病になっちゃった


今日も朝からラナの家に行けば彼女は怪しげな鍋をかき混ぜていた・・・。


「・・・それ、薬・・・なのかい?」

「ええ、薬よ。リーマスに手伝ってもらったお陰でだいぶ材料がそろったからね。そろそろ作らなきゃ。」

「お役に立てて良かったよ。で・・・、それは何が入ったらそんな色になるんだい?」

「え?これのこと?これはね、これとこれ、それにこれと――」


そう言ってその辺に置いてある木の実やら薬草やらを僕に見せる。
だけどどうしたらそんな色になるのか僕には理解できないよ・・・。


「これは・・・・・・成功?」

「当り前じゃない。これはお腹を壊したときに飲むやつよ。リーマスがもしそうなったら飲ませてあげるよ。」

「・・・・・・飲むのをためらいそうだね。」

「もう、失礼ね。」


頬を膨らませて怒った表情を作るラナに笑えば彼女も笑う。
そんなラナの顔を見るといつも胸がうるさい。
ドクドクと早くなる胸に熱くなってくる顔。
他の友達と居てもなんともない、全てラナと居る時だけに起こる症状。
そんな症状がいくらまた出ようが君に会いたくなるし、そんな君の顔がまた見たくなる。
・・・何が原因かなんて、僕はもう気付き始めてるはずなのに。


「・・・どうしたの?」

「えっ?・・・なんでもないよ。」

「・・・退屈だった?」

「そんなことないよ、退屈なんて、そんな・・・。」


そんなこと、ない。
ラナと居るだけで、それだけでとっても嬉しいから。
なんて言葉を口にできない僕はただ誤魔化すことしかできないけれど。


「ねぇ、今日はお弁当持って森に行かない?どこか良い所でご飯食べましょう。」

「今からかい?でも今から作ってたら遅くなっちゃうよ?」

「ふふ、問題ないわ。だってここにお弁当あるもの。」


そう言ってラナは近くにあったバスケットを僕の前へと差し出し、中を見てみてと言う。
そして上にかかる布を捲ってみれば、中には色とりどりのサンドイッチが。


「・・・いつの間に用意したの?」

「ふふ、今日もリーマスが来てくれると思って朝用意しておいたの。」

「とっても美味しそうだね。」

「見た目だけじゃなく味も美味しいわよ?」


驚く僕に今度は君が笑う。
そんな僕の手を取り歩き出す、ラナがとても愛おしい、そう思った。


僕は恋の病にかかっちゃったみたいだ。




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あきゅろす。
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