それじゃあ別の曲でも


彼らがくるくると踊る中、残された3人はただただ見つめていました。
その中で、初めに動き出したのはジェームズでした。


「リ、リリー!僕らも一緒に踊ろうよっ!」

「遠慮するわね。」

「そんなぁっ!」


拒否をしたリリーはその輪を離れ、見つけた友人の元へと去ってしまった。
そんなリリーの背を視線で追いつつ、情けない声を出すジェームズ。


「・・・まぁまぁ、まだ夜は長いから、ね?」

「・・・うん。」


そんなリーマスの慰めも今のジェームズには届いてないようです。
そして、次の曲が始まっても帰って来ない少女たちを不思議に思い、視線をまた彼らに向けてみれば楽しそうに踊る少女の姿が。
・・・あえてシリウスに触れないのはリーマスの彼女への優しさと、練習で一人残された恨みからである。


「あ、あそこにリリー。」

「えっ?!どこどこっ?!てゆーか僕を差し置いて・・・僕のリリーと踊るなんてどこのどいつ・・・っ!」

「ほら、あそこ。」


リーマスの指す指をたどれば見つけたリリーの姿。
相手と会話しながら楽しそうに踊る彼女の姿にジェームズが嫉妬しないわけがない。


「ス、スネイプぅ?!アイツ・・・明日から楽しみしてろ・・・ふふふ・・・。」

「落ち着こうか、親友。」


怪しげに笑うジェームズに話しかけても無駄な様で。誰の声も届いてないらしい。
怪しげに笑い、ぶつくさと悪戯方法を呟く彼には正直、近づきたくないオーラが出ていた。
そしてそのまま、パティーは終盤へと近づくわけで。


「・・・あなたたち、まだこんな所にいたの?」

「・・・まあね。」


そう答えたリーマスの視線はしゃがんでぶつくさと呟く彼に。
そんなジェームズを見てか・・・、リリーは大きなため息を吐き出した。


「はぁ、しょうがないわね。ポッター、ラスト一曲だけなら踊ってもいいわよ・・・。」

「・・・そしてこれでこれをああしてそんでもって・・・。」

「ポッター、聞こえてるの?」

「・・・・・・・・・えっ?!リリー?!どうしたのっ?!」

「だから、一曲なら・・・踊っても・・・。」

「う、うん!踊ろう!今すぐっ!」


立ち上がったジェームズはリリーの手を引き、人ごみの中に紛れて行った。
そして残された少年一人。


「・・・あれ、僕誰とも踊ってないや。」


(それじゃあ別の曲でも)


(君と踊れるなんて僕は夢でも見てるのかな!)
(そうね、私が誘うなんてこれは夢ね。)


夢だろうがなんだろうか、幸せならそれでいいんです。
そんな彼の次の日の悪戯は、いつもの3分の1に減ったらしい。



(おまけ。)



[*前へ]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!