花
「ほら、綺麗でしょ?」
笑顔で、俺の目の前に一輪の花を差し出すエアリス。
「………ああ」
「あっ!」
「?」
求められた、見たままの返事を返せば驚いたような顔をされて首を傾げた。
「何だ?」
「ううん。珍しいもの、見ちゃったなって」
「珍しいもの…?」
エアリスの言葉にますます首を傾げれば、くすくすと笑われる。
「これ」
笑顔のまま正面から指差されて、少したじろいだ。
「クラウドの、笑った顔」
綺麗、だね。
そう言う彼女のほうが余程花のように綺麗だったと、今なら思う。
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