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出逢い=恋?
アイツと出会ったのは、おしゃれなカフェだった。
一端の高校生には似つかわしくない、大人の雰囲気を醸し出していて、正直早く店を出たかったのを覚えてる。
しかし姉という大きな存在に阻まれて、身動き一つ出来なかった。
そんな俺と姉の前に突如現れたのがアイツだった。
正確にはアイツと姉が待ち合わせしていたので、特におかしな事でもないのだが。
あえておかしな事と言えば、無関係な自分がいたことだろう。
「心優(ミユ)…」
「浮気…したでしょ」
「違う!あれは」
「これで二度目なのよあなた!気付かないと思った?本当は何回か違う女の人と歩いてるのだって見てる…」
「親戚とかじゃねーの?」
優しい声音で、俯いた姉の顔を窺うアイツ。
姉はばっと顔を上げて、アイツを睨みつけた。
「私の友達にまで手を出して、よくそんな言い訳できるわね」
あ、アイツ今凄く傷ついたような顔した。
姉の怒りは止まらず、そのまま見かけた時の女性の特徴を並べ立てる。
どうやらこの修羅場に強制参加させられた俺は、黙って二人のやりとりを眺めるしかない様だ。
すると、姉の手が突如俺の腕を掴んだ。
「は?」
「私、今この人と付き合ってるの!」
姉の唐突すぎる発言に、言葉を失う俺。
すぐさまアイツの鋭い視線が、俺の阿呆面を射抜く。
本気でアイツ怒ってますけど…。
「この人の方が一途で優しくて大事にしてくれる!」
「へー?そう、じゃあ心優は俺が浮気してた時自分も浮気してたんだ」
「っ…そうよ!寂しかったんだもの……信じてたから…」
「じゃあ俺ら別れよう」
あっけらかんとアイツは言い、姉の動きは止まる。
まさか姉本人としても、こんなに簡単に別れを切り出されるとは思っていなかったのだろう。
勿論傍観しているだけの俺も、その言葉に驚愕した。
「っな!そんな軽々し………」
がちゃんっ!
俺が全て言い切る前に、姉の両手が盛大にテーブルを叩いた。
店員のお姉さんが笑顔で運んでくれたコーヒーが、その振動で僅かに中身を飛ばす。
目の前のアイツは、そんな姉を憮然とした態度でただ見つめていた。
「あなたにとって、私はそれだけの存在だったってことよね」
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