オレの秘書さん
変な所で鋭い君
少し前から気になっていた事を今日こそはボスに聞いてみよう!そう心に誓ってはや3日…。
大した事を聞くわけじゃないのに、何でこんなに緊張しているのだろう。
「……ぇ」
それはきっとボスにくっつく機会があったからで、それが理由で気になったとは何となく言い辛い…。
「ねぇ、○○!」
『は、はいぃ!』
ボスに名前を呼ばれて返事をしたけど、妙に声が張ってしまいました。
「どうしたの?また頭痛とか?」
前に頭痛で仕事を中断させてしまった事があってボスは心配そうに私を見ています。
『あ…いえ、そう言うワケでは』
「じゃあ、どっか別の所が痛いの?」
益々眉の下がった顔で私を見つめるボスにブンブンと頭を横に振りました。
『…ちょっと考え事をしてまして…』
「えっ…何?もしかして恋の悩みとか!?」
『ちちちちがいますっ!!』
握っていたペンの動きを止めて目を丸くするボスに、慌ててさっきよりも勢いよく首を横に振りました。
「オレで良ければ相談に乗るけど…」
万年筆を置き両手を握って私の方をじぃっと見つめるボスに、悩んでいると心配をかけているのが申し訳なくて恐る恐る口を開いた。
『あの…ボスの使ってみえる香水の銘柄を知りたくて…』
小さな声で呟いたけど、どうやらボスにちゃんと届いたらしく驚いた顔で何度も瞬きしているのが分かりました。
『香水とか詳しくないのですが、とっても良い匂いだったので…』
何もおっしゃられないボスに、沈黙を壊すように続ける。
変な事を聞いているワケじゃないのに、何でこんなに焦っていて顔が熱いのか分かりません。
「…なら今度プレゼントするよ」
『え、あ、そんなつもりでは…』
おねだりしたワケではなく、ただボスの使っている香水が知りたいだけなのに、優しく紳士なボスのことそう言って下さることは予想できたのに…。
もっと言い方を考えるべきだった!良い断り方がないかと俯いて頭をフル回転。
「遠慮しなくてもいいよ。オレと同じ香水を付けてくれるの嬉しいし!」
『いえ、そんな…恐れ多いです』
しっかり気を使わせてしまったと半泣きで顔を上げるとニッコリと微笑まれた。
「だって、好きな人と同じ香りになるのって憧れない?」
『ぼぼぼぼボス!なんかエロイです!!』
変な所で鋭い君
(同じシャンプーとかってコトですよね!?)
(今は香水の話だったよね…オレの願望的な意味では合ってるけどさ。しかも、何気に告白がスル―だし…)
'10/7/19up
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