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君の見る夢(志摩兄弟→勝)5000打キリリク・トマ様へ



カウンター5000を踏んでくださったトマ様に捧げるお話です。

リクエストは『柔勝落ちの志摩家×坊(小坊)』ってことだったのですが・・・・。
ご期待に添えてるのかどうか(汗)

とりあえず志摩兄弟が坊を大好きな設定で書かせていただきました。

お気に召していただけたなら幸いです!!


それではどうぞ!!!




●君の見る夢●





年末。久しぶりに帰った京都でしばしの休息。
のはずが、廉造は柔造に頼まれて買出しに行っていた。
寒い中買い物に行って、冷えた体を温めようと炬燵が用意された部屋へと駆け込む。

襖を開けると、先客が目に入った。

「あれ?坊?」

炬燵に半身を入れて、寝転んだ竜士が居た。
声を掛けても、ピクリともしない。
珍しくこんなところで熟睡しているようだった。

「ぼんー。こんなところで寝とったら風邪引きますよー」

そう言って、顔を覗き込むようにして窺い見ると、竜士の表情がふにゃりと砕けた。

「なに?!」

(え、今の何?)

そう思って、再度確認するように覗き込むと、またふにゃりと微笑む。

(うわー・・・・笑てはる。なんかええ夢でも見てはるんやろか?)

起きへんのかなぁ?なんて思いながら頬を指でぷにっと突付くと案外思ってたよりも柔らかかった。

(あ、なんや柔こい。起きとる時にこんなんしたらめっちゃ怒られるやろなぁ)

自分も炬燵に足を突っ込んで、竜士の様子をじぃっと眺めていた。

暫くするとどたどたと廊下を歩く足音が響き、襖をばんっと開ける音と共に声が発せられる。

「廉造!!!こないなとこに居ったんか!!柔兄がめっちゃ探しとったぞ!!!」

「しーーーーっ!!!!」

「なんや?!」

廉造が慌てて後ろを振り返り、口元に人差し指を立てて、「静かにっ!」と注意すると、声を発した主はきょとんとして、廉造を見やった。

「なんやねん」

「坊が寝てるんや」

「え?・・・あ!ホンマや!」

部屋へと入ってきたのは金造。
廉造と同じように竜士を窺い見ると、同じような反応をした。

「なんや笑てはるで?」

「せやねん。なんか良い夢見てはるみたい」

「うわぁ・・・なんやかいらしいなぁ・・・」

「やろ?」

「で、お前はそうやって、坊を眺めとったんか?」

「ちゃうで!!今帰ってきたとこや!」

「ふぅん・・・」

そう言うと、金造も同じように廉造の向かいに座ると、炬燵に足を突っ込んで竜士を眺めた。

「なんの夢見てはんのやろか?」

「なんやろなぁ・・・」

「あれやわ、俺の夢見てるんやで!」

と言い出したのは金造。

「は?何言うてん?」

「俺のライブ来てぇ、俺の歌聴いて、めっちゃカッコ良くて惚れ惚れしとる夢やわ!!!」

「金兄、阿呆言うたらアカンで」

「なんやねん」

「そんなんちゃう。坊は俺といちゃいちゃラブラブして喜んでるんやって!!」

「は?お前こそ何言うてるんや!何がいちゃいちゃラブラブや!・・・って、まさか!!!お前、兄ちゃんらが居らんとこでまさかそんな関係になったとか言うんやないやろな!!!!」

「実はな・・・・」

にやりと不敵な笑みを作る廉造を見た瞬間、金造はガンと炬燵を叩いて厳つい形相で立ち上がった。

「お前っ!!!!兄ちゃんらに内緒でそないな事してええとでも思ってんのかっ!!!」

「冗談やって、冗談!落ち着いて!!!そんな大声出したら坊が起きるっ!!!」

「あ・・・・」

廉造がどうどうと動物を落ち着かせるように手を上下に振ると、金造は我を取り戻し、また同じ様に炬燵に座りなおした。

「・・・ホンマ何の夢見てはんのやろかなぁ?」

「なぁ?」

二人でまた眠りながらもふにゃりと笑みを作る竜士を見詰め、二人して

「「かいらしなぁ・・・」」

などと呟きながら、炬燵で暖を取っていた。


するとまた暫くして、どたどたと廊下に響く足音。

「ひっ・・・!!!」

と、引きつった顔をした金造に、なんや?と廉造が振り返ってみれば、鬼の形相と言うのに相応しい程に怒った柔造が仁王立ちしていた。

「柔・・・兄ぃ・・・」

「お前ら・・・・いつまで待っても帰って来んと思ったら・・・・こないなとこで油売っとったんか!!!!」

「かっ・・堪忍!柔兄ぃ!!」

「やかましわっ!!」

「せやけど、柔兄!ちょっと静かにっ!」

「なんやっ!」

「坊が寝てるんやっ!」

「えっ?」

柔造が炬燵に目をやると、竜士がすやすやと眠るのが目に入った。

「何でこないなとこで寝てはるんや?」

「久しぶりの実家やし、気が緩んだんちゃう?」

金造が返事を返すと、柔造は部屋に入り坊を覗き込んだ。

「坊、こないなとこで寝とったら体しんどなりますよ?」

と、小さく声を掛けてみるが、全く起きる気配がなかった。
それどころかまた、先程と同じようにふにゃりと顔を崩し笑みを作る。

「かっ・・・・かいらしっ・・・!!!」

「やろ?柔兄もそう言うと思たわ」

「柔兄もって、お前らもか」

「せや。でな、なんの夢見てはんのかなぁ?って話とってん」

「ほんま中々帰って来おへんと思たら・・・お前らは・・・」

「ええやん、な?ちょっと休憩ってことで。な?柔兄は何の夢やと思う?」

「何のて・・・」

「俺はな、俺のライブ見に来て喜んでる夢やと思うねん!」

「は?ありえんな。ほんなら廉造はなんやねん?」

「俺と坊がラブラブ!!!」

「・・・・ないわ」

「何そのあきれた顔。ほんなら柔兄はどうやねんな!!」

「そんなもん決まってるやろ!久しぶりに帰ってきた京都で、俺と1日中一緒に居って、仲良くご飯食べて、お話して、散歩して、一緒に風呂入って、仲良く一緒に寝る夢や!!!」

「柔兄それ、俺のラブラブとそないに変わらん事言うてる気がするのは気のせいやろか?」

「全然ちゃうわ!俺の方が1日一緒なんじゃ、阿呆」

「ええ、そこ?!」

「なぁなぁ、せやったらな」

金造が二人の間に割って入って、声を発した。

「「なんや?」」

「賭けへん?」

「「なにを?」」

「坊が俺らの誰かの夢見とったら・・・・、その誰かが明日坊と二人で一緒に過ごせるとか!」

暫く3人で顔を見合わせ・・・考える。
そして、廉造と柔造がちらりと目配せしたなら、二人して答えた。

「「・・・のった!!」」




****



「坊、坊。こんな所で寝とったら体しんどなりますし、あっちに布団敷きましたから、移動しましょか?」

3人の話が纏まった後、炬燵のあるすぐ隣の部屋に布団を敷き、竜士を寝かせる段取りをした。
こんなんところでずっと寝ていて、体調を崩したりしたら大変だ。

「ん・・・じゅ・・・ぞ・・・?」

「移動しますからね」

柔造は竜士の体をそっと抱き起こすと、ロッククライミングや筋トレで鍛え上げた腕で、軽々と竜士を抱え上げた。

「「おお」」

脇から金造と廉造の感嘆の声が上がる。

首にゆるりと捕まった坊が、すりと小さい頃のように首元に頭を擦り付けた。

(ああ、ホンマにかいらし・・・)

「坊・・・」

「んぅ・・?」

「なんやええ夢見てはったみたいですけど、どないな夢見てましたん?」

「ん〜・・・・あんなぁ・・・」

布団の上にゆっくりと寝かせると、坊が寝ぼけたまま答える。

「柔造がなぁ・・・」

そう言った途端に、柔造は小さくガッツポーズを作った。
後ろに控えていた二人は、明らかに落胆の色を見せる。

「柔造が?」

「おん・・・・・デカなってん」

「・・・・はい??」

「でなぁ・・・なんやでっかい怪獣と戦っててん」


ぶほっと、後ろから吹き出す声が聞こえた。
ちらりと後ろを窺うと、廉造が口元に手を当ててフルフルと笑いを堪えていた。

(あいつ後で、しめたる・・・)

そう思って、ちらりと廉造を睨み付けてやった。
まだ、坊の言葉は続きそうなので、向き直って話を聞く。

「めっちゃ強くてなぁ・・・めっちゃカッコ良かってん・・・」

「なんや・・・ヒーローみたいなもんですやろか?」

「おん・・・・カッコええねん・・・せやけど・・・」

「はい?」

「ん〜・・・冷やこい・・・」

「坊?」

「寒い・・・」

そう言うと、坊がくいくいと柔造の着物の袖を引っ張った。
ああ、これは・・・・
寝ぼけたままだと言うならば、小さい頃のようなお誘いなのであろう。


「一緒に寝て・・・」


坊がそんな台詞を口にした途端、後ろで二人が「あ〜あ・・」と溜息を吐いた。
ちらりと振り返って、様子を見ると、

「負けやなぁ、しゃぁない。行こか、廉造」

「せやな。なんや腹減ったし、温かいもん食べに行く?」

「そうしよか」

そう言って、二人はそそくさと部屋を出て行った。

(あいつら・・・)

「じゅうぞ・・・寒い・・・」

くいくいとまた袖を引っ張るから、思わず笑みが零れてしまう。

「はい。一緒に寝ましょか?」

「・・・おん・・・・」

そっと坊の傍らに入り込み、小さかった頃の様に腕を回して、トントンと背中を叩いてやる。

「おやすみなさい、坊」

「ん・・・・ぬくい・・・」

「ええ夢、見てくださいね・・・」

「・・・ん・・・」

それからすやすやと、規則正しい寝息が聞こえるのもすぐの事だった。






**********************


と、こんな感じの文章になってしまいましたが、いかがだったでしょうか?
こんなお粗末なものしか書けなくて、ホントすみませんです(>△<)

この度は5000打踏んでくださりありがとうございました!!!

こんな感じのサイトで宜しければ、また遊びに来てやってくださいね!








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