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冨樫作品夢
眩/パリストン
暗い夜空の下、街はまだ明るく人々が行き交う。

「名前」

人混む待ち合わせの場所で、彼女の姿を見つける

「いやぁごめん、お待たせ」

「私も今来た。ねぇここっていつもこんななの?」
人混みの事かと思えば、その視線は周囲のイルミネーションに向いていた。

「ああ、そうだよクリスマスシーズンだからね。」

「ふーん…」
流行りに沿った大規模なそれがどうやら気になるようで、歩きながら目線はライトアップされた装飾をめぐっていた。
奥の方はキラキラ輝くクリスマスツリーが見える

「きれいだね」
「うん。すごいね」
「…少し見て行こうか」
「うん」

ツリーは目の前に行くと思ったよりも大きかった

「綺麗…あ、見て、クマがいる!」
「どれ?」
彼女が指差した先にはテディベアのぬいぐるみが飾られていた。
「あぁあれね。あっちにも色違いがいるよ」
「どこ?…あ、ほんとだー」
光の中の一つひとつを好奇心旺盛な瞳がとらえる
その姿を僕が側に見る事は貴重だ

ブランド物や洒落た料理には見せない興味を今このありきたりなものが独占している
だからってこれと同じものを用意したところでそれは違うのだろう



「―――あ…」
その興味に少しの邪魔と恋人としての思いつきで彼女の襟元にマフラーを巻いた
「ありがとう…暖かい」
たくさんの光を映した瞳がこちらに向けられて、一瞬らしくない自分に呆れそうになる。


結構単純に見えてわかりにくい彼女に、どうしてこんなに興味を持ってしまうのか。




end.





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らしくないパリス夢です。
クリスマスネタでギリ滑りこみ

11.12.25


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あきゅろす。
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