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「じゃあもう少し優しくしろ、馬鹿。お前が乱暴に押し倒すから背中打っただろうが」

「あ、ごめん。何か吉丸だと別に大丈夫かなって」


あははと笑う澄打。
それだと意味ないだろうと突っ込みたかったが、澄打はいたって真剣な顔なので言い倦ねた。


「じゃあもう一回」

「…こんな事しても、同じ様なシチュエーションが回ってくるかわかんねーだろ」

「何事も、備え在れば憂いなしだろ」

「経験豊富な秋屋に教わった方が…痛!」


だーかーら、肩から押すな!
肩からぶつかって痛いっつーの!


「秋屋に教わるくらいなら、下手って言われた方が断然マシ!」

「もうお前やだ、嫌われろ」

「吉丸ぅ〜」

「キモイキモイ!触るな下手くそ!」


一つのベッドでバタバタと暴れたためか、ドアをノックする音に気づかなかった俺達。
覆い被さる澄打をどけてやっと気付いた。


「お前ら何してんの?」

「秋屋…」

「秋屋?」


俺が呼んだ名に、澄打は怪訝な顔して後方を振り返る。
秋屋は眉間に皺を寄せて腕を組んでいた。
確かに傍から見たら、このシチュエーションはアブノーマルとしか思えない。
心の広い人、或いは理解のある人でない限り、恐らくひいてしまう場面だ。
俺は慌てて現状を説明しようと思ったが、それより先に澄打が話始める。


「今日の女は満足出来たのかよ?」

「何の事だ」

「校舎裏に二人で、腕まで組んで行ってたから大層燃えたんじゃねーかって吉丸と話してたんだよ」


話してない!
断じてそんな話してねーし!
秋屋はチラリと俺を見たが、すぐに澄打に視線を戻してクスリと笑った。


「本当に澄打は考えがガキだな、しかもガキの中でも一番下品だ」

「何だと!?」

「す、澄打!今のはお前が悪いんだからやめろよ」


俺は澄打の肩を掴み、沸点の低い澄打に言う。
澄打は納得のいかない顔で俺を見た。


「勝手に憶測で話して、しかも確かに秋屋の言うようにげ…良識を逸した憶測のまま話した。これじゃあ相手を侮辱しているようにしか聞こえない」

「…………」


秋屋はそんな澄打と俺を見ていた。
澄打はというと、一瞬悩んでいた様だがすぐに普通の表情に戻って何故か俺の肩を掴む。


「っ!?」


そのまま押し倒され、肩と背中を強打した。
本当に嫌われてしまえ!



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あきゅろす。
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