パロ
ずっといっしょ 拍手ログ 新年(柔勝)
2012年1月〜拍手に置いていた文章です。
新年バージョンです。
ちょっぴりですがどうぞ!
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年末。
結局坊は今年は実家には帰らないことにしたらしい。
まぁ旅費もかかるし、家でゆっくり勉強もしていたかったらしいからだとか。
坊が実家に帰らないってことは、当然俺も京都に戻る気もない。
そりゃ年の初めに親に会わなければいけないのは当たり前のような事だけれど、今のこの二人きりの状況を楽しみたいというのが本音かも知れない。
「ぼんーーー!お蕎麦出来ましたよ」
「おん!おおきに!!」
二人きりで過ごす年末。
二人きりで迎える新年。
胸が躍らないと言えば嘘になる。
本当に今年は色々あった。
とても幸せだった。
とても笑ったし、とても苦悩したし、とても悲しんだし、とても喜んだ。
今迄にないくらいに感情の起伏が激しかった年だったと思う。
テーブルで二人向き合って蕎麦をすすりながら会話をする。
「ホンマに京都に帰らなくて良かったんですか?」
「おん」
「おかみさん何も言いませんでした?」
「手伝いしたくないだけやろ!言うて怒っとった」
なんて坊がくすくすと笑って返事を返す。
「ああ、そう言うことですか」
「やって家帰ったら色んな仕事押し付けられるしな。ゆっくり出来へんし勉強かて進まへん」
「まぁそうですやろけど、おかみさん坊の顔見たかったんとちゃいます?」
「どうやろなぁ。せやしな」
「はい」
「もう、盆みたいなんはこりごりや」
「・・・・・すんません・・・」
「ええけどな」
そう、思い返せば盆に家に帰った時はそりゃぁもう・・・。
まぁこの話はまた別の時に。
「だから今年はここで過ごす方がええねん」
「そりゃ、柔造としてはこうやって二人で年越せるやなんてめっちゃ嬉しいですけど」
「ほんならええやん。俺かて柔造と二人で居れる方がええ」
そう言って、はにかみながら坊が笑う。
だから俺もニコリと笑って返した。
ああ、年末最後もこんなに心が温かく過ごせるだなんて、本当に俺はなんて幸せだろうか。
坊を預かるだなんて、最初は一体どうなることだろうかと思った。
なのに最終的にはこんな幸せな結果に。
付き合いだしてすぐに浮気を疑われ別れの危機があったり、弟達がやってきてエライ目にあったり、双子の事だって!!!
けれど今俺の目の前で坊はにこにこと美味しそうに蕎麦をすすっている。
これが今年の俺の集大成だ。
坊が幸せならば、俺も幸せなのだ。
それから蕎麦も食い終わり、風呂に入り今年最後の汚れを落とす。
後は新年を迎えるだけ。
二人でソファに座りながら、テレビを見る。
「坊」
「ん?」
「今年はホンマにお世話になりました」
「世話になってるのは俺の方やないか」
「いえ・・・なんや色々迷惑かけましたし」
「何も迷惑やなんてかけられた覚えないで?」
「坊・・・・」
「俺の方こそ色々ありがとうな。ホンマ世話になったと思ってる。おおきに」
「坊・・・ありがとうございます」
「おん」
テレビの中ではカウントダウンを叫ぶ声。
『5・4・3・2・1・・・・・!!!!』
ゼロっ!!!
『HAPPY NEW YEAR!!!!!!』
「んっ・・・・・!!!」
テレビの中から新年を叫ぶ声と同時に、唇に触れた柔らかな感触。
そのまま口を割って入ってきた、坊の温かく柔らかな舌先。
目の前に見えるギュッと目を閉じた坊の顔。
ソファに置いた俺の手をぎゅっと握り、坊の舌が俺の口の中をおずおずと確かめるように動いた。
それから、ゆっくりと唇が離されて、顔を真っ赤にして、恥ずかしさに目を潤ませ俺をじっと見つめる。
「あ・・・んな・・・」
「・・・・はい・・・」
「京都帰らへんかったもう一個の理由・・・」
「はい・・・」
「なんや向こう行ったらな・・・・年明けて一番最初に柔造に触られへん気がしたから・・・」
「・・・・・・」
「やって、俺が一番最初に柔造に触りたくて・・・声も聞きたくて・・・キスも・・・・したかったんや・・・」
ふわりと笑って、俺を見つめる可愛いらしい姿。
「坊・・・・」
「あけましておめでとう。今年もよろしゅうな」
「あけましておめでとうございます。今年もずっと一緒に居ってくださいね」
「おん・・・・」
それから俺達はまた口付を交わした。
深く深く、お互いの気持ちを確かめるように。
抱き締め合いながら。
A HAPPY NEW YEAR!!!
今年1年が皆様にとって素敵な1年になりますように!!!
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というわけで、パロの今書いてるところの半年後(2012年4月現在)くらいの話ですかね。
まぁ、浮気があったり、志摩兄弟が遊びに来たりとかそんな話を書いて行きたいなぁ・・・というのもちょっぴり含めましたww
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