つくな。辛いなら辛いって言わないとダメだ」

我慢しなくていい。
そういうつもりで言ったはずなのに、弟は苦しそうな悲そうな顔をして。

「ごめ…なさ、い…」

なんで?
お前はズルい。いつもそうやって謝ってばかりで、俺が悪いことをしたみたいにする。
何もしないのに大切にされて、両親の愛を独占して、必死で主張しなければ放っておかれる俺とは大違いなのに。

嫉妬ばかりしている自分に、嫌気がさした。

真逆な弟が羨ましかった。俺にはない美徳ばかり兼ね備えた弟が羨ましくて、生まれてきた弟たちだって、そうだった。
俺に似たところは少ない、瞳の色だって考え方だって、セコーンドとばかり重なるものが多くて。
家にいるのに寂しいなんて堪えられなくて、家を出ていくことを決めた。

その温かな体温も、宝石のような瞳も、謙虚な姿勢も、優しさに満ちた言動も。

持っていない自分が、嫌になる、から。

だけど。





「ん……」
「早く、よくなーれ」



(その掌の冷たさが心地好かったのは事実だから)
(その額の温かさが心地好かったのは事実だから)

(だから)

(俺は兄を、)
(俺は弟を、)

(嫌いとは言えないのだと思うんだ。)



────
真逆な長男と次男こと、ルチアーノとセコーンド様でした。

ルチアーノは何も言わなくても気遣われるセコーンド様が羨ましかったのです。
逆にセコーンド様は親に心配を掛けさせないルチアーノが羨ましい。

声を張り上げないと話を聞いてもらえない子と、何も言わないのに気遣われる子です。

元気で健康なのは長所だけど、だからこそ放任されてしまう部分もあると思います。

体が弱いのは短所かもしれないけど、だからこそ大切に扱われることもありますよね?

頑丈な物よりも、硝子細工のように脆い物を慎重に運ぶような感じです。

長所と短所の歯車が上手く噛み合わない兄弟なんですね、ルチアーノとセコーンド様は。

こんな関係で成長したからこそ、セコーンド様にはディル君のように自分の短所だと思っている部分を認めてくれる存在がピッタリなんだと思います。
赤過ぎる瞳も、高い体温も体調を崩しやすいところも全部を認めてくれて、間違ってない、大丈夫だと言ってくれる存在が必要だったのではないでしょうか。
兄と比べていた自分を解放してくれるような…一人の人間として立てる場所を用意してくれるような。

ルチアーノの場合は寂しさが圧倒的に強い。
元気だから強いからと放任されていた、けれど弟たちがいるから甘えることも出来ない。
自分は大丈夫、強いから、長男だから、そう言い聞かせてきた。
だからこそアルマンドのように、溢れんばかりの愛を注いでくれる、盲目的な恋人がピッタリなのでしょうね。
自分を必要としてくれている、自分がいないとダメだと言ってくれる、それが嬉しい。

寂しさ故に奇行が目立つのかもしれません、自然と人の注目を浴びるような態度もこの環境から身に付いたのかと。

それ故にセコーンド様は益々、比べてしまう。
そして更にルチアーノが苦手になっていく…(笑)

真逆だからこそ、対角線上にいるからこそ互いに互いを比べてしまう。

そんな兄弟だと思います。

あとディル君はキチンと諭してくれそう。
元気な兄弟の中で育ったからこそ、自己を確立する方法は身に付いていそうなので、その確立させる方法をちゃんとセコーンド様に教えてあげられると思う。

逆にアルマンドは注ぎまくりです、愛を(笑)
甘やかしまくりなのでルチアーノがどんどんフリーダムな女王様に育ちます。
諭すとか、導くことはアルマンドには出来ない。
盲目的に注ぐ愛です、ディル君はそこら辺の調節がちゃんと出来ると思う。

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