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Black Number
狂った世界。狂った僕等。G
初めに異変に気がついたのはクロであった。先程までただその場に飾られていた人形達が、カタカタ…と小さな音を立て始めたのである。
陽もその音に気が付き何が起こったのかと視線を右往左往させていた。

―カタ、
カタカタ……ギョロッ

小刻みに揺れていた一体の人形が、陽の姿を追うように動いた。瞬間意識を持っているかの様に背後から襲い掛かってくる。
「よーちゃんッ!」
陽はクロの叫びで辛うじて人形を避ける。
「おッと……何なんだコイツ等!」
次々に襲い掛かって来た人形達の攻撃を避けながら、陽は困惑を浮かべた瞳をクロに流す。


「どうなってんだよ、クロ!」
「……まさか人形にこんな仕掛けしてあるとはね…舐めた真似してくれるよ、イカレ芸術家…」
クロはピクリと精淡な顔を歪ませ口角だけを吊り上げる。

―パーンッ
『胸糞悪いねぇ』

小さく呟いた後、己に襲い掛かって来た人形の頭に一発撃ち込んだ。
ガシャリ…ッと音を立てそれは床に崩れ落ちる。

「よーちゃん思いっきり暴れながらでいいから突っ切るよ。」
「え?あ…おう!」

次々に人形を撃ち落としながらクロが叫び、走り出した。陽も一瞬戸惑ったが、クロに続く…



―…パンッ、バキッィ

…カタカタ




静かだった美術館には銃声と骨の砕ける音が響き渡っていた。…しかし、人形達は打ち抜かれた箇所は中身は疎か、血さえ出ていたない。
腕をもがれ、頭を潰されても尚、立ち上がりまるで踊るように襲い掛かって来る。

「畜生ッ!コイツ等…何なんだよ」
「………」



二人は全力で通路を掛けたのだった。

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あきゅろす。
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