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run away(ロイアイ)
鋼の錬金術師/ロイ×ホークアイ





彼がおいで、と手招きをしてきた。
何かと思って近寄ってきた私を


「捕まえた」


と言って膝の上に座らせた。


「捕まえた…って、別に逃げてるわけじゃ…」

「いいや、君は逃げてるよ。私から」


突然何を言い出すの、この人は。


「四六時中傍にいるつもりですが」

「…気持ちが逃げている」


私にはわかる、と言って微笑んだ。




確かに逃げているかも知れない。
私は貴方の側近。



いつも

ずっと

どんなときも

傍にいなければならない。



愛しい人の傍に。
何も出来ないのに。



手を絡ませ合うことも
抱き締め合うことも


ましてや



唇を重ね合うことなんて。



何も出来ないのに。

傍にいるだけだなんて。

苦しすぎる。
耐えられない。



そう



私は「現実」から逃げてしまっていた。

彼にも、わかってしまうくらいに

伝わってしまうくらいに

私は



「彼」から逃げていた













ふと、「好きな人の傍にいるのに、何も出来ないってどんな気分だろう」と思って。

大佐なんかはあっさり煩悩に負けそうですが(笑)


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あきゅろす。
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