ボンゴレファミリーが誇る、暗殺部隊ヴァリアーのボスであるザンザスは最近夫であるスクアーロとの間に、第ニ子をもうけた。かわいらしい女の子である。先に生まれた長男、アルジェントが妹を初めて見たのは、ザンザスがボンゴレの息がかかった病院から帰ってきた日だ。本当は生まれて直ぐに会いたかったのだけれど、母に負担をかけるのは嫌だった。ただでさえ母は、本来は産める立場に無い性別なのだが、クフフと笑いアルジェントと初めてあった日にクフウェアアアアと号泣したパイナップルの力と、マーモンの力を借りて、そうして危険を乗り越えて産んでくれた母に自分が行くことでさらなる負担をかけたくはなかった。 アルジェントが小さな腕で母のいる部屋の扉を開けた時、母は産まれてまだ日にちのたっていない妹に、乳をやっていた。その膨らみは女のそれよりは細やか過ぎるが、赤子が吸い付くには充分の大きさがある。
「かあさま」 「アルジェントか?どうした」 「カテリーナは、ぼくのいもうとですか?」 「妹だ」 「ぼくは、まもるんですね」
守ってやる、から。
どこまでも父親に似ている、けれどおとなしすぎる息子にザンザスは口元を綻ばせて、そっとアルジェントを抱き締めた。
「そうだ。お前は一番上、一番上が下の妹弟に何をしてやるのか、知っているか?守る事だ」 「まもります…ぜったいにまもります。ぼくのいもうとですから。かあさまもとうさまも、ぼんごれも」 「いい子だアルジェント」
カテリーナが、おっぱいが飲めないのよ、お腹がすいたの、とでも言うかの様に泣き出した。
了
アルジェントくんと産まれたばかりのカテリーナの話です
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