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Black Number
狂った世界。狂った僕等。C
「まぁまぁ、今度は陽も分かる話だからさ。ホラ…」
「ぅ…分かった‥」
「……。」
クロに叱られ俯いてすっかり縮こまってしまった陽を炯が優しく慰めると途端に濃くなる殺気に苦笑が漏れる。さて、と気を取り直したように話を再開した。
「今度は遅刻したお詫びの耳より情報だ…B地区の外れに昔美術館だった建物がある。そこに今、賞金首No.12667が潜んでいるらしいが…狩りに行くなら詳しい情報をやる。どうする?二人とも…」






―…翌日、クロと陽の二人はB地区に続く畦道を進んでいた。聞こえるのは二つの足音と風が地を撫でる音のみ…。
その静寂を破ったのは陽であった。
「なぁクロ。そのNo.12667ってどんな奴?」
スタスタと足早に道を進むクロの斜め後ろを付いていきながら陽が尋ねた。昨日炯から詳しい情報を貰っていたが、早々と話を進めるクロと炯について行けるはずも無く、話の大半は理解出来ていないのだった。クロも陽が理解できて居るとは思って居なかった為、ゆっくりと説明をし始める。


《賞金首 No.12667》
本名:リアス・J・シファード
職業:芸術家
以前は売れっ子芸術家として名を知られていたが、誘拐と連続殺人の容疑で賞金首リストへ。人間の真実の姿を探求しこよなく愛した男の情熱は、肉体を精神という鎖から解放し、純白無垢な裸体美を更に美しく飾り立てる『人形』作品を生み出していった。

…男の狂気は新たな人形を生みだして行く…






「うぇ…なんかそれ気持ち悪い」
「要するに変態って事だよ。分かった?よーちゃん。」
クロの説明に陽はあから様に嫌な顔をした。精神から解放された肉体を使った作品…つまり死んだ人間の身体をキャンパスにする作品。賞金稼ぎをしているため、普段から死体は見慣れている陽だが、それを芸術として飾りつけ鑑賞するなど、まったく理解出来ないのであった。
「今回は久々に大きな獲物なんだから、ちゃんと言うこと聞かなきゃダメだからね?よーちゃん。」
「分かってるよ、勝手な行動しなきゃイイんだろ。だからそんなに睨むなって」

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