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気まぐれに増えます
2013.12.10(火) 19:34


ついったーに上げた140字以内グラニル♀さん


好きだから好きだと言った。どちらにしろ逃げられないのはもう、わかってる。感情のごちゃ混ぜになった涙が頬を伝って、あんまりひどい泣き顔に戸惑ったのか、潜り込んでいた手が止まる。「だいじょうぶだよ」そう微笑んで宥めのキスでもしようとすれば、包み込むように先に奪われていた。

「ふたりへのお題ったー」
グラニル♀へのお題:好きだから好きって言った/「だいじょうぶだよ」/どちらにしても逃げられない http://shindanmaker.com/122300
「キスお題ったー」
グラニル♀さんにオススメのキス題。シチュ:いつもの場所、表情:「泣き顔」、ポイント:「服を脱がしながら」、「自分からしようと思ったら奪われた」です。 http://shindanmaker.com/19329 
より組み合わせ




「赤はストップだって教わらなかったのか」「さて、生憎空に障害物などないのでね」金縁の影が迫る。幾許かの静寂の間、ルージュの味は果たして好いものなのか、ただ漠然と考えていた。「危険を示すということは勿論理解しているが」うっすらと赤の移った唇で、彼は不敵に笑う。

「何故あのブロンドは緑の口紅をしているんだ」「赤=stopって教わったばかりだからさ」のジョークより



隻眼のその人を誰もが遠巻きに伺っていた。畏怖でもって憚りながら好奇でもって露骨にも。ひたすらそれが不愉快でならばと自ら声を掛けた。勇気と無遠慮は常に平行する。「その目はどうしたのだ」見据えたその人は微かに笑った。世界のただ一人に教えるかのように、囁く。「妖精を見ちまったのさ」

アイルランドの妖精ネタ





2013.03.03(日) 01:06






「ライル」

部屋を訪ねて来た彼はロックオン・ストラトスをそう呼んだ。

「今日が何の日か知っているか」
「…………」

幾分低い視点から彼は大地の色をした目でライルを見据える。
今日。
3月3日。
考えずともわかる、ライルと片割れの誕生日。
わざわざ訪ねて来てライルと呼んだ時点で、もう彼の意図は明らかなものだ。
しかし自分で言うのもあれだし、年下の彼に花を持たせるのも大事だろうと、壁に凭れながらライルは軽い調子で返す。

「桃の節句っつうんだっけ?」
「それもそうらしいが、他だ」

相変わらず生真面目に答えて彼は首を振る。
そして彼はライルがわざとそう言ったのをわかっているから、それ以上追及せず自ら口を開いた。
さてどうリアクションしようか。覚えてたんだな、或いはわざと、忘れてたぜ、とでも返そうか。今日は、と動き始めた唇を見ながらライルは考える。
しかし、どの言葉も使えなかった。
真っ直ぐに彼はライルを見つめる。
今日は。

「平和の日と制定されているらしい」

拍子抜けしてぱちりと瞬いたライルに、静かに彼は微笑む。

「誕生日おめでとう、ライル・ディランディ」

起伏に富んでいなくても、その声には温かみが籠められていた。

「お前達が生まれてきてくれて良かった」

恥じらいもせず率直な彼の言葉が真っ直ぐ響く。
ライルはしばらく反応できないでいた。

「それ、本当なのか?」
「本当だ」

こくりと頷く。彼が嘘を吐く人間でないということはよく知っている。

はは、と思わず笑いが込み上げていた。

照れを隠すようにして彼の肩を組み部屋に引き入れる。

「せっかくだし飲もうぜ刹那」
「俺は酒は」
「わかってるって、いるだけでいい」

生まれてきて良かったとは、もう少し何気なくなってから言おう。



* * *



「姫、ニール」

自宅を訪ねて来た彼はニール・ディランディを重ねて呼んだ。

「今日が何の日であるか知らないとは言わせんよ」
「…………」

幾分低い視点から彼は草原の色をした目でニールを見据える。
今日。
3月3日。
考えずともわかる、ニールと片割れの誕生日。
わざわざ訪ねてきて嬉々としている時点で、
もう彼の意図は明らかなものだ。
しかし自分で言うのもあれだし、年上の彼が花を後ろ手に持っているものだから尚更照れ臭く、ニールはぎこちなく返す。

「耳の日っつうんだっけ?」
「それもそうらしいが、違うな。桃の節句や平和の日という答えも素晴らしいが私は断じて欲していないぞ。そして敢えて言うならばアイルランドで起きたことを言っている」

相変わらず生真面目に答えて彼は首を振る。
そして彼はニールがわざとそう言ったのをわかっているから、尚更追及して口を開いた。

「さあ答えてもらおうか姫」
「…………」

さてどうしようか。自分から誕生日ですなんて言えない。照れ臭いし、祝ってくれと言ってるみたいで。さあ、と催促する唇を見ながらニールは考える。
下手な言葉は使えなかった。
真っ直ぐに彼はニールを見つめる。
今日は。

「ライルの誕生日っ」
「それも素晴らしいことだ。心から祝福しよう。しかし私が今答えてもらいたいのはその数分前に起きたことだ」

拍子の掛かる彼にニールはうっと視線を逸らす。
何が何でも言わせるつもりなのか。
照れ臭いやら恥ずかしいやらで顔が熱くなりつつある。

「姫」
「〜〜〜っ」

ニールは人生で何億回目かの息を大きく吸うとぶっきらぼうに答えた。

「お前の口から聞かせてくれよ」

彼は綺麗に笑うと花束をぶわりとニールの前に出す。

「誕生日おめでとうという言葉を慎んで贈らせて貰おう、ニール」

祝福をありありと滲ませて温かな声で言った。

「君達が生まれてきてくれて心から嬉しい」

恥じらいもせず率直な彼の言葉が真っ直ぐ響く。
ニールはしばらく反応できないでいた。
嬉しくて。

「……お前は、本当に」
「本当に、何かな」

花束を間に挟んで抱き締めてきた彼にされるがままになる。

はは、と思わず笑いが込み上げていた。

照れを隠すようにして彼の腕を掴み部屋に引き入れる。

「せっかく来たんだし飯食ってくだろグラハム」
「無論、誘われずとも押し入るつもりで来ている」
「どんな心積もりだよ」
「ゆっくり君を祝わせてくれ」
「……ご勝手に」

生まれてきて良かったとは、もう少し落ち着いてから言おう。



(Happy Birthday!!)






2012.08.24(金) 16:45



爆風が全てを奪った。

身を包んだ熱風を忘れはしない。

痛む体に現実がのしかかって来た時、何故生きているのかわからなかった。

誰が生かした。

何故生かした。

何故何故何故何故何故。

何もかも恨んだ。

友の元に
家族と共に

ゆけたならどんなに良かっただろうと。


奇跡などいらない。

ここに在るのは骨肉を纏った皮肉か。

こんなに苦しいのなら、生などいらない。

あの日から
おれの世界はずっと雨が降りしきっていた。
私の空は翳り、私のものでなくなった。


(ああ、そうだ。
この悲しみをぶつけなければ。)







2012.08.23(木) 00:00


(グラニル♀)


「絶対、帰ってくるぞ」

真っ直ぐに前を見据える彼女をこの期に及んでも美しいと思う自分がいた。
そして凛と強くありながら誰より喪失を恐れる彼女を、グラハムは抱き締める。

「大丈夫だ。私には勝利の女神がいる」

頬を寄せ、呼吸をする。こうする度に彼女が、自分が、生きていると感じる。そしてこれからも。

「勝利の女神?」
「君のことだ、ニール」
「おれが、」
「君の美しい名の意味は優勝者だろう」

彼女がいるなら大丈夫。彼女がいるから大丈夫。彼女の為に、帰ってきたいと思えるから。

「優勝者は一度も負けない」

グラハムは笑う。

「だから、共に生きよう、ニール」

愛する男の宣誓に女神は頷いた。



(名前ネタ(○´ω`○))





2012.04.29(日) 22:53



(グラニル♀)



“How's the craic?”

相変わらずrの音が強い、どこか艶っぽい発音を形のいい唇から出し、ニールは見上げる。
狙撃手を務める彼女は相当に目力が強いのだが、本人は大して自覚していないらしく、こうして時折見上げられると何度心を撃ち抜けば気が済むのだと言いたくなる。実際言う。そして絶賛馬鹿かと言われる。
今日も今日とて飽きることなくその愛情確認ルートに入ろうかと思ったが、しかしグラハムは二の句を告げなかった。
いっそ無駄な程頭と舌の回転が速いと友人にも定評のあるグラハムが、珍しくきょとんとする。
その様子をニールは訝しげに見上げ、若干声を張った。

“How's the craic?”

しかしグラハムは今一度瞬いただけで、返答もせずニールを見続ける。
奇妙なグラハムにニールもますます眉を潜め、端から見るとお互い訝しむという変な構図が出来上がっていた。
今度は何の戯れか。もう一度問い掛けようとニールが口を開けた瞬間、ひとりごちるようにグラハムが零す。

“……How's the, ?”

ゆっくりと紡ぎ、そして瞬く。

“…………”
“…………”

間が開くこと三秒。
動いたのはニールだった。
はっと口を開けたかと思うとみるみる内に上気して、早口に続ける。
まるで訂正します、と言わんばかりに。

“'What's up?'!"

そして瞬間やはり無駄に頭の回転の速いグラハムが目に楽しげな光を宿すのを見、ニールは踵を返す。会話を変にぶっちぎって。
逃げようとした。
逃げられなかった。

「早速と覚えさせて貰った!私の前で存分に使うがいい姫!」
「だああっ忘れろ!今すぐ忘れろ!」
「まさかこの様な形で姫から愛が深められようとは、なんと喜ばしい!」
「深めてねぇよ!どうすりゃそうなんだよ!」
「まさしく愛だ!」
「離せっ!」



(一人で訛りに盛り上がったので一人でやった(^p^)←)
( “How's the craic?”はアイルランド英語でアメリカ英語の"What's up?" )
(うっかり言ったニールと通じないハム)
(そして通じてないことに気付かないニールと通じないハム)
(しかもどうしたんだよって聞いてんのに返事ないから尚更ニールは?ってなってた。ややこしい(笑)
(ハム的には普段みんなの前で訛らないで話してるのに自分の前だと気が抜けてぽろっとしちゃうニールが非常に可愛い)
(訛りニール萌え(*´Д`*)←)

(もし間違ってたらすみません(;´Д`))







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