「君もボス猿に用があるのかい」 「猿だと!ボスに何て事を!せめて聖母様とお呼びしろ!!」 「…聖母様?」 「そうだ!赤子を抱き上げ微笑む様!まるで聖母のようだ…ああ、ボス!」 「……」
十代目沢田綱吉が、ヴァリアーに持っていかなければならない書類があるのに、とぼやいていたので、ついでにザンザスに会いにいって未来のサラブレッドに決闘を予約しに行こう、と雲雀は思いそれをひったくってきた。充分に育ったサラブレッドは、さぞかし楽しませてくれるだろう。それに才能を抉じ開けるのも悪くはない。家庭教師に立候補をしておこう、楽しませてくれるなら労力は惜しまない、そうも思った。 そうして向かったヴァリアーのアジト、執務室の前でこの大層うざったい男と出くわしたのだ。
「邪魔しないでくれるかい?サラブレッド――カテリーナもここにいるんだろう?将来を誓い合いにいくんだ、決闘のね。だから申し訳ないんだけどそんな今にも死にそうな顔をしないでくれないかな気持ち悪い」 「きもっ…!貴様!本当の事を言うな!」 「…自覚しているならいいよ、さあそこを退いてくれないか」
そうして扉を開けた雲雀と後を追ったレヴィは天国を見た。 執務室の柔らかな椅子に、ザンザスは座っていた。胸をはだけ、赤子に乳を与えていた。その形良く柔らかそうな乳房、当然ブラジャーなんてものは身につけてはいない。
――雲雀は鼻から勢いよく鮮血を噴き出して、その場に昏倒した。 たまらん乳だった。
「…雲雀はなぜ倒れたんだ?」 「………いえ、多分貧血ですっ」
免疫がつきつつあるレヴィは、哀れな男に心の中で合掌しつつ、雲雀の持ってきた書類をそっと取り上げた。 ボンゴレは今日も平和である。
おわれ
…雲雀さんごめんなさいかみころさないでください。
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