オレの秘書さん
急速充電!
昼食後、ボスから頼まれた伝達書類を守護者の皆さんに手渡しして回り執務室に戻ってノックをしたけれどボスの返事がありません。
どこかへ行かれたのだろうかとそっと扉を開けると机に突っ伏していらっしゃるのが見えました。
昨日も夜遅くまで任務でしたし働きすぎのボスの事、相当疲れが溜っていらっしゃるに違いありません。
…でも、折角お休みになるならベットの方が体も休まると思い、思い切ってボスに声をかけました。
『ボス、お休みになられるならベットに行かれてはいかがですか?』
出来るだけお傍に近づき控えめな声で話しかけると、ボスはピクリともなさらず長い睫毛は閉じられたまま。
ああ、私に腕力があればボスをベットまで運んで差し上げるのに…。
非力な自分が憎たらしい。
『ボス!ベットに行きましょう!』
少し大きめの声で言ったら、目を開けられて私の顔を凝視されました。
「んぅ…○○?」
『ベットでお休み下さい。私でよければ肩につかまって貰って…』
「ん…じゃ、連れてって…」
ゆるゆると起き上がって目を擦るボスの仕草がとても可愛らしくて頬が緩みま…
『ボ、ボス!?』
ボスに抱きしめられていると気付くのに2秒ほどかかってしまいました。
「抱っこで連れて行って?」
『あああああの、それは無理です!!』
あわあわとしながらも固まっていると上からクスクス笑いが降って来た。
「ごめんごめん。冗談…ふぁ」
そう言って私を解放しつつ大きな欠伸をひとつ。
『ボス、ベットでお休みになって下さい』
上ずった声で言うとニッコリと微笑まれました。
「大丈夫。今ので充電できたから」
急速充電!
(食後にコーヒー飲んで10分間寝ると頭が冴えるってこの前テレビでやってましたよね!ボスも見てたんですか?)
(…睡眠で充電したと思われてる…)
'10/7/15up
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