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たとえこの命が儚く短い偽物であったとしても(イオアニ)
TALES OF THE ABYSS/イオン×アニス





白状してしまおうか



――僕は君に恋しています








旅の途中の休憩時間。
ジェイドの嫌味やらルークの態度、ガイのフェミニストっぷり。

そんなアニスのたわいない話を聞いていた。


話自体はあまり聞いていなかったけど(アニスに知れたら怒られそうだ)。
楽しそうにしゃべる彼女にずっと気を取られていたから。


けれど、当の本人は目を丸くして素っ頓狂な顔をして固まっている。

もちろん、話は途切れたまま。



「どうかしましたか?」

「え…イオン様…今…」



今。

心当たりはあった。

楽しそうに笑顔をこぼす彼女を見ながら思ったこと。


「僕、声に出してましたか」

「…はい」



無意識…だったんだけど。

勝手に口が想いを告げてしまった。
衝動だけで動くなんて、僕らしくない。



いや、僕の意志ですら、無い。



「…イオン様?」



告白したきり、黙ってしまった僕を心配そうに覗き込んでくる。



「大丈夫ですよ」



大丈夫。

大丈夫。

自分にそう言い聞かせる。


そうだ、言ってしまったものは仕方ない。
取り消すなんて勿体ない。

それに、彼女に失礼だ。




「アニス」



突然、名前を呼ばれて彼女は焦ったような困ったような顔をした。

そして向き合う。




「僕は君に恋しています。君が愛しい。僕は君のことが大好きです」



改めて、僕の意志で、言った。

途端、彼女は顔を真っ赤にして俯いてしまった。


やっぱり言っちゃ不味かったかな。
ずっとこの胸に秘めておこうと思ったのに。

彼女を困らせてしまった。


あぁ、やっぱり言わなければよかった。




「アニス。返事は、言わなくていいですよ」

「っイオン様…っ」




もし。

もし…僕の望む通りの答えが返ってきたら、もっと生きたいと、もっと長く生きていたいと思ってしまうだろう。


大勢の人の命と引き替えてでも、彼女と共に生きたいと思ってしまう。


それだけは…それだけはレプリカの僕には許されない。



ルークなら怒るだろうか。


"レプリカだろうがオリジナルだろうが、生まれた命に変わりはない"と。



だけどルーク。



僕は"導師イオン"のレプリカなんですよ。

大衆を見捨てるなど、あってはならない。
そのために、僕が生まれた



でも、だからこそ、僕は






「アニス、大好きですよ」














中途半端ですみません…収集つかなくなりました(ダメじゃん)
イオン様視点での切ないイオアニ書いてみたかったんです。
…イオン様言い逃げですね

実はタイトルと最後の一言、繋がってたりします


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