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小ネタ部屋
此処は、3000hit記念小ネタ部屋です。校長作のテキトーなお題に合わせて、色々書きます。此処の更新は『授業内容』に載せません。
お題→こちら
何でもありなので、閲覧は自己判断でお願いします(´∀`)

何とか制覇出来ました!ありがとうございます!
調子乗ってるうちにアンケート実施します。良ければ投票していってやって下さい(´∀`)
3000hit小ネタ部屋アンケート
2012.06.12(火) 21:06
50.愛する(苗十←初期十)

愛情という言葉は、普段からよく聞く単語のひとつだった。
だが、俺の中でのそれは、ただの文字でしかなかった。中身の伴わない、人を騙す手段のひとつ。

『ははははっ!流石の俺も知らなかったよ白夜ぁ!貴様がこんなに良い表情をするとはな!ふはははははっ…!!』

『…ぁ……く………』

繋がった肉体に、ドラマや物語のような愛情など何処にも無くて。そこにあったのは、嫉妬や怨恨、憎悪…自らのどす黒い欲だけだった。ただただ、俺を凌辱する為だけに、奴は俺をしつこくつけてきたのだ。

家督争いで、俺とは良い勝負だった。少なくとも、緊張感のある質の高い勝負に、思わず感謝したくなる程の実力を持っていた。少しの天運が傾いていたら、俺が敗者となっていたかもしれない。…そんな兄には、特に敬意を払ってもいた。

だが、その敬意は奴自身の手によって、粉々に砕かれた。その時は気付かなかったが、奴は少しの差で勝てなかった俺を、かなり怨んだらしい。その執念が、俺を呼び出し…あの状況を作り出した。

『無様だな、白夜…自分の綺麗な肌に、痕を付けられた感想は、ん?』

『………死、ね…!っは、ぁああっ…!!』

『マナーのなっていない弟は、これだから困る。もっと高く鳴いてみせろ…出来るだろう?完璧人間の白夜ぁ…!』

永遠とも思えるような地獄…それは怒りにも嘆きにも続かず、ただ淡々とした後悔へと伸びた。
あぁ、信用した俺が馬鹿だったのか。家督争いの末の逆恨みなど、初めから想定内だった筈なのに。何故俺は…疑いもなく奴の部屋を訪れたのだろう。
俺の恥辱的な姿と状況に興奮しながら歓喜に酔う姿は、最早家督争いの際の兄とは別人だった。

だからこそ俺には、身体を重ねる事に意味を見出だせなかった。単なる上下関係の確認、生理的欲望の処理。そう思えたからこそ…思ったからこそ。その後の奴の行為にも堪えてみせたのだ。

その考えを、苗木はあっさり打ち砕いた。恋人となった以上、避ける事は出来ないとわかっていたが…それでも、想像を遥かに超えていた。

『…大丈夫?あ、もしかして痛いの…!?』

『…………ち、がう』

『え!?で、でも、じゃあ何でそんな苦しそうに泣いて…』

苗木の指先が、余りにも優しくて。触れられるだけで、こんなにも気持ち良い。
その甘い快感に身を委ねる程、あの日のあの行為がどれ程恐ろしいものだったのかを思い知って…今更ながら恐怖に震えた。

「…久しぶりだな、白夜」

そして、今。あの時の兄が、此処にいる。
あぁ、その笑み、変わっていない。俺を屈服させようとする歪な笑み。背中をぞわりとした何かが上ってくる。
誰もいない図書室前の廊下に響く、兄の声。少しずつ蘇る記憶。いや、身体は既に思い出し、微かに震え出している。それを悟られまいと強気に拒絶したが…不意に唇を重ねられた。

「ん……っ!!」

口内を蹂躙する舌先。ハッとなり舌を噛んでやろうとした直前、奴はキスを止めた。顔は近い位置のまま、にやりと嘲笑する。

「…どうだ白夜…俺が恋しかったか、んん?また昔みたいに鳴かせてやろうか?」

「っ、この…!!」

考えるより先に、手が動いていた。パシッ、と乾いた音が鳴る。
殴られた本人は、変わらぬ笑みを浮かべたまま…赤くなったそこを軽く撫でた。

「……白夜…殴る事は無いんじゃないか?」

「………きっ…さま…!!」

「そう熱くなるな、その優秀な頭脳が焼け付くだろう?それとも、キスだけでは不満か?可愛い末弟君」

カッと頭の中が沸騰する。一々反応しないようにと耐え抜いた心は、今や存在しない。
苗木を…本気で愛してると思える人を、見付けてしまったから。

何とかそれを悟られぬようにと、一先ず奴を追い返す事を考える。が、あの時間を怖いと感じてしまった以上、声や身体の震えが止まらない。それを知ってか知らずか、奴が俺の頬に手をやろうとした、その瞬間…
身体が、自然と拒否反応を起こした。

「………っ!!」

バシン、と小気味よい音を立てて、奴の手が叩き落とされる。
その時、奴の目に嫌な光が点ったのを見た。冷たさの末に現れる光。やばい、と思う間もなく、気付けば壁に押し付けられていた。苦しさから、顔が歪む。
厭らしい笑みを湛えながら、手でゆっくりと身体のラインをなぞられると…背中を這い上がっていた悪寒が、あからさまに身体を震わせた。…その時。

「すみません」

何故か聞こえた、苗木の声。幻聴ではない。…本物?
苗木は、いつもとは違う不機嫌そうな表情のまま、言葉だけは丁寧に奴に話し掛ける。

邪魔されて興ざめでもしたのか…奴は意外な程素直に、俺を解放した。力が入らず崩れ落ちると、直ぐに苗木が声をかけてくれた。

「大丈夫、十神クン」

「……な…えぎ…」

「苦しかったよね。直ぐ保健室に連れていってあげるから」

不機嫌な表情のまま、俺を半ば無理矢理立たせ、横に付き添う。トドメを刺すように、苗木は低い調子のまま続けた。

「そんな訳なんで、今日はお引き取り下さい」

苗木の言葉に、奴の目に苛立ちが光る。が、今日は諦めたらしく、また来ると言い残し去っていった。擦れ違い様ちらりと向けられた視線は、玩具を見る目だった。

「……っ…」

奴が完全に去った後、堪えていた震えが一気に溢れ…止められなくなった。苗木がぎょっとした顔で俺を見る。
自然と、手で自らを抱きしめる。力が抜け、その場にへたり込んだ。

「と、十神クン…!」

「……大丈夫だ、苗木……大丈夫……」

自分に言い聞かせるように、繰り返す。俺はもう…奴の卑劣な手口に堪えるだけでは駄目なのだ。
ぎゅっと抱きしめてくるこいつを、愛してしまったから。奴に凌辱される事の、本当の苦しみの意味を、知ってしまったから…

「……来るなら、来い」

今度こそ、完全に奴を否定してやる。あの時間を、過去のものとして風化させる為に。…苗木に知られたくない事実を、葬り去る為に。



〜〜〜〜〜

ラストの二つは繋げると、初めから決めてました。
兄貴が予想以上に下衆くなってひゃっは(°∀°)イイケドネ←
でも、ぶっちゃけ書いといてアレですが、かませアンタ絶対立ち向かえないよ。返り討ちフラグだよ。監禁されちゃうよ。かませだもん←
そんな話も書きたい。寧ろ読みたい。←
…しかし、ラストがこれってどうなのwwしかも結局小ネタじゃないwwここまで付き合って下さった皆様、ありがとうございましたっ!!(´∀`*)


2012.06.12(火) 21:06
49.憎む(苗十←初期十)

「十神ク、………」

宿題もそこそこに、十神クンを捜しに部屋を出たボクは、図書室に向かっていた。
でも、目的の場所に着くより少し早く、ボクは十神クンを目撃する事になる。

「…久しぶりだな、白夜」

「………貴様はっ…」

「(十神クンと………誰だろう)」

思わず隠れた廊下の隅…そこから見えるのは、図書室の扉と、十神クンと…見知らぬ人。
だけど、その容姿、服装、何より十神クンを白夜と呼んだ事…それを踏まえれば、彼が誰だかは予想できる気がした。
十神クンは…沢山の兄弟姉妹の中の、末っ子なんだから。

「……負け犬が。何の用だ」

「変わらんな、貴様は。昔から良く吠える」

「良く吠えるのはどっちだ。貴様は既に俺に敗北した身、よくいけしゃあしゃあと出て来られたものだな…!」

こっそりと聞き耳を立てているけど、どうやら仲は良くなさそうだ。家の事もあるし、仕方ないんだろうけど。
兄弟喧嘩に巻き込まれるのも困るので、ボクは一旦出直す事にした。だけど、一歩踏み出した瞬間聞こえた音に、ボクは再び二人の様子を盗み見る事にした。
…わかりやすい、乾いた音。

「……白夜…殴る事は無いんじゃないか?」

「………きっ…さま…!!」

「そう熱くなるな、その優秀な頭脳が焼け付くだろう?それとも、キスだけでは不満か?可愛い末弟君」

「(キッ……!?)」

一気に頭の中が真っ白になる。今の会話がぐるぐる回って、足元がふらついた。
ボクはその瞬間を見ていた訳じゃない。でも、今のやり取りだけで充分だ。寧ろ、目撃していたら、間に割って入っていただろう。
十神クンは…十神クンは、ボクの大事な恋人なのに…!!

「十神の家を離れていたが、最近希望ヶ峰に入ったと聞いてな。こうしてわざわざ様子を見に来てやったんじゃないか」

「……帰れっ……!!」

十神クンが、俯きながらも憎しみのこもった声で凄んだ。でも、それが精一杯の強がりである事は直ぐにわかった。声が、微かに震えていたから。

「そう強がるな。折角の兄弟の御対面だろう?」

「………っ!!」

バシン、と小気味よい音が響く。お兄さんが十神クンの頬に手を滑らせた瞬間、十神クンがその手を叩き落としたのだ。
その刹那、お兄さんの表情が変わる。冷たい瞳は更に冷酷さを帯び、微塵の迷いもなく十神クンを壁に片手で押し付けた。

ぐ、とくぐもった声を出しながら、その無慈悲な手を退けようとするけど…十神クンでは敵わないらしかった。彼の表情が、徐々に苦悶の色に染まっていく。

「まだ躾が足りなかったらしいな。弟は兄に逆らわないものだ、白夜」

「く……ぅ、ぐ…」

「あれだけ身体に教えてやったのに…残念だ。俺を否定するなどという暴挙を起こせる程、貴様は強くなれたのか、ん?」

苦しげにもがく十神クンの身体を、お兄さんの手がワイシャツ越しに撫でていく。彼の表情が、優位な者特有の笑みを浮かべた。

「すみません」

「……何だ貴様」

気が付くとボクは、お兄さんの横に立っていた。いつもよりトーンの低い声で、やや早口に話す。

「十神クンのクラスメイトです。その手、退けてもらえませんか」

「………」

少し間はあったものの、彼は十神クンを解放した。そのままずるずると座り込む十神クンに駆け寄り、小さく声をかける。

「大丈夫、十神クン」

「……な…えぎ…」

「苦しかったよね。直ぐ保健室に連れていってあげるから」

声の調子を変える余裕もなく、十神クンの意見も聞かずに無理矢理立たせる。付き添いながら、お兄さんの方を向かずに言い放った。

「そんな訳なんで、今日はお引き取り下さい」

「……粋がるな、ガキが」

「先生、呼びますよ」

「………ふ、はははっ!いいナイトがいるじゃないか白夜ぁ!今日は彼に免じて帰るとしようか。また来る…兄弟水入らずな時間を過ごしにな」

そう一方的に言うと、彼はボク達の横を通り過ぎていった。最後に、十神クンを嘲笑うように一瞥して。

完全に足音も消えた時、十神クンが突然震え出した。怯えるように自らを抱きしめる姿は、普段の十神クンからは想像もつかない。青ざめた表情のまま、彼は力無くへたり込んだ。

「と、十神クン…!」

「……大丈夫だ、苗木……大丈夫……」

ボクの方を少しも見ずに吐き出されたその言葉に頷ける程、ボクはお人よしじゃない。
だけど、ぎゅっと抱きしめた彼に、全てを聞き出せる程…強引にはなれなかった。

十神クンのお兄さん…十神クンを、ここまで怯えさせる人。
会話の一部始終を聞いていたボクは、その怯えが何から来ているのか…何と無くわかる気がした。

「……許さない」

十神クンにすら届かない程の小さな呟きは、無意識のうちにボクの唇から零れ落ちていた。



〜〜〜〜〜

はぁい、いつかやる気でした初期十神がかませの兄貴設定!そのうちしっかりした設定作りそうである←
しかし今回は話の内容上、鬼畜っぷりが発揮されてます。実際設定作ったらもっとブラコンになるでしょうね!←
ちなみに、ん?と挑発的に返す言葉は口癖だと思って下さい。多分設定作ったら使いますww


2012.06.12(火) 21:04
48.認める(十神)

「………静かだ」

当たり前の事を、一人呟く。自室のベッドに寝転びながら、俺は昨夜の事を思い出していた。
昨夜、このベッドにはもう一人の人間がいた。俺に馬乗りになったあいつが。

自分でも、分かっているつもりだった。少なくとも、俺が受け身に回る事は無いだろうと思っていたのに…実際は逆だった。
何度か形勢逆転を狙った事はある。しかし、何故かいつも見破られるか、直ぐにまた逆転されてしまうのだ。

あいつが言うには、それが当たり前らしい。…意味がわからん。
可愛い、と囁くあいつは酷く嬉しそうで…結局、その表情一つで許してしまう自分も、相当末期に違いない。

「………はぁ」

思わず溜息が零れた。自分の部屋に誰もいない事が、こんなにも俺を憂鬱にするものなのか。違う筈だ。別に憂鬱になる必要など無いのに。鳴らないチャイムを恨めしく思う必要も、無いのに。

「……馬鹿馬鹿しい」

乱暴に枕を放り投げる。シャワールームの扉が、音を立ててそれを受け止めた。
苛ついている事実を隠したくて、読みかけの本を引き寄せるも、内容が全く頭に入らない。頭に入らない読書程無意味なものは無くて、結局1頁も進まずに本は閉じられた。

「……はぁ」

再び大きな溜息が零れる。ぽつりと名を呼んでみると、本とは比べものにならないくらい、すっと脳に浸み入った。
どうやら…本当に馬鹿馬鹿しいが、それだけ俺はあいつを好いているらしい。



〜〜〜〜〜

一人ツンデレ終了ー←
慣れない気持ちに、一人自分の部屋で悶々してたら可愛い。
ちなみに相手は誰でもいけるよう設定。しかし書いた時間的に石丸しか浮かばない罠←44参照


2012.06.12(火) 21:02
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47.ときめく(大神+朝日奈)
ときめくでこれしか浮かばなかった俺は勝ち組!←
しかし、ときめくってもっとほんわかしたもののような…まぁいっか、朝日奈ちゃんだし←


2012.06.11(月) 02:08
46.惚気る(苗→十)

苗「えへへへへー」

葉「おっ、苗木っち上機嫌だべ!」

苗「そうなんだ、聞いてくれる?あのね、今日は色々幸せだったんだー」

葉「ほうほう。何があったんだべ?」

苗「えっと、朝から十神クンがね、ボクに図書室についてこいって言ったんだ。二人きりになる為の口実なの、バレバレだったよー」

葉「うぉ、いきなりの惚気話だべ!まぁ苗木っちの頬緩んでるもんなぁ」

苗「それに、体育の授業でペアになれたし。『お前か』とかツンツンしてたけど、ちょっと嬉しそうだったし!」

葉「あぁ、そういやペアだったなぁ」

苗「お昼はいつも一緒に食べるんだけど、今日はあーんしてくれたんだよ!」

葉「へぇえ、あの十神っちがぁ!?そりゃあ意外だべ!ついでに写メれば小遣い稼ぎできたのにな…」

苗「帰りは教室出る前に、ちらっとこっちに視線送ってくれたし!部屋に来いって事だよねそうだよね!?」

葉「十神っちは素直じゃねーからなぁ。つか苗木っち、いつの間に十神っちと付き合いだしたんだべ?」

苗「…?まだだよ?」

葉「え?じゃあ、今までのって…」

苗「楽しみだなぁ、十神クンから部屋に呼んでくれるなんて…そろそろ行こうかな?じゃ、またね葉隠クン!」

葉「……とりあえず、頑張れ十神っち!」



〜〜〜〜〜

思い込み激しい苗木君。恋は盲目!いや違うか。
朝のは偶然、体育は気のせい、昼食はただの横取り、帰りは何と無く、です。流石苗木君←
連投は明日も多分続きます。一応50まで出来たんでwwしかし本来はこういうやり方しないよね…←


2012.06.11(月) 02:03
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45.痛む(ミニ苗木+霧切)
痛いのか…→可哀相な役回り→よし、だべか!!→でもこの前描いたしな→そいや最近中々苗木君がぶっ飛んでる→じゃあ苗木君か→つまりアンテナですねわかります→引っ張るとかあなたしかいないよ姐さん!という脳内議論の末生まれたもの←


2012.06.11(月) 02:00
44.感じる(石十)

背に布団の感触を感じながら、俺はずっと目の前の男を睨んでいる。
目の前の男は、赤い瞳をこちらに向けているにも関わらず、全く動じていない。ぱちぱちと瞬きしてから、うざったい程の笑みを浮かべた。

「どうしたのかね、十神くん。僕の顔に何か付いているかい?」

「使い古された言葉を使うな。というより退け」

「それは出来ない相談だね。昨日から言っていただろう?今夜、君の部屋にお邪魔すると」

「あぁ聞いたさ、何をするかもな。だが、これは何だ。話が違うぞ…!」

俺達が内緒で付き合い始めて、一ヶ月は経っただろうか。そんな時、石丸が言った言葉。『君と、一つになりたい』。

その言葉の意味くらい、俺にも分かる。だが、唖然としていた時間が長すぎたのか、石丸は何か勘違いをしたらしい。明日の夜、君の部屋に行こう、とだけ言って、さっさと消えてしまったのだ。
…そしてつい先程、その勘違いの内容が判明した訳だが。

「何故この俺が受け身に回らねばならんのかと聞いてるんだ、石丸」

「あぁ、そんな事か。簡単だよ、昨日君に聞いた際、何やら思案顔だったろう?いや、流石の君も男同士となれば知らないのも無理はない」

「あれは驚いていただけだ馬鹿が。そんな事ぐらい調べればわかるだろう…!」

「そう!僕も調べた口でね。そして、わざわざ君が調べずとも、僕が直々に教えてあげれば良いと思った訳だ!良い案だろう?」

「断る」

あっさりはっきり、これ以上ないくらいわかりやすく否定してやる。が、この石頭はそれすら聞く耳を持たない。いきなり押し倒された時も抵抗したが、力では僅かに負けている上、馬乗りになっている石丸に、勝てる事はなく。結局、今の状況に甘んじているのだ。

「大丈夫だ、僕に全て任せていれば良い。必ず君を満足させてみせるぞ!」

「お前は羞恥心を煽る天才だな。それが一欠けらでもいいから、お前にも残っていれば良かったのに」

「なに、恥ずかしがる事は無いさ。この行為は全て、僕からの愛情の印だ。君はこんなにも僕に愛されているのだ、もっと喜んでくれても構わないぞ!」

「色々と困るからこれ以上口を開かないでくれ。頼むから」

今この状況では、逃げ出す事は疎か、奴の視線から逃れる事すら難しい。これ以上何か喋らせると、羞恥で死にそうだ。

何とか今の言葉は届いたらしく、急に部屋が静かになる。が、それも束の間で、直ぐにまた騒がしくなった。石丸ではなく、俺自身の声で。

「おい、止めろ!何してる!」

「何と言われても…脱がせないと始められないだろう?」

「脱がす必要は無いだろう、自分で脱ぐ」

「だが、此処を退けば、君は逃げてしまうだろう?それに、僕の調べでは、攻め手が受け手を脱がすとあったのでね」

「いや、だから俺はまだ許可してな、いっ!?み、耳を触るな!!」

「す、すまない、嫌だっただろうか?その、僕の調べでは、」

「またか!!マニュアル通りにしか出来んのか機械人間!!」

拒否し罵倒し、それでも石丸は止めない。嫌だったかと問われる事はあっても、止める事はないのが石丸だと、俺は最近になって思い知った。

「僕は、君が好きだ。気付いてから、それを誤魔化した事は無い。だがそれは、偽りたくないからであって、君に無理強いする為では無いのだ。だから、君を悦ばせたいと思う事も…僕の気持ちの行き着く先なのだよ」

ワイシャツをはだけさせながら、石丸は言葉を切らない。
妙に堅苦しく、そして真っ直ぐに語る事も、石丸らしい癖だ。そんな事、今更言わずともわかりきっているというのに。

「……っ!」

「が、我慢しないでほしい…!僕だってこんな事は初めてで、手探り状態ではあるが…これから知っていく事はできる。その為にも、感じた時には遠慮なく喘いでほしいのだ…!」

「ま、真顔で、何て事言うんだ、貴様は……!!」

余りの恥ずかしさに、顔が歪む。耳が熱いのが嫌でも分かって、腹立たしい。

そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、石丸がそっと頬を撫でた。ふるりと身体が震えて、思わず泣きそうになる。労るような、貴ぶような、指先。

「君が、僕を感じている姿が…見たい」

そんな風に触るな。お前の気持ちが嬉し過ぎて、恥ずかし過ぎて…その動作一つ一つに、感じてしまう自分がいるんだ。
掠れた声で呟いた筈の拒絶の言葉も、意味の無い単語となって虚空に溶けた。



〜〜〜〜〜

何だろうこの恥ずかしさは。裏の話を一つ書き上げた時のような恥ずかしさは。
石丸君は不純な事には不慣れですが、あの性格のせいでこんな残念な子になります。少なくともあたしの脳内ではそうだ←
石十…もっと増えろ石十…寧ろかませ総受け増えろ←


2012.06.11(月) 02:00
43.回る(桑田+α)

桑「舞園ちゃんのダンス、この前見せてもらったんだよ」

苗「アイドルだもんね…すごかったでしょ?」

桑「確かに。クルッてターンする度にこう、スカートが…ひらっと。でへへ」

苗「ちょ、ちょっと!顔自重しよう!?」

山「ちっ、リア充爆発しろ!!でもその時の様子kwsk」



〜〜〜〜〜

久っ々の小ネタ。本来小ネタってこういうもんだよね!?(ぶわっ)
でも、あたしの文章って短い方だと思うんだけど…どうなんだろう…ミステリー!!←


2012.06.11(月) 01:58
42.変わる(朝十パロディ)

まさかのロング化の為、場所を移動します。なんてこった/(^o^)\
一応ダーク寄りです。流血なんかが苦手な方は注意。

Sky Color


2012.06.11(月) 01:57
41.飲む(霧十)

立ち上る湯気越しに見える、無表情な顔。その視線は寸分の狂いもなく、俺の珈琲に向けられていた。
湯気がある以上、それはまだ熱いと呼べるだけの熱を持っていた。だが、奴の視線を動かしてみたくて、カップを持ち上げる。一口だけ飲むと、喉が少し焼けた。…やはりまだ熱い。

「………」

奴は…霧切は、それでも口を開かない。奴の目の前にも、湯気の立つ珈琲。しかし、それには全く興味を示さない。触れられてすらいないマドラーが、今か今かと出番を待っている。

「………飲まないのか」

この静寂を先に破ったのは、俺だった。沈黙に耐え切れなくなったのも無くは無いが、冷めてしまうと思った方が近い。
それでも尚霧切は、自らの珈琲に視線を向けない。それどころか、発言した俺自身に目を向けた。ほんの僅かに、微弱にだが、体温が上がった気がする。

「貴方こそ」

間を空けて返ってきたのは、たったそれだけだ。なのに、酷く安心した。
とりあえず、会話は成り立ったのだ。

「お前は、自分の入れた飲み物すら飲めんのか」

「いつ飲もうと私の勝手だわ」

「自分が飲めん物を人に出すな」

「あら」

ようやく始まった会話を、再び霧切が止める。が、文脈的にまだ何か言うのだろうと悟った。僅かに首を傾けた霧切の髪が、合わせて揺れる。

「…口に合わなかったかしら」

「……何を、今更」

苦々しげに言葉を吐き出すと、ふわりと笑みを浮かべた。その笑みに反するように、俺の眉間の皺は深くなっていく。
くそ、分かっていてわざとそんな事を聞くのか。毎日此処で飲んでいるのに、不味い訳がないだろう。

「……ふふ。ごめんなさい」

「何がだ」

「そんなに険しい顔をしないで頂戴。ちょっと困らせてみたくなっただけ」

「………ちっ」

「……長居したわね。そろそろ行くわ。読書の時間を邪魔しちゃ悪いし」

本当に悪いと思っているのか怪しい口調で、霧切が席を立つ。長い髪を靡かせて、俺の横を通り過ぎようとした。だから、つい。

「……っ、」

腕を、掴んでしまった。計画の無い動きに慌てた身体が、テーブルの隅に積んでいた本を落とす。バサバサと音を立てる本に、二人して無反応だ。

「…お前の珈琲は、俺が自分で入れるのと同じぐらいのレベルだ」

「………そう。ありがとう」

「だから、粗末に扱うな。…全部飲んでから、行け」

霧切の表情が、ようやく変わった。目を少し見開く。驚いているとわかるその動作がまた、羞恥心を煽った。

「……私…飲み物を飲むのは遅い方なのだけれど」

「一々煩い!何時間かかってもいいから飲めと言ってるんだ、愚民が!!」

「…………そ、う。…わかったわ」

霧切が、少し俯き気味に呟く。顔を殆ど隠してしまった髪の隙間から、淡く赤らんだ頬が見えた。
馬鹿、何て表情をするんだ、貴様は。

「…馬鹿ね、何て表情するのよ。…こっちが恥ずかしいじゃない」

内心の言葉をそのまま先に言われて、言おうと開きかけた口を閉じる。思わず過剰な動きで、掴んでいた腕を放した。



〜〜〜〜〜

うわあああまさかここまで書けるとは!ちょっとだけ書く予定だったのに!
クーデレ×ツンデレ…というか霧十霧ですねこれは。←とにかくかませが右じゃないと満足しない人
この二人フラグ無いけどね…でも、実力的にかませは霧切さんを見るし、霧切さんはかませが露呈してからはからかったりしそうだから…案外空白の二年間ではアリじゃないかなぁ、苗霧より。きっかけ的な意味では。
楽しかったよ中々に!でもこれ主人公涙目ww


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