過去拍手
「うわっ!」
「あれ、ハリーおかえりー。帰ってたんだ。」
「あ、うん、ただいま....じゃなくて!何その格好!」
「何って....暑いからシャワー浴びてたんだけど....?」
「いや、そうじゃなくて....格好の話!服着てよ、服!」
若干、頬を赤らめながら告げるハリーが言う彼女の格好とはバスタオル一枚。
しかもそのままソファーにて茶を飲んでるではないか。
そんなハリーに彼女は笑って謝り、こんなに帰りが早いとは思わなかったんだ、なんて告げた。
「そういう問題?!僕がいなくったってシリウスがさ....。」
「しーちゃんはへーきへーき。(だって昔はあんなにやんちゃボーイだったしさー)」
「え?!(まさかふたりはもうそんな....!)」
なんて、ハリーが危ない方向へ勘違いを始めた頃、話題の人物がやってきた。
「ハリー?さっきから何騒いでんだよ?」
「シリウス!二人がどんな関係でもいいから服着るようにシリウスからも言ってよっ!」
「....は?なんのこと....ってお前....またんな格好でうろちょろと....。」
「暑かったんだもん。」
「....いーから服着て来いっ!ハリーもいるんだし....、お前は女としての自覚を持ちやがれっ!」
「はいはい、わかったわよ....きてくるよーだ。」
ぶつぶつと文句を言いながらも自室へと向かった彼女に安堵する二人。
「やっと行きやがったか....。」
「シリウスは驚かないんだね....あの格好に....。」
「暑いからとあんな格好で日々うろちょろされてればな....。」
「そう、なんだ....。(なんだ、僕の勘違いだったんだ)」
「一応、ハリーがいる時は気を使ってたらしいぞ....年頃だからって。あれで、一応。」
「あ、はは....。」
「ま、あいつの貧相な体じゃなんとも思わねーよなぁ....もう少し出るとこ出てよー、」
「シ、シリウス....その辺にしといた方が....、」
「誰 の 体 が 貧 相 で す っ て ?」
恒例のバトルが始まってしまった二人にまたか、と小さくため息を吐き出すハリー。
年頃だと、自分の事を考えてくれるのならば少しはこの辺も考えてはくれまいか....と思うハリーであったがそれは所詮かなわぬ夢で。
叶わなくても祈ってしまうのは人間だからかな....と少しだけハリーを大人にさせた夏であった。
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