体丸めて震えてる

 薄い壁越しに、小さな泣き声が聞こえる。
 きっとベッドに潜って体丸めて、小さく小さく縮まって。枕に顔埋めて唇噛んで、一生懸命気付かれないようにしてる。
 馬鹿だな、俺はソルジャーだぜ?
 言葉にならない程度の嗚咽も、必死に息を飲む音も、微かにしゃくり上げる声も、全部聞こえる。
 まるで捨て猫みたいに独りぼっちで震えてるお前を、本当は今直ぐ抱き締めてやりたい。

「…っ……っ、…」

 でも、お前が堪えてるのに俺が崩しちゃいけないから。そのプライドの高さも好きだけど、たまに少し恨めしい。
 大丈夫、また次があるよ。また、頑張れば良い。
 ソルジャーになるんだろ?
 いつか一緒に任務、出来ると良いな。俺も、お前と背中合わせて戦うの楽しみにしてるから。

 だから今は、思う存分泣けよ。


end

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あきゅろす。
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