寝言

「…ザッ…ス…」

「ん?」

 掠れた小さな声に名前を呼ばれ隣で寝ているクラウドを見たが、どうやら寝言だったらしく金の睫毛は伏せられたままだった。半開きの口から無意識に紡がれた自分の名前に嬉しくなり、その唇に軽く口付けるとクラウドが緩く頭を横に振った。

「…や、ん…」

 可愛いけど「やん」はねぇだろ…と少し落ち込んだザックスだったが、そろそろ起きなければいけない時間になるしと遠慮なくクラウドに口付けようとした。しかし顎に手を掛けた所で、次にクラウドの口から出た名前に驚き固まってしまう。

「セフィ…」

「!?」

 何故ここでセフィロスの名前が出るのか、ザックスには全く解らなかった。その為まさかセフィロスと浮気しているのでは、まさかセフィロスに何かされたのでは、この前二人だけで話していたし…と疑心暗鬼になってしまう。

「いや、でも俺とセフィロスと一緒に居る夢見てるだけかも知れねぇし…いや、でも…」

 そんな事を考えている内にアラームが鳴り目を覚ましたクラウドに尋ねたが何も覚えていないと言われ、その日からザックスはセフィロスを変に警戒するようになってしまった。後日その訳を正宗片手にセフィロスに問い質され、正直に答えたが酷く怒られたのは言うまでもない。


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