この曲が終わらなければいいのに
曲が永遠に流れ続けるはずもなく・・・彼らの時間稼ぎはたかが数分しか持ちませんでした。
そして終わった今、少女は笑顔で彼らの元へと戻ってきた。
「イメトレできた?じゃあ踊ろう!」
「い、いや待て!」
「なに?」
「そういえば・・・な!リリーがリズに教わりたいって言ってたぞ!」
「え、リリーが?そんなこと言われてないけど・・・。」
「いや、言ってた!さっき!だから俺はここにリリーを連れてくる!」
そういうことで、と走って行ってしまったシリウス。
残るはリーマス・・・ということで少女の視線は自然とリーマスに向くわけで。
「ちょっとシリウス!」
「じゃあリーマス、先に2人で練習しよ?」
「えっ?!」
「ほらほら!」
そう言う少女に手を引かれ、もう逃げだせないリーマス。
そして少女が曲を流し、始まってしまった、ダンスが。
「ちょ、いた!」
「るーるるー♪」
「ね、聞いてリズ・・・ってうわっ!」
「るるーるーるるー♪」
曲が終わり、少女はフィニッシュ、と決めポーズで終了した。
そして隣を見れば転がっている友の姿が。
「ちょ、どうしたの?もう根を上げたの?まだまだ練習は始まったばかりよっ!」
そう言う少女にまた手を引かれ、シリウスが帰ってくるまで踊り続けた。
帰ってきた彼が見たものは・・・・・・増えた友の屍でした。
(この曲が終わらなければいいのに)
(・・・シリウス、後で覚えてなよ?)
(す、すいませんでしたっ!)
倒れながらも、ドスの聞いた声で呟いたリーマスの言葉にシリウスは半泣きで謝りました。
後が怖すぎる。
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