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「蓮見って結構性格キツイよな。
……心にグサグサ来る」

「今更だ。
それに嫌なら近寄って来なければ良い。
あぁ、そうだお前の所のあの馬鹿犬にもそう言って聞かせろ、僕は迷惑している」

「いや、あれは俺にも何とも出来ねぇよ。
諦めてあいつの物になれば?」

こいつ……人事だと思って楽しんでるな
僕が迷惑していると言っているんだ、要らないものは要らない

柳眉を上げて睨み付けていると、不意に教室のドアが開く音がして、僕の苛々の元である馬鹿犬声が響いた


「莉春先輩が教室に居るっ!?」


第一声がそれか…
僕だって好き好んで此処に居たりなんかしない

僕は不機嫌さを隠さないで、腕組をして近寄って来る槙原を睨んだ
この際首の痛みはがまんしよう

「莉春先輩さっき呼び出されてましたもんね。
でもホントに来るんすね?
俺、てっきり莉春先輩の事だから無視すると思ってました」

「僕だってたまには来る時もある…たまにだがな」

「ん〜、何か欲しい本があったんすか?」

「いや、少し引かれる小説を見つけたんだが絶版になっていて何処も残ってないと言うから、イギリスの図書館から譲り受けて貰おうとしてだな……」

「あぁ、それで素直に来たんですね。
納得っす!」

「まぁ、そういう事だな」

一様胡麻擂りにでも来たという訳だ
他人に会うのは嫌だが、小説には代えられない
小説の方が大事だから、このくらいは我慢する
激しく無駄な時間な気もするがな

グッと眉にシワを寄せていると、僕と槙原の話しを大人しく聞いていた枩浦が不意にケラケラと楽しげに笑い出した

ギョッと驚いて枩浦を見ると、何故か槙原の頭をグシャグシャと乱暴に撫でていた

何なんだ?


「槙原、お前すげぇじゃん。
蓮見が俺以外と普通に会話してるの初めて見たぞ。
オチるのも時間の問題かもな」

「え、マジっすか!?
すげぇ嬉しいっす!!
俺この関係に成れるまでめちゃくちゃ苦労したから」

「最初は完全シカトだったからな」

「そうっすよ。
あの頃は俺と目さえ合わせてくれなかったんすから」

今だってたまにしか合わせないけどな
無駄に身長があるから見上げるのはしんどいし、男として屈辱的だ

首、痛くなってきたな

フイッと視線を外して、槙原の胸元辺りをぼんやりと見ながら


「今だって合わしたくなんてないがな。
お前等と目を合わせようとしたら首が痛くてかなわん」

「そんな事言われても、俺だって好きでデカくなったんじゃねぇし」

「俺は莉春先輩よりデカくて良かったす。
並んだ時に俺の方が低かったら格好付かないじゃないですか」

「…僕は発見された宇宙人か……?」

想像してみろ
背の高い男二人に挟まれている僕の図を
まるで発見された宇宙人が捕まっている図じゃないか
まぁ、それ程僕は低くないがな……低くないぞっ
低くくなど……










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あきゅろす。
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