贈
プレゼントをください(柔子勝←金)6000打キリリク・蓮華様へ
6000打を踏んでくださった、蓮華様に捧げるお話です。
リクエストは『金造または廉造からみた柔子勝』ってことでしたので、金造から見たのを書かせていただきました。
金造の誕生日が近かったのでそれも絡めてみましたww
ちょっと長くなってしまいましたが・・・・。
お気に召していただけたなら幸いです!
それではどうぞ!
●プレゼントをください●
柔兄はめっちゃ坊が大好き。
それは見てたら良く分かる。
坊を見つけたら、笑みを浮かばせて直ぐに坊の所に行く。
見つけて抱き上げて、撫でたり、嬉しそうに話をしたり。
今さっき俺らをめっちゃ怒ってたとしても、坊を見つけたら優しい顔になる。
ホンマどんだけ好きやねん。
そんなんやからか坊も柔兄のことが大好きみたいや。
坊も柔兄が声をかけたら、誰に話しかけられるよりも、めっちゃいい顔で振り向く。
試しに見比べてみたことがあった。
俺が呼んだ時の坊の顔。
廉造が呼んだ時の坊の顔。
子猫丸が呼んだ時の坊の顔
おとんが呼んだ時の坊の顔。
蝮が呼んだ時の坊の顔。
まぁ、どれも普通に反応しはる。
やけど、柔兄が呼びかけると、やっぱり反応の違いは一発で分かる。
あ、和尚が呼びはる時と、柔兄が呼んだ時の坊の顔は、わりと良く似てるかも知れん。
二人ともお互いにめっちゃ好きなんやなぁ・・・・。
いーっつも見たら二人でぎゅぎゅっと抱き合ってる。
ほんまどんだけいちゃいちゃしたら気がすむねん。
なんて、見てて呆れるほど。
ほんなら、もし、柔兄から坊を取ってしもたらどうなるんやろか?
それは単純な好奇心やった。
ま、どうせ取り上げる事なんて出来へんねやけど。
せやけど、ちょっと試してみたいなぁ・・・・
なんて、ぼんやり考えながら、部屋のカレンダーに目が留まると、いい事を思いついたのだった。
***
「坊!」
寺の中をうろうろして、漸く見つけた探し人。
「ん?きんぞう?どないしたん?」
ほら、俺が呼びかけたって、至って普通の反応や。
「あの、ちょっとお願いがありますのんや」
「?なに?」
「ちょっとあっち行ってお話してもええですやろか?」
「ええよ」
そう言って、坊をちょっと奥まったところに連れて行った。
出来るだけ柔兄には見つかりたくないし、話を誰にも聞かれたくないから、人気の無い所へ。
きょろきょろと辺りを見回して誰もいないのを確認すると、坊に小声で話しかける。
「あのね、坊、お願いなんですけど」
「なに?」
「もうすぐね、俺、誕生日なんですよ」
「え?そうか!おめでとう!」
「でね、プレゼントの変わりにちょっとお願い聞いてくれませんか?」
「プレゼントのかわり?」
「はい!そうです。あきませんか?」
「ええけど・・・なにしたらええのん?」
「あのね、一日だけでいいんで、俺を一番好きになってくれませんか?」
「ようわからん」
「えっと・・・坊が一番好きな人は誰ですか?」
「え?ん〜〜っと・・・和尚!」
「あ・・・・せやったら・・・志摩の中で一番好きなんは誰ですか?」
「じゅうぞう!」
「それをね、今日だけ金造に変えてくれませんか?」
「なんで?」
「俺が坊を大好きやからです!たまには一番になりたいなぁって。あきません?」
「いちばん好きになったらきんぞう、うれしいん?」
「ええ、めっちゃ嬉しいです!」
「ふぅん・・・・ええよ!おたんじょうびやもんな!」
そう言って、坊はにっこり笑った。
ああ、これはかいらしい顔やわ。
柔兄がめろめろになるのも良く分かる。
「せやったらね、今日は柔兄のところには行ったらあきませのやで?」
「え?なんで?」
「だって、俺が一番なんですから」
「あ、そうか・・・」
「ご飯も俺と一緒に食べてくださいね?」
「おん!わかった!」
「お昼寝もですよ?」
「おん!」
「お風呂も」
「おん!」
「それから夜一緒に寝るのも!」
「わかった!」
「ほんなら今からスタートしますよ!よーい、はじめっ!」
と、パンと手を打って開始を宣言する。
だけど、きょとんと坊は俺を見上げてこう言った。
「・・・・・で、どないしたらええのん?」
「ん〜〜・・・とりあえず、手でも繋いで戻りましょか?」
「わかった!」
きゅっと坊の手を握ったら、それは温かくて、柔らかくて気持ち良かった。
小さい子の手ってホンマ柔らかくて気持ちええなぁ。
廉造のも子猫丸のんもやけど。
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