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/memo
2015.07.03(金) 23:00
急に書きたくなるジャンルはある。それが今回、ガンダムSEEDシリーズのイザカガだっただけの話。






やきもち







不安になることがある。彼女の視線、彼女の仕草、彼女の心、それら全てが自分ではなく他に向いているのではないかということだ。この感覚はおそらく彼女が昔、俺の旧友と一時期付き合っていたという事実があるからだ。彼女の、カガリの前では自分にそんな気持ちがあると知られる素振りは見せていない。俺はあいつよりも年上で、コーディネーターで、ナチュラルであるカガリにそんな格好のつかない気持ちがあることを悟られたくはない。その言い方だと今でもナチュラルを見下した風にとられてしまうかもしれないが、そういう気持ちで言っているわけではない。ただ単に男のプライドが許さない。それだけなのだ。


オーブとプラントのそれぞれの代表者同士の会食時のことだ。コーディネーターとナチュラルの懇親を図る上で開かれた会食は、両国の政治家や大物芸能人などお偉方も来てはいたが、思いのほかイザークの周りはディアッカやラクス嬢など知己が多く、盛り上がりを見せていた。数年前まで戦上で互いに敵として戦ったこともある顔ぶれが一か所に集まって、今や笑顔で話しをし、酒を飲みかわしている光景はなんとも不思議だとイザークはお酒が注がれたグラスをあおりながら、そのにぎやかな光景を新鮮な気持ちで見渡した。また今日、未だに彼女に、カガリに会えていなかったことが、イザーク自身を落ち着かなくさせていた。まだ見かけてはいないが、彼女もこの場にいるだろう。おそらくオーブの党首である彼女は挨拶周りにでもしているのかもしれないと、気持ちを幾分落ち着けるようにグラスを再び傾けた。

「イザーク。」

ふと良く知った、聞きなれた声でその男は俺の名前を呼んだ。振りかえると、その男は、何を考えているかわからないような不思議な光を、エメラルドグリーンの瞳に携えて、真っ直ぐ俺から視線をはずすことなく、こちらに歩みよってきた。彼、アスラン・ザラと俺は、しばらく互い無言だった。俺が、事実上この男からカガリを奪ってしまった形になってしまったあの日から、この男とこのような形で向き合うことはなかった。それが今、微妙な雰囲気をお互いに作り出してしまっている。

「何なんだ。話しかけたのなら要件をさっさと言え。アスラン。」

けれど俺自身我慢がきかないのも、昔から変わらないようだ。俺は耐えきれずに声をかけた。少しだけ仏頂面になってしまっているかもしれない、その面を隠すことはしなかった。


「・・要件というほどでもない・・んだが。」
「それなら俺なんかに声かけんでも良いだろうが。」
「いや、久し振りだなと思って。」
「なんだ、それは。」

そんなことで声をかけてきたのかと思うと腹が立ったが、逆に話しかけてこれる奴の神経がとてもじゃないが理解できなかった。

「貴様、よく話しかけてこれたな。」
「え・・・何故?」

俺の言葉が意外だったのか、不思議そうに言葉を返したアスランに、俺は苛立ち気味に声を低くする。

「貴様にとっては・・・・俺は憎々しい相手だろう?」
「あぁ・・そうか、そうだよな。」

歯切れの悪いアスランの言葉に尚更苛立つ。俺が奴の立場なら、この場から引き摺りだして、殴りあいでもしかねないというのに。

「それほど、今は怒っているわけではないんだ。まぁ、あの時はお前を殺してやろうかと思ったが。」
「・・・まぁ、当然だろうな。今は違うとでもいうのか?」
「違うというわけでもない。けど、お前だけを責められないと思っただけだ。」

少しだけその瞳に影を落としたアスランは静かに告げた。

「俺は今でもカガリが好きだよ。お前から取り戻したいと思うほどには。」
「・・・そうか。」
「けど、それをカガリが望んでいないのも分かっているんだ。」

その時遠くで歓声があがる。アスランとイザークは歓声を集めたその対象のいる方へと顔を向けた。注視すると、階段をゆっくりとカガリが下りてくるのが見えた。カガリは、彼女の弟にエスコートされながら、周囲に笑顔で振る舞っている。普段よりも着飾った彼女の姿は、華美すぎず地味すぎず上品なエメラルドグリーンのドレスを身にまとった姿はとても美しかった。

「なぁ、イザーク。」
「なんだ?」

そんな彼女を見ての反応なのか、今まで見とれたように彼女を見つめていたアスランが俺の名を呼ぶ。

「カガリはすべての人に愛されている。」

まるで尊い何かを見ているように彼女から視線をそらせないまま、そう呟いたアスランはやはり今でも彼女を愛しているのだろう。それを不快に思いこそすれ、けれどアスランの言っていることが全くの世迷言でもないことを俺は知っていた。現にカガリはこの場にいる大の男二人の視線を逸らさせない。こんな風に彼女の意図していないところで、彼女は誰かを虜にしているのだろう。その輝く笑顔と、その慈悲深い心で。

「すべての人に愛され、そして彼女もオーブを、すべての国民を愛している。そう思わないか?」
「あぁ。」
「俺は、自分だけのものにしたいっていう気持ちが強すぎた。」
「アスラン。」
「お前はカガリを愛しているんだろ。」
「あぁ。」

そんなカガリだからこそ、自分は彼女を愛した。自分よりも他人を優先しがちで、がんばりすぎるところも。

「お前だったら大丈夫だ。俺みたいな横恋慕するやつがいても。」
「俺は今すぐにでも貴様を殺してやりたいがな。そんな貴様をほっとけるか。」
「それは勘弁してくれ。」

アスランは口元を微かにあげると、もう用はないというように俺に背を向ける。

「そんなわけだイザーク。お前より先にカガリに声かけること許してくれ。」
「なっ・・貴様!」
「良いだろう?」

アスランは少し寂しげに、けれども、これ以上は割り切ると目線が語っているように、その視線を今度は俺からそらさなかった。

「・・・あまり独占するな。」
「有難うイザーク。」

アスランは微笑むと、彼女のいる方へと足を向ける。遠目からアスランがカガリに話しかけているのを見て、それに対する彼女の驚いた表情と少し困惑ぎみな態度を見て、俺は複雑な思いを隠せなかった。

(俺も、人のことは言えんぞ。アスラン。)

この気持ちは人前では出さない。男のプライドが邪魔をする。だけど出さないだけなのだ。しょせんは。

(独占欲だ。これは。)

彼女の何かひとつでも他に向いているのが我慢ならない。そんな気持ちを自分も持っている。これを彼女の前で出してしまえば、それこそ俺も第二のアスランにならないとは限らないのだ。


「何をしてるんだ?そんな暗い顔して、怖いぞ。」

唐突にふってきた聞きなれた声にビクリと肩が大げさに揺れた。振り向くと思ったよりも近かった彼女との距離に鼓動が跳ねたのがわかる。先程まで彼女はアスランと話をしていたはずだが、俺が考え込んでいる間に、意外と時がたっていたらしい。

「・・・それは俺の台詞だ。貴様こそ、こんなところで俺なんかに構っている暇などなかろう。」
「妙に刺のある言い方するな。」
「うるさい。俺はいつもとかわらん。」
「まぁ、変らないのは確かにそうだけどな。」

特にいつも刻まれた眉間の皺なんてなと、そう言いながら笑顔で彼女はその指を俺の額に伸ばすようにおしつける。

「どうか、したか?」

俺を心配しているのだろう。気遣わしげに俺の瞳を覗きこむ彼女に、幾分暗くなりかけた思考が和らぐ。俺に伸ばされた彼女の腕を無意識のうちに掴んでいた。

「イザーク?」
「…さっきまでアスランと話していただろ?」
「あぁ。」

それでかと彼女は能天気に聞こえるようなであっけらかんとした声を呟く。そんなカガリに俺の機嫌はなおさら悪くなる。そんな俺の様子に、彼女は意地悪い笑みを浮べたかと思うと、俺の顔にその顔を近づけた。

「やいたか?」
「っつ・・・そんなわけなかろう。」
「なんだ。私はお前がやいてくれてるもんだと思ったんだがな。残念だ。」
「貴様・・・」

俺をからかっているのかと睨みつけると、彼女の腕を掴んだ俺の手にそっと反対の手を重ねた。

「私は本気だぞ。お前がやいてくれてるのが嬉しい。」
「カガリ…」

ここが大勢いる場所だとか、誰かが見ているかもしれないとか、そんなことさえ気にしていない様子のカガリに、俺はさきほどまで考え込んでしまっていた自分が恥ずかしく思った。そして湧き上がってくる気持ちを抑えることもできそうになかった。

「こい。」
「え…ちょ!イザーク?」

彼女の手をとり、この場から離れようとする俺の様子に背後で困惑が混じった声で、俺の名前を呼ぶカガリを気に留めることもなく、その場をあとにする。視界の端にあいつが、アスランが複雑そうにこちらを見つめていたことも、もう気にならなかった。





荒々しくその部屋の扉が閉まる音を背後で聞きながら、彼女の腰に手をまわして口づける。くぐもったカガリの息遣いに更に欲が煽られる。

「イザっ・・・ん」

少しの彼女の抵抗も唇をふさぐことで黙らせる。抵抗といっても急な状況に戸惑っているだけの、弱いものであり、カガリもその行為を本気で嫌がっているわけではないことをわかっていた。やがて何をしても無駄だとわかったのか、開き直ったのか、カガリは俺の首に自身の腕をまわした。そんな彼女に余計にその口づけを深いものにした。互い何も言わぬまま、その感覚に夢中になる。何度も唇を重ねて、ふと離れ、視線を互いにそらせなかった。

「ベッド・・・行くか。」
「ば・・か。」

お前急すぎとか、こんな時間からとか、まだ挨拶終わってないとか、俺の言葉に少しの抵抗を見せるカガリに、俺も先程よりは余裕ができてきたらしい。

「嬉しいのだろう?本当は。」

なんせこの俺にやきもちやかせたかったみたいだからな。そう耳元で囁いてやると、ビクリと身を震わせたカガリの反応が嬉しいと思う。

「お前、意地悪だ。」
「お互いにな。男のヤキモチを甘く見るな。」

全部受け止めるのが、煽った貴様の責任だとでもいうかのように再び彼女の唇を塞いだ。


俺がいつでも不安な気持ちを抱えていることを彼女は知らない。いや、もしかしたら気が付いているのかもしれない。けれど、俺はけっして彼女を縛りたいと思っているわけではないのだ。オーブ代表として風をきるように止まらずに前を進むカガリも含めて愛しているし、支えてやりたいと思う。そして彼女を取り巻くすべての人や世界が彼女を傷つけることもあるだろう。それでもそんな彼女ごと受け止めて、いつだって彼女らしくあるようにするのが俺の役目だと思っている。俺は彼女を好きだという気持ちに遠慮はしない。そして思ったことも素直に彼女にぶつける。時にその言葉はカガリを傷つけるだろう。けれどそれを乗り越えられる強さが彼女にあることを俺は知っている。アスランはきっとそれができなかったのだろう。

「こんなに好きになると思わなかったな。」
「え…」
「この俺が、ナチュラルの女をだぞ?」
「イザ…ク。」
「貴様はそれが、どんなにすごいことか…つ…」
「っ…あ。」
「…わかってないだろう?」

彼女のぼやけた目をまっすぐ見つめたまま、彼女の掌に口づけをおとす。触れるカガリの体温が己のすべてを支配しているようで、それは心地よさを己に感じさせた。

「…わかっている、さ。」
「カガリ?」
「わかっているぞ。」

俺の下で肩を上下させている彼女の手が俺の頬に触れる。それはとても優しく、俺の不安を和らげるように撫でられる。

「支えられてるのは私だ。お前に支えられてる。本当だ。」
「カガリ・・・」
「ありがとう、な。」

彼女の柔らかい声は、いつだって俺を泣きたい気持ちにさせるのだ。





やきもち
(俺はお前に救われている。だからこそ俺はお前の周りにいるすべての人間に嫉妬するのだ。)







2014.12.20(土) 21:06

遊戯王2016年に映画化!?
遊戯王リマスター2月から放送!?
え、城之内くんの供給がこれからあるって!?
こんなに幸せなことがあって良いんでしょうか。

2014.12.10(水) 19:20
いやもう戦場の円舞曲良かったですよ!ニケとパシュが良かった!ニケランは幸せになってほしいです。あわせて、コードリアライズも攻略したんですが、ルパン√が集大成という感じで思い残すことありませんでした!サンカルが幸せになってほしいです。

さて、今月いよいよ発売しますね!あるルキーノのスチルが大変けしからんです。本気で。なんか受けっぽい可愛らしい顔でした。
なんかもうそれだけでお腹いっぱいです。ごちそうさまです公式さん!って感じでした。



2014.11.24(月) 14:58
結局三連休毎日あげてしまった。自己満足にしかならない気がしますね。ベルキはひたすらベルナルドがろくでなしなイメージしかわきません。幸せなベルキってどう書くの?やっぱりパラレル設定?先生ルキーノシリーズで、職員室で同僚のベルナルド先生に机に押し倒されちゃうやつでも書いちゃう?まぁ、その場合正義のヒーローイヴァンくんが助けに来てくれますから!そして助けにくるのおせーんだよ!とルキーノ先生にすごまれて殴られるイヴァンくん。うん、通常運転ですね!



そんな中、先日オトメイトから発売された、戦場のロンドという乙女ゲームやっちゃったりして、アベル√を終えました。いやもう良いですねアベル!かわいいですねアベル!何よりかっこいいですアベル!あんな風に迫られるの見ていて楽しいし萌えます。いきなりチューは乙女のロマンですね!




2014.11.24(月) 14:45

*★ベルキ(ルキジャン←ベル前提)
またも空気読まずに裏描写ありなので苦手な方まわれ右。なんかこのお題裏的暗めな話しか思いつかんぞ。












僅かに電灯がともる静かな室内で衣擦れの音と色を含んだ喘ぎ声が響いている。俺の下で黙って俺のする事に堪えている彼がかわいらしい。彼の全てを征服している優越感と愉悦がベルナルドの笑みを深めさせた。

「・・・つ、なかなかがんばるじゃないかルキーノ。」
「つ・・う・・るさいぞ。」

ルキーノは俺に背を向けて、尻を突き出すような格好をしている。既にギチギチに俺自身のものをのみ込んでいる姿はとてもいやらしい。枕を抱き締めている姿が普段の彼の姿とかけ離れていてひどく興奮する。しかもいたしているのがベルナルドの寝室だ。シチュエーションがへたに現実的な部分が余計にベルナルドの興奮指数をあげていた。

「もう少し尻を下げてくれないか。」
「・・・これ以上、何・・・」
「命令だ。」

俺の言葉に従うのが余程屈辱なのだろう。悔しさと恥ずかしさとで顔を赤く染める姿はまるで処女のように稚い。けれども素直に俺の言葉に従うのは彼なりの決意と意思がそうさせているのだろう。

「そう、いい子だ。気持ちいいよ。」
「くっ!」

穿つ角度が変ったせいか、ルキーノの足が腰を動かす度に痙攣を起こしている。ルキーノにとって慣れない受け側は、彼に負担をしいているだろうが、それでも快楽を感じはじめているのがその様子でわかった。

「君も気もち良いんだろ?ん?」
「・・・っつ・・だまれ!さっさと!」

いきやがれ早漏が!と仮にも上位幹部に向かって言う言葉とは思えないほどに暴力的な言葉だ。しかし彼にそんな態度を取られれしまうのは自分がしていることにしてみれば当然だろう。

「そんな口を聞いて良いのかい?」
「何・・つ!?」
「だって君が受け入れたんだよ。」

膝立ちをしていた姿勢を崩してルキーノの背中を抱き締めるように彼に接近して、耳元で低く囁く。するとビクリと彼の中がうごめくのが下肢に伝わり、あぁこういうのが良いのかと、新しい発見が嬉しかった。

「こういう風に囁かれるの好きかい?」
「・・・ちが・・う。」
「嘘はいけないね。」

君はこっちの才能あるよと笑うと、ルキーノが後ろを向いてこちらを睨みつけてきたので、戯れに彼の唇を自身の唇でふさいでやった。

「つ・・なに」
「ははっ、ん?ちょっとしたおふざけかな。」
「お前は、ジャンのことが好きだろう?」
「あぁ、好きだよ。」
「だから、俺にこんなことをするんだろうが。下衆にもほどがあるがな。」
「そうだね。それは間違いない。君がなんと言おうと、君が受け止めてくれないと、俺はすぐにでもジャンを襲ってしまうかもしれないね。」
「ジャンと恋人の俺が憎いんだろう?」
「そうだね。それも間違ってない。あぁでも・・・」

何回かのルキーノとの性交を思い浮かべる。普段は決して見られないルキーノの屈辱にまみれた表情と、甘さを含んだ喘ぎ声、唇をかみしめながら痛みに耐えるその姿にぞくりとしたのも事実だ。身体を重ねると人は情がうつると言ったのがいったい誰だっただろうか。そんな自身の変化に笑いたくなった。

「案外今は君にぞっこんかもしれないよ?」






「好きだよ」と言った貴方の表情
(「嘘付け。」と苦い顔して呟く君が尚更おかしかった。)










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