5 週末。 やっと平日が終わり、休みの日に入った。 ゆうじんは今日一日なにもないのをいいことに前日に夜更かしをして、一眠りして起きた時はもう昼頃だった。 太陽は昇りきっていて、今日も綺麗な青い空と雲を照らしている。 窓の角からぶら下がっている風鈴の涼しげで透き通った音と共に、少し吹いてきた網戸越しの風の匂いを感じながらゆうじんは気持ち良さそうにウトウトしていた。 まさに夢見心地で、ついつい口の端から垂れてきたよだれをふいた。 「…暇だ。」 しばらくしてからゆうじんはつぶやいた。 良く寝られたのはいいが、その後にすることがなくて退屈であった。 気分的に今、家にあるもので遊ぼうと思えるものもなくて、どうしようかと悩んでいる。 それにしても、普段は休みの日なのにいつもと同じくらい早く起こされるのに、今日は一度も起こされた覚えはない。 不思議な気持ちでリビングに向かうと、家族は誰もいなくて机の上になにやら書いてある一枚の紙とお金が置いてあった。 内容は、父は出勤で母は友人とお茶をしに出掛けたらしい。 通りで静かなわけだ…。 紙の下の方には起きるのが遅いという文句と、ご飯はラップをして冷蔵庫にしまってあることと、そして買い物の依頼が書いてあった。 「うわっ 面倒くさ…。こんなに買うのかよ。」 暇ではなくなったとはいえ、なんでもやる事があればいいという訳ではなかった。 とりあえずお腹が空いたので、冷蔵庫の中にしまってあったおかずを温めてご飯を食べた。 お腹も満たされたところで、とりあえず買い物に出かけることを決意する。 しかし、大きなスーパーはここから離れたところにあるのであまり乗り気になれず、少しのんびりしてから家を出発した。 [*前へ][次へ#] [戻る] |