[携帯モード] [URL送信]
夏の太陽  (仁王)
 


「暑い〜・・・」



うだるような暑さが続く、この季節。

季節は、到底私1人の力で変えられるものではない。

だから、嘆いても仕方ないのだが・・・。





それでも、暑いものは暑い。





「暑い・・・暑い・・・暑いぃ・・・」



空に手を伸ばして、心いっぱい嘆く。



「屋上のど真ん中で寝転んで、暑くない奴がいたら、見てみたいぜよ」



ふと気が付くと、同じクラスの、ペテン師と呼ばれる仁王雅治がいた。



「あれ、何でいるの?もう授業終わった?」

「残念、まだじゃよ。俺もお前さんと一緒、サボりじゃ」


空はこんなにも澄んでいて、太陽は光をたくさん降り注いでいるのに、
黙って教室にいろと言う先生の考えがわからない。



今日は絶好の、サボり日和。



「にしても暑いのう・・・。焼け死ぬ前に俺は日陰に行くよ」

「ふーん」

「お前さんはそこでいいんか?」

「うん、いいの」

「焼けるじゃろ・・・。日焼けは女の天敵〜て、よお聞くけど?」


仁王は私の隣から立ち上がって、同じように太陽に手を伸ばす。


「あたしと太陽は、裸の付き合いなの。素肌を見せ合える関係なの」

「なるほど・・・。お前さんのバージンは、太陽のものっちゅーことか。
そりゃあご立派なことじゃ。プリッ」

「お褒めのお言葉ありがとう。キミみたいな女たらしに、初めてを捧げるような
かわいそうな子にはなりたくないからさ」

「・・・お前、さらっとムカつくこと言うのう」


ケラケラと仁王の反応さえも笑い飛ばして、私はまた目を閉じる。




太陽の明るさは、瞼の裏を赤く燃え上がらせる。




「ほんと、暑い・・・」




目を閉じているから、仁王が今どこにいるのかはわからない。


きっとあいつのことだ。


日陰で、ダンゴムシのように眠っているに違いない。



「脱ぎたいなー・・・制服」



誰も聞いてないと思えば、どんな言葉でも口にできる。



「脱げばええじゃろ」

「はあ!?」



自分以外の声・・・仁王の声が聞こえたので、あたしは思わず起き上がった。



「なんじゃ、そないに驚いて」

「まだこんな暑いとこにいたの?」

「おう。お前さんと太陽の、裸の付き合いってのが見てみたくての」

「あんたバカじゃないの?」



今度は、あたしの反応を、仁王がケラケラと笑い飛ばす。





なんだか・・・ムカつく。





「暑いなら脱げばええじゃろ?」

「あんた・・・それでさ、あたしがここで本当に脱いだらどうするつもり?」

「お前さんのキレイなボディーラインに見とれる」

「あんた病院行った方がいいよ。まずは精神科から」

「言っておくが、俺は本気じゃよ」




半分だけ起こしていた身体は、仁王によって押し倒される。




「太陽よりも先に、俺はお前さんのバージンを奪う」




ぐっと、真剣な顔を近づけて、意味のわからない決め台詞。


「本気って・・・あんた・・・」

「お前さんが、好きなんじゃよ。望月椿さん?」




・・・奇妙な関係が始まる予感がした。




太陽よりも、あたしの身体と心を、ジリジリと焦がすような・・・そんな関係が。



だから、あたしはこう返事をした。



「あたしのこと好きなら、野外プレイは勘弁して。
太陽に、バージンを奪われる瞬間を見られたくないの」






そうしたら、仁王は意地悪な顔で、太陽みたいに笑った。








――END



8月に入ってますます暑さが増しましたね!
現在進行形で夏バテ中な良唯です!
夏バテすげえよ、痩せるもん(不健康な証拠)
なついあつだ・・・←

仁王夢久々ですね〜
死ぬほど暑い夏でも涼しくなるような
爽やかボーイ☆は仁王かなあと思いまして。
ちょっと下ネタ入ってますが、注意書きなしでいきました。
大丈夫ですか・・・ね・・・?
仁王がちょっと変態です。でも変態大好きです。
だからこれからも変態な仁王や侑士を書き続けます←
かっこいい人ほど、変態にしたい良唯です。

閲覧ありがとうございました♪

2009 . 08 . 07 (金) 良唯


[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!