お嬢さん、ご一緒に


増えた友の屍・・・次は自分の番かもしれません。
だけどシリウスは持っていた・・・最後の切り札、最終兵器リリーをっ!


「あ、リリー!聞いたよ、ダンス教えてほしいんだよね?わたしでよかったら任せて!」

「・・・え?」


身に覚えのない話に首をかしげたくなるリリー。
だけどその前に、何時の間にリリーの隣から移動したのか・・・少女の後ろで首をブンブン上下しているシリウスを見つけてしまった。そして手はお願い、とも取れるポーズである。


「えっと・・・教えてもらってもいいかしら?」

「うん!よろこんで!」


女神降臨、シリウスにはそう思えたらしい。
涙目になりながら手を組み、リリーに視線を送りくちではありがとう!の真似をした。
そして少女は、まず手本を見せるからと一人踊り始めた。


「・・・どういうことかしら?」

「・・・見てればわかる。」


そう、見てればわかる。
そう言われたリリーは少女を見て気付いてしまった。
そして端に転がる2人の姿にも。


「・・・そういうことなのね。」

「・・・ああ、だからお前に頼みたい。」


一緒に組んでは踊らないであろう、リリーに。そうシリウスが告げればリリーは大きなため息を吐き少女の元へと歩いて行った。
去り際にこんなセリフを残して。


「別にあなたの為じゃないわ。リズの為よ。」


(お譲さん、ご一緒に)


(それってどういう意味だよ。)
(明日は踊ってあげなさいって意味よ。)


ニッコリと恐ろしいことを吐いたリリーに、シリウスが恐怖しないわけがなかった。
女帝、怖い。



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