俺が知りたいのは
俺が、知りたいのは。
あの、最後の時。
貴方が、何を望んだのかという事。
二人、向かい合って剣を交えた後。俺には、貴方が微笑んだように見えた。
狂った感じなど微塵もない、英雄と崇められていた頃の冷たさもない。儚げで淋しげな、人間らしい表情。
その直後。貴方は赤に塗れ、光に貫かれて消えてしまったけれど。
セフィロス。
貴方のあの笑顔が、脳裏に焼き付いて離れない。
色々な貴方を思い出す度、泣きたくなるのは何故だろう。
後悔なんてしないと決めたのに、切なくなるのは何故だろう。
セフィロス。
貴方は、何を望んだ?
貴方は、何で微笑んだ?
何故?
全て、何も知らなければ良かった。
何も見なければ、何も聞かなければ、何も知らずに済んだのに。
ねぇ、セフィロス。
貴方の笑顔の理由。当たってるか判らないけど、自惚れてもいい?
もう確かめる術なんてないのに、どこか確信じみた気持ち。
あの戦いに終止符を打ったのは、俺で良かったのだと。
ああ、貴方はもう居ないのに。
今日も、世界は回る。
end
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