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Long Novel




あの日、僕は任務にあたっていた。


高レベルエスパーたちばかりが消えるという連続失踪事件。捜査を進めると、それは単なる失踪ではないことが判明したのだ。



犯行はかなり組織的で、相手は軍隊と言えるほどの軍事力を備えているほどの組織。僕が始めに潜入し、地理や監視、状況を把握してチルドレンを呼び寄せるという作戦がとられた。
手に入れたデータをもとにエスパーたちを救出及び首謀者を確保して任務完了……のはずだった。




なのに…




どうしてこんなことになったんだ?









今まで失っていた意識が急激に浮上するのを感じて、僕はゆっくりと目を開けた。



「(ここはどこだ…?)」



バベル?…いや違う。僕の家でもない。残念ながら、眼鏡をかけてない為周りが見えない。が、部屋の雰囲気が僕の知る部屋ではないことから、知らない部屋だということは確かだろう。
それにしても、どうして僕はこんなベッドで寝ていたのか…。

ダブルベッド程ではないが、充分広くて大きい。音の反響からして、部屋もある程度広いことが分かる。


何も分からない状況を一人悶々と考えていると、部屋に人の気配が“現れた”。



テレポートだ………



だが、視界がぼやけているせいでそれが誰なのか全くわからない。
そこにいるであろう人物への警戒心からか、自然と体に力が入る。


「やあ、目が覚めたようだね、皆本クン」


この声にはしっかりと聞き覚えがあった。
もしかしなくても彼だ。


「兵部…!」


兵部京介。どうして彼がここに…!?


その目で確かめようと声がする方を向いてみるが、相変わらずぼやけて見えない。

視認するために眼鏡をかけようと、手探りで眼鏡を探してみるが一向に見つからない。とりあえず体を起こそうとすると、激しい痛みを感じてベットへと逆戻りしてしまった。



「まだ動いたらダメだ。君、まるまる一週間眠ったままだったんだからね」



「一週間!?」



一週間も眠ったままだった!?

じゃあ、バベルは?薫たちはあれからどうなった?あの事件は解決されたのか?

一週間となると、さすがに驚かずにはいられなかった。


すると、急に視界がクリアになり、部屋の様子が事細かに目に映るようになった。


それが兵部が眼鏡をかけてくれたからだと気がつくまで、しばらくかかってしまった。


顔を上げると、ベッドのすぐとなりに立つ兵部の姿が目に入る。



「どうしてお前がここにいる?」



「おいおい、どうしてはないだろう。せっかく助けてやったのに」



「!?……手当てがしてある」


まだ痛みは感じるが、自分の体を見ると、けがの手当てがしてあることに気づいた。



「君が死ぬと女王が悲しむだろう?治療しておいてあげたよ。まったく、エスパーでもないくせに、どうして君はあんな無茶をするんだ?」



確かに、死んでは元も子もないというが…



兵部に言われて、僕は一週間前を思い出した。





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