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long story
実況中継。
トップは2組。

実況中継。




『えー、テステス。こちら執行部兼放送部ー』
気の抜けた放送が入る。
『ただいまの順位を発表しまーす』
「もう発表なのかよ!!」
『意見は聞きかないよ沢田君。…一位、2組。二位、3組。三位、1組。四位、5組。五位は4組です。ちょっと、1組なにしてるんだいもっと気合いいれたまえ』
「うわなんか実況者むかつく!!」
「うるせぇぞ、ツナ。やってんのは実はアルドレットの父親」
『はーい、アル君。頑張って欲しいけど終夜君にも頑張って欲しい』
「どっちだクソ親父!!」
『おーっと!!そうこうしている間に第二走者がスタート!!渦巻君、団扇君、ししし王子、手加減なしの志村妙、大人の男ティキぽんが走っております』
「しし、俺のことそう呼ぶなんていい度胸が」
「う゛ぉおおい!!いいから走れベルフェゴールゥゥゥウ!」
「ち、うるせぇな。…でも、王子の前は誰も走らせない」

だんっ!!といきなりスピードを上げるベル。しかし、その前を走る妙がそれを許すはずがない。

「私の前は何人たりとも走らせねぇ」
「姉上!!目が!目が狩人になってます!!ああああ渦巻君気をつけて!!悪鬼が悪魔が迫ってる!!」


必死の新八の声は、口論しているナルト、サスケには届かない。

「大体お前が俺に勝とうなんざ50年早いんだよウスラトンカチ」
「バカ言ってんじゃねー!!俺だってその気になればできる!!」
「は。どうだか。そうやっていっつも負けてんのは誰だよ」
「っ!!」
「あああああ何渦巻君顔赤くしてるのねぇそれって何!?走ってるから赤いのどっちなのぉぉおおお!!??」

あーだこーだ言っている間に第三走者、第四走者、と順調にリレーは進んでいった。









『さて、と。今は第10走者だね。どうしたんだい、あんなに突っ走ってた2組がもうビリだよあはは。入れ替わって1組が一位だね。想定の範囲だよ』
「ああああなんであそこでこけるかなぁぁあああ!?」
「だって仕方ないじゃないか。俺はもともと体力ないから…」
「そうですよ土方さんあんまり言っちゃ駄目です。終夜君だってそれなりに頑張ったんだから」
「志村…お前分かってくれるのか…」
「とりあえず終夜君は休んでて下さい。さて、もう土方さんと終夜君、古泉君、炎山君は走り終わったから…。残りは」
「新八とヒバリ、神田だけでさぁ」

さっさと準備運動を終えた沖田が横から入る。新八はかすかに後ずさった。

「え、ええそうですけどてかあんたですかヒバリさんの相手」
「俺は違いまさぁ。走るのは旦那。俺はその後でさぁ」
「うがぁ!?じゃあ何だあんたと一緒なのか!!?」
「新八ぃ、少々覚悟しなせぃ。手加減はしやせん」
「うわあああヒバリさん頑張ってくださいお願いします!!」

言われなくとも、というようにヒバリは最下位から上位まで上げる。
おお、と歓声が上がる。

「ヒバリー、そのまんま行けばぶっちぎりなのなー」
「ちょ、山本はそれでいいん?何もできないさ?」
「ラビの言う通りだ。山本はいいのか?」

山本にラビとサスケがつっこむ。

「はは。…何もできないことはないって。だって」
「あああ抜かされた!!」

「坂田が、一位を取ること分かってたし」

ニヤリ、と笑う。

「くっ…。何処にそんな体力があるんだい」
「死んだ目しやがって!!」
「ちょ、今のは聞き捨てならないなぁ土方君。…なんでって、俺、隠れ陸上部」

えへ、と指をさして笑う。そういえば書類に補欠だか何だかで名前だけが書いてあった気がする。

「ふ、そんな切り札を持っていたなんてね」
「悪いねー。俺も負けられないのよ。土方に色々したいし。てことでっ」

さいならー、と軽く手を振りながら更にスピードを上げていった銀時を、ヒバリは半分呆けた。

「ヒバリさん走って下さい抜かれます!!」

焦った新八の声で我に返り、落としかけたスピードを取り戻し、一気に戻ってきた。
しかし、その時にはすでに沖田にバトンが渡った後で、100Mは距離が空いていた。

「志村抜かせ!!」

後ろから神田の応援を含んだ声が飛ぶ。はいぃ!と若干怯えたように返事をして走り出す。

「追いついてこれるかねぃ…。何せ新八は体力少なすぎですからねぃ」
「ぐぐぐ…追いつけない…」

縮めるどころかどんどん広がる差に、2組は直感で結果を悟った。

ああ、終わるかも…。





「っ神田君お願いします!!」
「止まれラビィィイイ!!!」
「止まれって言って止まれるわけないさぁー」
「ちっ」

『さぁ、勝負ももう終わろうとしています!!このまま負けてしまうのか!?それとも二人とも他の組―ん〜、例えばそうだね、近藤君が勝つとかね』
「や、ゴリラが勝てるわけがない」
「おい近藤さんに失礼だろ馬鹿野郎!!だからおお前はパーなんだよ!!」
「パーってこれ天パだから。え、何。中身のこといってんの?中身はパーじゃないよ愛がぎっしりだよー」
『あと100M!!ゴール!!……なんていうことはないかもね』
「どういう意味だ親父!!」

意味ありの言葉にアルが反応する。
答えようとするよりも早く、上空から巨大なメカ―かがみもち28号が降ってくる。

乗っている人物を予想し、アルは引き攣った顔をした。

「はーっはははは!!!喜べ!!風邪で休んでいた煉獄院・G・咲人様が出てきたやったぞ!!」
「やっぱお前かー!!」
『あ、神田君ゴール』
「えええぇぇぇぇぇえええ!!!???」

かがみもち28号が着陸した場所が不幸中の幸いか。ゴールしようとしていたラビの頭に見事ヒットしたのだ。

「…煉獄院のバカヤロー!!」
「なんでそこに来るんだよ!!」
「あああ……」

落ち込む攻め組に対し、

「ぃよっしゃー!!」
「勝った!?やった!一時はどうなるかと!!」
「わーい!!」

ものすごい喜んでいる受け組。

「何だ、何があったんだ?」
「知らなかったのかい?今日はリレー大会だったんだよ」

ああ、と理解した煉獄院は、その後…。


攻め組にこっぴどく絞られたらしい。



『じゃあ、結果を…』




20080728

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あきゅろす。
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