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オレの秘書さん
天然という名の悪魔
今日はボスがリボーンさんを伴って外回りのため、獄寺さんがボスの仕事の一部を代理決裁してくださっています。

週に1度は外回りに行かれるボスの仕事を補って守護者の方が代わる代わる来て下さるのですが、それでもボスしか判断できない書類は残るわけで。
疲れて帰っていらっしゃっても残った書類と格闘ですね…。


「…何難しい顔してやがる」

獄寺さんと初めて会った時、その話し方に驚いているとボスに「隼人はツンデレなだけだから、普通に話せばいいんだよ」とおっしゃって、ツンデレはマフィア用語なのかなと思いつつ頷いたのが懐かしい。


『すみません。そんな顔してましたか?』


「…謝らなくてもいい」

笑顔で応えればフイと書類に目線を落とされましたが、獄寺さんはとてもよく人を観察していらっしゃると思うのです。

この前もボスが体調がお悪いのに直ぐ気付かれて…いつも一緒に仕事をしている私が気付けないのを悔しく思ったのです。





「オレが処理できる書類は終わったから確認しておいてくれ」

『はい。ご苦労様でした』


椅子から立ち上がり書類を私に預ける獄寺さんに笑顔でお礼を言うと、ジィっと睨むように何か言いたげな目をされたので首を傾げた。



「なぁ、10代目はお前に大事な話をされなかったか?」


『えっ!?まだ何かボスから頼まれたモノがありましたか?』


慌てて机の上を確認しはじめる私に、違うと制止する獄寺さん。



「そうじゃなくて…個人的な…キモチトカ…」

だんだんと顔を赤くしながら声が小さくなってゆく獄寺さんの言葉を聞き取ろうと顔を近づけた時に執務室の扉が開いた。



「隼人…何してるの?」

「『お帰りなさいませボス!/10代目』」


外回りから戻られたボスに私たちの声がハモってしまいました。

ボスは吹き出され、その後ろでリボーンさんが肩を揺らして笑いを堪えていらっしゃいます。
あぁ、凄く恥ずかしい。



「隼人、頼んだ仕事終わった?」

「は、はい。○○に渡してありますので!オレは失礼します」

急ぎ足で部屋を出て行こうとする獄寺さんにボスが何かを言われ、獄寺さんは頭をペコペコと下げ、リボーンさんは今度は声を出して笑っていらっしゃる。

何を話されているかは聞こえませんでしたが、ホントに皆さんは仲が良いので私も何だか嬉しいです。



天然という名の悪魔


(オレがどうして何も言わないか分かるよね?)

(ホントすんません!)

(天然記念物だぞ)


'10/7/1up

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