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*曖昧な理由に踊らされる2(アベミハ)
おおきく振りかぶって/阿部×三橋





「……っ!?」


ぞくりと背中に何かを感じた。
あ…悪意のようなものを…。


「阿部くん…かな…」


…そりゃそうだよね。

せっかく阿部くん家に来て勉強教えてもらうっていうのに、いきなりコップひっくり返して…。
あの阿部くんが怒ってないわけない…よ。

あの昼休みの時だって、ずっと田島くんの後ろに隠れてて、ちゃんとお願いしたわけじゃないし…


「うぅ…」


これから怒られるのかと思ったら涙が出てきた。
ダメだ。
泣いてたらまた怒られる…。

必死になって涙を止めようとしてたら、トントンと階段を昇ってくる音が聞こえて、俺は思わず振り返った。

ガチャ、とドアが開く。


「みは…」

「あ、あべく…っ」

「また泣いてんのかよ!?」


阿部くんが戻って来るまでに止められなかった俺の涙を見て、お前は泣かないと会話できないのかと阿部くんがぼやく。


「うっ……おれ…阿部くんに迷惑ばっか…」

「だからもうわかったって!いーから泣き止め!」


そう言って阿部くんは俺の頭をポンと叩いてタンスの中を漁り始めた。

あれ…お…怒られない…?


「あ…阿部く…」

「あった!」

「?」


阿部くんは何かを見つけ出したようで、それを俺の目の前で広げてみせた。


「じー…ぱん?」


広げられたものはジーパンだった。
よく見かける普通の紺色で、大分くたびれているように見える。


「そ。俺が中学のとき穿いてたヤツ。成長して穿けなくなっちまったんだけど、三橋が穿けるならコレやるよ」

「は、穿ける、かな…」

「三橋は俺より一回りちっさいくらいだから入ると思うけど。穿いてみろよ」

「う、うん」


阿部くんのジーパン…。阿部くん自身から手渡されてちょっとくすぐったかった。

このとき俺は着替えに精一杯で、阿部くんの口元が微かに笑ったことなんて気付きもしなかった。







「う…」

「どうだ?似合ってるけど」

阿部くんに似合ってるって言ってもらえて嬉しいけど…。


「ちょっとキツい…かも」


一回り小さいって言っても身長だってあんまり変わらないし、それに中学のころは俺だって成長期だったし…。


「三橋」

「あ、はいっ」


まさか阿部くん怒ってる…!?『俺のジーパンが穿けないのかぁー!』ってこと!?
どどどどどうしよう…!

でも阿部くんは意外なことを言った。


「しゃがんでみて」

「へ?」

「しゃがんだら素地が伸びて丁度良くなるかもよ」


言われてみればそうかもしれない。大抵の服は着てれば伸びる。
あれ、でもそれって何ヵ月か着た場合に当てはまる…よね?


「ん…っ」


とりあえず言われた通りしゃがんでみたけど、もう少しのところで太股とふくらはぎがくっつかない。
空気イスみたいな状態。

これ以上はジーパンが破れちゃいそうだ…。

それに……。



「まだいけるだろ」

「も…無理ぃっ…」

「別に破れたって構わないよ。三橋が穿けないなら捨てればいいんだし」


俺が穿けないと捨てちゃうの…?
あ、でも阿部くんも穿けないんだし、捨てるしか…?

なんだか阿部くんの言ってることがちぐはぐな気がする。


「手伝ってやるよ」

「えっ…!」


そう言った阿部くんが何故か楽しそうで、俺は嫌な予感がして制止の声を出した。


「や…っダメ…っ!」

「いいから」


けど阿部くんは俺の制止なんて全く聞かない。
立ち上がり俺の背後に立って、躊躇いもなく俺の背中を押した。


「っあぅ…!!」


途端、声が漏れる。

ダメだ…!


「どした?俺は背中押してるだけだぜ?」

「う…」



あぁ、やっぱり阿部くんは怒ってるんだ。

そして解ってるんだ。
解ってるから穿けなんて言ってきたんだ。
キツいジーパンが一体どこを締め付けてくるか。

阿部くんは解ってるんだ。



「あ…べく…」


懇願するように阿部くんを見上げた。

ごめんなさい、俺がヘマしたから怒ってるんでしょ?
いくらでも謝るから……もう俺限界なんだよ。

ねぇ…阿部くん…!


けど阿部くんは変わらず楽しそうに笑っていて、俺の背中をぐいぐい押してくる。
その度に普段出せないような嬌声が漏れる。


「っは…ぁうっ!」

「三橋」

「な…に…?」

「ちゃんと言えたら、イかせてやるよ」

「!」



―阿部くんは意地悪だ。

こういうとき、絶対自分から折れたりしない。
どれだけ抵抗しても、俺の口から言わせるまでずっと攻め続ける。
だから俺はいつも折れるしかない。

今回も、そう。



「…、たい…!」

「聞こえない」

「〜っ!」


きっといま俺の顔真っ赤なんだろうな。涙だって鼻水だって出てるし、汚い顔してるんだろう。

だから、もう、我慢できないよ。


「い…いきたいっ…!」

「…わかった」


満足そうな声とともに背中に当てられていた手の温もりが消える。
そして代わりに阿部くんの優しい声が聞こえてきた。


「手ついて。よつんばいになって」


阿部くんの声にほっとして言われるがままに手、膝を床に降ろす。
まるで犬みたいな格好だけど、このもどかしさから解放されるのなら構わない。

阿部くんは俺が穿いてるジーパンと一緒に、下着までもを膝まで一気に降ろした。



「あ、ぁっ!」

「なんだよ、三橋感じてんの?」

「…ッ!!」


長い間締め付けられていた俺のものはすでに敏感になっていて、服を脱がされただけで反応してしまっていた。


「もう勃ってる」

「や、ぁあ…」


言わないで、と頼んではみるけれど阿部くんは止めてくれない。


「ただのジーパンでこんなにしちまって、三橋やらしー」

「…や、んぁっ!」


後ろから阿部くんの手が俺のものを包み込む。
そして指でぐりぐりと先端を弄る。

反論なんか、できる状態じゃない。


「っひ、ぁう、あぁっ!」

「…三橋、可愛い」

「は、ぁんっ」


耳元で低く囁かれて体が反応する。


「あ…べくん…っ!も、や…!」

「いいよ、出して」

「んっあぁ…っ!!」


そして俺は、阿部くんの手の中に吐き出した。








「あ…あべくん…?」

「ん?」


あれから大分経って、いま俺たちはベッドの上にいる。


「あ、あの…お茶溢しちゃって…ごめ、なさい…」

「え、お茶?」


きょとんと目を丸くする阿部くん。
あれ?お茶のことで怒ってたんじゃないの…?


「あぁお茶ね。別にそんな怒ってねぇよ。むしろ嬉しいハプニングというか」

「嬉しい…?」

「んーこっちの話」


嬉しいハプニング…ってなんだろう?でも阿部くんが怒ってないならいっかぁ。

…そうだ、何かまだ忘れてるような…。

あ!


「おれ…きょう…しゅくだい…」


しにきたんだ…!
結局何も片付いてない…!!


「あぁ、宿題…」


さも今思い出したように呟く阿部くん。終わらせないと俺の単位が大変なことになる…!


「今日泊まってけばいいじゃん。ズボンも乾かさなくちゃならないし」

「ふ、へ?」

「泊まっていけよ」

「とっとととととまとまとま……!!」

「あー、大丈夫だよ。もう変なことしねぇから。………たぶん」

「…!!」


おれ…宿題終わるのかな……?





















最近の若者は何故ズボンを腰穿きでしかもダボダボで穿くのだろう。逆にぴったりしてたらどうだろうキツくて動きにくいのだろうか。でもキツいってどこが、と悶々としてたら生まれたお話。


しかしぐだぐだ…。

このお話では彼らは恋人同士みたいです。特に意識せず萌えのままに書いてました(笑)

あからさまにおかしいことさせられてるのに気付かない三橋に萌え



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