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「ハリー!聞いて欲しいことがあるの!」


バンッ、と扉を開けて入ってきたのはレンで、続けて入ってきたのはシリウス。
僕は自室のベッドに寝転びながら本を読んでたもんだから、いきなりの声と音にビックリしてベッドから落ちてしまった・・・。


「イテテテテ・・・、二人共どうしたの?」

「あのねっ、あのねっ!」

「レン、その話はリビングでしよーぜ。ハリー、大丈夫か?」

「わっ、ごめん!大丈夫?!」


二人の心配に大丈夫と返して、リビングへと移動する。
レンがいきなり部屋に入ってくるのはよくあることだけど、今日はどうしたんだろう?なんだか嬉しそうだったし、シリウスもどこか・・・。



「で、二人共どうしたの?」

「あ、あのね・・・」
「あのな・・・」


二人して話しだしたと思えば、それだけ言って二人共黙っちゃうもんだから僕にはさっぱりなにが何だかわからない。
首をかしげて一五秒後、また二人同時に話しだしては2人して黙る、それを何度か繰り返す。
どうしたんだろう?こんな二人珍しい。明日雪でも降るのかな・・・。

なんて考え窓の外を見てたらレンがいきなり立ち上がった。


「あ、あのね!あたしたちその・・・・・・結婚、する、こと・・・に・・・」

段々と小さくなっていくその声で、確かに結婚するって所は聞こえた。
すると今度はシリウスまでが立ち上がった。

「いや俺達ももういい年だし、お互い・・・なっ!そ、それでハリー・・・スマン!」
「ごめんね、ハリー!」

いきなり二人に謝られて僕は意味がわからない。
ごめんって・・・あっ、新婚生活中は家を出て欲しいとか・・・?
うーん、ロンの家にでもお邪魔しようかな?
僕だって新婚夫婦の邪魔なんてしたくないし。

どうしようか、と考えた結果。
ウィーズリー家の皆さんには悪いけど、帰らなきゃいけない休みだけでもロンの家に行かせてもらおう。
あとは別にホグワーツに居ればいいんだしね。


「僕の事は気にしないでよ。ロンの家にでも行ってるよ。」

驚いた顔をする二人に微笑む。
ホントは少し寂しいけれどね、なんてことは言えない。だって二人は僕の大切な人たちで、その二人の為に出来ることなら僕はなんだってするよ。


「は・・・?なんでハリーがロンの家に行くんだ?」
「やだよ!ハリーがここから居なくなるなんて!」

何言ってんだ、と二人に言われてしまって今度は僕が驚いた。

「・・・え?二人で新婚生活を送りたいから僕に謝ったんじゃないの?」

「なんであたしたちが結婚したからってハリーが出てくわけ?ここはハリーの家でもあるのに、出ていく必要もあたしたちに気を使う必要もないってば!」

「そうだぞハリー!ここはお前の家だ!何も遠慮しなくていい。」

「・・・じゃあどうして僕に謝ったわけ?」

それは・・・、とごにょごにょと話しだすレンの小さな声を頑張って拾う。
が、あまりにも小さすぎて何言ってるかわからないよ!


「それは・・・だな!俺たちがその、付き合ってるのをハリーに秘密にしてたから・・・その・・・悪かった、な、と・・・」

「あ、なんだその事?別に僕二人から聞かなくても知ってたし、二人共恥ずかしくて僕に言えないのかな?って思ってたからたいして気にしてないよ?ホント二人が結婚まで辿り着いてくれて僕嬉しいよ!おめでとう、二人共!」


ありがとう、と笑う二人にこれから幸せが沢山降り注ぎますように、って僕は願ったんだ。


「ちなみにハリー・・・、その話はどこで誰に聞いたんだ?」

「え?学校だけど?ルーピン先生が”僕にはなんでもお見通しなんだよ、あれであの二人は隠してるつもりなんだろうか?ホント二人揃ってバカだよね・・・フフフ”って笑ってたけど?」


ルーピン先生が言っていた言葉を伝えれば、シリウスはちょっと出かけてくるって言って出てってしまった。
・・・・・・多分ルーピン先生の所だと思うけどね。




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あきゅろす。
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