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小説(岩男)
喧嘩するほど 〜その後〜【光速+熱木?】

ここはDr.ワイリー基地の廊下。



その廊下を歩いているのはDWN.015ヒートマンとDWN.016ウッドマンだ。

この二人は仲が良いのでよく一緒にいる。

ウッドにとってヒートは弱点のはずなのだが、そんなことを気にしない二人の仲の良さはとても微笑ましく、みんなの癒しである。



そして、そんな二人がいつものように仲良く話しながら歩いていた時だった。






ビュンッ!





何かがものすごい速さで二人の横を通り過ぎていった。















「…クイック兄ちゃん?」



「…やっぱりヒートもクイ兄だと思う?」




二人はものすごい速さの何かが通り過ぎていった方に顔を向けながらそう呟いた。

あんな速さで走れるのはDWN.014クイックマンしかありえない。
というか、この世にクイックマンより速いものがあるのだろうか。

とにかく、クイックがあんなスピードで廊下を走るということは何か理由があるのだろう。二人は心配そうに顔を見合わせた。





「どうしたのかな…クイ兄…。」



「…う〜ん…僕もあんな速さで廊下を駆け抜けるクイック兄ちゃん初めてみたから…。」



ヒートが考えるように腕を組んで唸っていると、ウッドが「あっ」と言ってクイックが走ってきたほうを指差した。





「フラ兄だ。」



「あ、本当だ。フラッシュ兄ちゃーん!」





ヒートは向こうから走って来るフラッシュに向かって手を振った。

だがフラッシュには振りかえす余裕もないのか、ここまで走ってきて止まると、ハァハァと息を切らせながら「よぉ」と言った。





「ヒートにウッド、クイックを見かけなかったか?」




「クイ兄ならあっちへ行ったと思うよ。」







「・・・どういうことだ?」




「速すぎて見えなかったけど、たぶんクイック兄ちゃんだと思う速いのがさっき横を通ったんだ。」





「・・・なるほどな。」




フラッシュは、フゥ・・・とため息をつくとヒートとウッドの頭を苦笑しながら撫で、こう言った。





「ありがとな、二人とも。それは間違いなくクイックの馬鹿だ。」













「クイック兄ちゃんは馬鹿じゃないよ!!」







ヒートは突然大きな声でそう叫んだ。
フラッシュとウッドはそんなヒートの様子にびっくりして唖然とした。
ヒートは、キッとフラッシュを睨みつけるとこう言った。






「クイック兄ちゃんはたしかに単純であんまり頭は良くないかもしれないけど、
それでも僕たちに優しくしてくれるし、困った時にはあんまり上手じゃないけどちゃんと話を聞いてくれるし、
僕たちがいじめられた時も『よし、そいつらボコリにいってやる』って言ってくれたんだ。」





「だからクイック兄ちゃんは馬鹿なんかじゃない!」とヒートは泣きながら言った。

フラッシュは泣き出してしまったヒートに動揺しながらも、ヒートの言葉を聞いて「ちゃんとお兄さんしてんじゃねぇか・・・」と感心した。
そして泣き止ませようとヒートに手を伸ばすと「フラッシュ兄ちゃんは知らないと思うけど・・・」とヒートはボソッと呟いた。









「前にね、クイック兄ちゃんが僕たちに











『なぁ、なんでお前達は弱点なのに仲良く出来るんだ?』





って聞いてきたことがあったんだ。」














「・・・!!」






「僕とウッドはそんなこと気にしたこともなかったから
『仲がいいのに理由なんてないよ?弱点なんて気にしたこともなかったね。』
『うん。』
って言ったらクイック兄ちゃんは『・・・そうか。』って悲しそうに笑ったんだ。
だから僕は
『フラッシュ兄ちゃんと何かあったの?』って聞いたら
『いや・・・そういう訳じゃないんだが・・・』
って笑って

『でも・・・』

ってまた悲しい顔で笑いながら












『・・・俺はお前たちが羨ましいよ。』





って・・・!クイック兄ちゃんはあんな悲しそうな顔しちゃだめなんだ!いつでも笑って、怒って、でも優しくて・・・

だからクイック兄ちゃんにあんな顔をさせるフラッシュ兄ちゃんこそ馬鹿だよっ・・・!」




そういってヒートはウワーンと泣きはじめた。









「・・・・・・。」




フラッシュはそんなヒートを見ながらクイックの言葉を思い出していた。





―――――――――
―――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――







『お前の武器なんかに俺が負けるかよ!』




『それ使えよ。俺がそんなものなんかにやられるわけないってこと証明してやる!』




『それがあってもなくても俺に勝てるわけないだろ。だって俺は最速最強だからな!』









―――――――――――――――――――――
―――――――――――――
―――――――――












「なんだよ・・・っ!俺が気付いてなかっただけかよ・・・。」





フラッシュはチッと舌打ちしながらそう呟いた。
クイックはいつでもフラッシュに訴えかけていたのだ。












…仲良くなりたい…と。









それをフラッシュはことごとく無視し、クイックが突っ掛かってくるからという理由で

「テメェなんてティウっちまえばいいんだ。」

など言ったこともあった。今思えば、あの時のクイックは悲しそうな顔をしてたような気がする。



独りよがりだと思って


あいつは俺のこと嫌いなんだと思って











この武器のせいで嫌われるくらいならいっそ・・・
俺自信もあいつに忘れられないくらい嫌ってくれればいいと思って・・・。













あいつが俺と仲良くしたいと思ってるだなんて気づかなかった。




・・・いや、気づいてた。


でもそんなわけないと自分に言い聞かせてた。










あいつを傷つける武器をもった俺と、あいつが仲良くしたいだなんて思うはずがないだろ。・・・と。












「ほんっと、馬鹿は俺だな・・・。」







フラッシュは自分のこれまでの行動に怒りを覚えたが、それなら尚更クイックのところに行ってやらないと・・・と怒りを冷静に沈め、体を屈めてからまたヒートの頭を撫でて「ありがとな」と二回目の感謝の言葉を述べた。








「そうだな、馬鹿は俺だった。もうあいつに悲しい顔なんてさせねェよ。」



「・・・本当に?」



「あぁ。」




フラッシュはそう言って笑い、立ち上がった。


そしてクイックの走っていったほうに向かって走り出した。





「フラッシュ兄ちゃん!」





フラッシュは後ろを振り返ってヒートを見た。







「僕はフラッシュ兄ちゃんのことも大好きだよ!」





フラッシュは、そう言ったヒートに照れたような笑みを浮かべながら軽く手を挙げ、ありがとな。というような仕種をして走り出した。





ヒートとウッドはそんなフラッシュが見えなくなるまで見ていたが、ウッドが「・・・ヒート」と言ったので「ん?」とヒートはウッドを見上げた。






「やっぱり弱点なんか関係ないよね。」


「そうだね。」



「お兄ちゃんたちも仲良く出来るよね。」



「当たり前だよ!二人が仲良くなろうと思ってるのに仲良く出来ないわけないもん。」







「ヒート」







「ん?」






「僕たちもずっと仲良しでいようね!」





「うんっ!」





二人は笑顔で手を繋いでまた歩きだした。






その二人の微笑ましい姿はまるで、弱点という闇を打ち消す友情という名の光のようだった。







あとがき



あれ?光速のはずかなぜか熱木?木熱?でオチたwwwwwwwww←
まさかの展開すぎて笑えたw
あっれ?あの二人はCPにならないはずだったんだが・・・ちょっとアレな感じに・・・。←

まあ、とりあえず話的に続くフラグです。

今回の話は「弱点なんか関係ないんだよ」ってことがいいたかった。
むしろ弱点だからこそ惹かれるんじゃないかという妄想←

隊長は鈍感だと思う。いや鋭くてもいいとは思うけど、今回は鈍感。
クイックは乙女。ツンデレの素直になれない乙女。
あぁ。かわいい。←
でもイケメン。


まあ、そんな感じで続きます。

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あきゅろす。
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