REBORN! 初雪(獄綱) はらりと、空が溜息を零した。 初雪 「あ、」 ひらりと視界を横切った欠片は、元を辿ってみるとそれは空から零れていた。 「雪だぁ…」 はらり。ひらり。 どんどん舞ってくる雪。たくさんのそれは、綱吉と獄寺の頭上を、あっちへひらり、こっちへはらりと旅をしていた。 そのひとつが、吸い込まれるように、綱吉の掌に落ちた。 辿り着いては、すぐに溶けてしまう。 その様子を、綱吉はずっと見つめる。 不意に、傍らの獄寺が、言った。 「…寒いッスね」 「うん」 しんとした空気。夏に比べて何も音がないのが、冬。 やがて雪は、今立っているこの地面をも覆って、一面銀世界に変えてしまうのだ。 その様を思い浮かべ、綱吉は仄かに笑った。 「積もったら、みんなで雪合戦しよっか」 白い息が、雪の間をすり抜ける。 「今度は、姉貴や跳ね馬抜きでお願いします」 昔やった紅白対抗戦を思い出したのか、苦い顔をした獄寺が言う。 「あはは。そうだね、今度は、2人でしよっか」 「…はい」 はらはらと雪が舞う。 しんとした空気。 かじかむ手。 白い息。 君となら、何処へでも。 かじかむ手を繋いだ2人の背中は、やがて欠片に見送られながら消えていった。 雪に埋もれても君となら大丈夫! ****** 20090115 玖樹 初の獄綱。此方では既に雪が積もってます。 ←→ [戻る] |