ラストはあなたと踊りましょ。


そしてやってきましたダンスパーティー当日。
皆、煌びやかな衣装に包まれ・・・なんだかホグワーツじゃないみたいです。
もちろん、衣装は急な発案をしたお茶目教師が全て取り揃えてくれましたとさ。


「あらリズ、とっても似合ってるわよ。」

「リリーもすっごく可愛いよ!」


お互いを褒めつつ、自分の最終チェックをする少女2人。
服も髪もメイクも準備完了、そして向かう先は会場である大広間。

扉を開き中に入れば、優雅に曲が流れるいつもとは違った世界でした。


「やぁ、リリー!とっても素敵だよっ!あぁ・・・女神さまが僕の前に降臨なさった・・・っ!」

「うるさいわよ、ポッター。」

「ジェームズ・・・わたしにはなんもなしですか?!」

「え?ああ、うん!リズも可愛いね!」

「・・・何馬鹿やってんだよ、親友。」

「これはもう病気だからね、ねぇ親友?」

「あははは、いつものジェームズだね!で、お二人さん、感想は?」

「まあ・・・、悪くはねぇんじゃねーか・・・?」

「馬子にも衣装?」

「どんな感想だよ!」


まずは踊らず、端っこにていつも通りな会話を繰り広げる彼ら。
そんな時、リリーから爆弾が落とされました。


「ほらリズ、踊ってきなさいよ。その為の練習だったんでしょう?ね?」

「う、うんっ!」

「まずは、ちゃんと相手を誘わなきゃ!」


そう言って少女にウインクをおくるリリー。
そして少女は一人の彼の前に立つと、ドレスの裾を持ち、頭を下げた。


「・・・シリウス、わたしと踊ってください。」

「お、俺かよっ?!」

「・・・だめ?」

「シリウス。私、昨日言ったわよね?」


そう、明日は踊るようにと。
シリウスの返事を待つ少女を見れば、段々と表情が曇って行く。


「あー・・・・・・・・・わかったよ!リズ、踊ろうぜ!」

「・・・うんっ!」


そしてシリウスが少女の手を引き、会場の中央へと歩いて行った。
そんな2人の背を見ながらリリーは笑う、そして残る2人にこんなことを言った。


「リズったら、ダンスパーティーでは最初に好きな人と踊るって意気込んでたのよ?可愛いでしょう?」


彼らがこれからどうなるかなんて誰にもわからないけれど、最初の一歩は越えたようです。


(あなたと踊りましょ。)


(ちょ、おまっ!)
(るーるるー♪)


踊りきって笑顔な少女と、対照的なシリウス。
一歩進んで・・・・・・半歩下がった?




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あきゅろす。
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