捧 相互記念/平子夢。(夏鈴さまへ) 「おかっぱ、のびたね?」 胡坐をかいて座った真子の正面に座って指摘。 「…そない変わってへん」 すると返ってきたのは眉間に皺寄せた顔と素っ気ない言葉。 う〜ん、前よりちょびっとのびてる気がするんだけどなぁ。 手を伸ばして彼の前髪を撫でる。 押さえてたり梳いたりしても乱れの無いぱっつん。 全体をぐしゃぐしゃにしてやっても、するりと元に戻る金糸のおかっぱ。 男には勿体ないくらいの美髪。 「名無し、擽ったいわ」 「サラサラ〜」 「羨ましいやろ〜」 「ヅラっぽい」 「地毛や、ドアホ」 そんなたわいもない話で戯れる。 あたしは真子の髪が大好きだ。触り心地は良いし、きらきら光る金髪は綺麗だし、ほんのり香るシャンプーの匂いも。 勿論、こうやって髪をいじるあたしに構ってくれる彼も好きなんだけど。 「ねぇ、何でおかっぱ?」 「似合わん?」 「いや、ボブならわかるけど…」 横髪を撫でながら、聞く。 流行として男でもヘアスタイルをボブにする人が増えた。 流行に敏感そうな彼がなぜよりにもよっておかっぱなのか。 ……うーん、ボブも似合うんじゃ。 真子の顔を凝視しながら、頭の中で考える。 幸い(彼に言ったら怒られそうだが)顔は整ってるから似合うとは、思う。 「…あんまし見んなや」 髪を触っていた手を払い除けられて、我に返った。 「照れてる」 「ア、ホか照れとらん!」 からかってやると、そっぽを向かれた。 いつもと立場が逆で、おかしい。 「前はなぁ…髪長かってん」 頭を掻いてぽつりとつぶやく。 「ロン毛?」 「せや、座ったら床につくくらいのぉ」 「へ〜」 髪の長い真子を想像する。 うーん、今の流行にはないだろうけど。 でもきっと長い金髪はすごく綺麗なんだろうなぁ。 「どんな髪型でも、大好きだよ」 素直にそう言ってあげた。 そんなあたしを見て真子は、にやりと笑んで、 「…襲うで?」 なんていって抱きついてくる。 「何でそうなるの、やめて」 笑いながらまた戯れ合って二人で過ごした。 (じゃぁ、切りたくなったらあたしがカットしたげるね) (はぁ?絶対イヤや、失敗しそうやん名無し) (失礼な!格好良くしたげるのに) (十分格好ええから、いらん) (うわ、自信満々だよこのヅラ) (地毛やゆうてるやんか!) ――――――――――――― あ、れ?なんだこれ?←(ダメダメ) おかぱっつん平子くんを夏鈴さまに捧げます。 あああ、なぜか己からロン毛告白!!! 遅れた上にほんと意味不明ですいません。 書かせて頂き有難う御座いました! [次#] [戻る] |